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公開日 2013/04/22 15:56
【短期集中連載】コレが我が社の4K/8K技術(3)パナソニック「4Kアップコンバート技術」
月刊「AVレビュー」連動企画
昨年秋に発売されたBDレコーダー・DIGA「DMR-BZT9300」には、パナソニックでは初となる4Kアップコンバート技術が搭載された(関連ニュース)。新世代UniPhierを活用し、「4Kダイレクトクロマアップコンバート」や「4K超解像」、BD・DVD・放送番組などの「4K/24p出力」など、本機ならではの4K技術が搭載されている。レコーダーでありながら「BD再生における最高性能モデル」との呼び声も高い、DIGAのトップエンドであるBZT9300の4K関連機能を聞いた。
■4Kに最適なクロマ処理を1度でできるのはDIGAだけ
折原 昨年発売されたDIGA DMR-BZT9300のフィーチャーに4Kアップコンバート機能がありますね。まずはこの機能の特徴から教えて下さい。
甲野 BZT9300の4Kアップコンには当社独自の「4Kダイレクトクロマアップコンバート」技術が使われています。BDや放送などで使われているMPEG圧縮は4:2:0フォーマットであり、色信号(Cb/Cr)が輝度信号(Y)の1/4しか記録されていないため、ディスプレイに表示する際には必ず色信号を補間処理する必要があります。我々はこの補間処理がHD画質のポイントであると考え、以前から性能の改善を図ってきました。4Kダイレクトクロマアップコンバートも、この思想をベースに開発されたものです。
折原 一般的な4Kアップコンと比べて、BZT9300の4Kアップコンは何が違うのでしょう?
甲野 通常はまずHD信号で垂直の色アップサンプリングと水平の色アップサンプリングを行った後に4Kアップコンバートを行います。BZT9300の場合はHD/4:2:0信号からダイレクトに4K/4:4:4信号を生成します。クロマ処理を1度にすることで、演算の打ち切り誤差が減り、微小信号の再現性に優位です。また通常は、HD信号に最適化したクロマ処理をしてから4Kアップコンバートを行いますが、我々は始めから4Kという最終出力に最適化させた特性でクロマ処理ができることもメリットです。
折原 なるほど。
甲野 またHDMI規格ではHD/4:2:0信号をそのまま伝送することができません。そのため、4Kダイレクトクロマアップコンバートはディスプレイ側では実現できない処理なのです。
折原 BZT9300はBDだけでなく、DVDや放送番組なども4K化できますね。
甲野 放送番組のようなインターレース素材の場合は、4:2:0信号のままI/P変換(60i→24p)をした後に、4Kにダイレクトアップコンを行っています。色信号を含めてプログレッシブで処理しますので、インターレースで処理する通常の方法と比べて、記録されている信号を最大限に引き出すことができるわけです。
■プロセスを徹底的に見直して理想的なシステムを構築した
折原 クロマ処理に着目し始めたのは何時からですか?
甲野 DMR-BW200を発表した頃でしょうか。BW200をハリウッドのPHL(パナソニック ハリウッド研究所)に持ち込み、BDの標準再生機と比較したところ、再生画質がかなり違っていました。その原因を追求すると、クロマ処理がポイントだという事がわかったのです。さらに調べると、チップの内外で発生する信号処理の打ち切り誤差も、無視できない影響があることがわかりました。デジタル処理の場合、一度消えた信号は絶対に戻りませんし、一度歪んだ信号を画作りでカバーしようとすると、必ずどこかに弊害が生じます。我々の映像処理を支えるUniPhierは、世代を重ねる毎に、処理のプロセスや回路の精度を見直し、今では階調丸めが一切無い理想的なシステムへと進化・向上しています。
折原 4K信号の出力時、bit数はどれくらいになりますか?
甲野 現状のHDMI規格上、4K/24p/4:4:4出力時は8bitに制限されますが、4K/24p/4:2:2出力を選択すれば、12bitのDeepColor信号が出力できます。
折原 4:4:4の8bitと4:2:2の12bit、一体どちらの出力方法がいいのでしょう?
甲野 4:4:4/8bitで出力すればDIGAのクロマ処理を最大限に活かせますが、4:2:2/12bitで出力すれば階調面で有利になる可能性があります。どちらが良いかは、信号を受け取るディスプレイ側の特性によると思います。BZT9300は、初期設定でどちらも選択する事ができますが、、デフォルトでは4K/24p/4:4:4の8bit出力が優先になっています。
■4Kに最適なクロマ処理を1度でできるのはDIGAだけ
折原 昨年発売されたDIGA DMR-BZT9300のフィーチャーに4Kアップコンバート機能がありますね。まずはこの機能の特徴から教えて下さい。
甲野 BZT9300の4Kアップコンには当社独自の「4Kダイレクトクロマアップコンバート」技術が使われています。BDや放送などで使われているMPEG圧縮は4:2:0フォーマットであり、色信号(Cb/Cr)が輝度信号(Y)の1/4しか記録されていないため、ディスプレイに表示する際には必ず色信号を補間処理する必要があります。我々はこの補間処理がHD画質のポイントであると考え、以前から性能の改善を図ってきました。4Kダイレクトクロマアップコンバートも、この思想をベースに開発されたものです。
折原 一般的な4Kアップコンと比べて、BZT9300の4Kアップコンは何が違うのでしょう?
甲野 通常はまずHD信号で垂直の色アップサンプリングと水平の色アップサンプリングを行った後に4Kアップコンバートを行います。BZT9300の場合はHD/4:2:0信号からダイレクトに4K/4:4:4信号を生成します。クロマ処理を1度にすることで、演算の打ち切り誤差が減り、微小信号の再現性に優位です。また通常は、HD信号に最適化したクロマ処理をしてから4Kアップコンバートを行いますが、我々は始めから4Kという最終出力に最適化させた特性でクロマ処理ができることもメリットです。
折原 なるほど。
甲野 またHDMI規格ではHD/4:2:0信号をそのまま伝送することができません。そのため、4Kダイレクトクロマアップコンバートはディスプレイ側では実現できない処理なのです。
折原 BZT9300はBDだけでなく、DVDや放送番組なども4K化できますね。
甲野 放送番組のようなインターレース素材の場合は、4:2:0信号のままI/P変換(60i→24p)をした後に、4Kにダイレクトアップコンを行っています。色信号を含めてプログレッシブで処理しますので、インターレースで処理する通常の方法と比べて、記録されている信号を最大限に引き出すことができるわけです。
■プロセスを徹底的に見直して理想的なシステムを構築した
折原 クロマ処理に着目し始めたのは何時からですか?
甲野 DMR-BW200を発表した頃でしょうか。BW200をハリウッドのPHL(パナソニック ハリウッド研究所)に持ち込み、BDの標準再生機と比較したところ、再生画質がかなり違っていました。その原因を追求すると、クロマ処理がポイントだという事がわかったのです。さらに調べると、チップの内外で発生する信号処理の打ち切り誤差も、無視できない影響があることがわかりました。デジタル処理の場合、一度消えた信号は絶対に戻りませんし、一度歪んだ信号を画作りでカバーしようとすると、必ずどこかに弊害が生じます。我々の映像処理を支えるUniPhierは、世代を重ねる毎に、処理のプロセスや回路の精度を見直し、今では階調丸めが一切無い理想的なシステムへと進化・向上しています。
折原 4K信号の出力時、bit数はどれくらいになりますか?
甲野 現状のHDMI規格上、4K/24p/4:4:4出力時は8bitに制限されますが、4K/24p/4:2:2出力を選択すれば、12bitのDeepColor信号が出力できます。
折原 4:4:4の8bitと4:2:2の12bit、一体どちらの出力方法がいいのでしょう?
甲野 4:4:4/8bitで出力すればDIGAのクロマ処理を最大限に活かせますが、4:2:2/12bitで出力すれば階調面で有利になる可能性があります。どちらが良いかは、信号を受け取るディスプレイ側の特性によると思います。BZT9300は、初期設定でどちらも選択する事ができますが、、デフォルトでは4K/24p/4:4:4の8bit出力が優先になっています。
本記事は月刊「AVレビュー」2013年5月号(4月17日発売)の特集「4Kのすべて」からの抄録です。誌面では、この記事の倍のインタビュー全文がお読み頂けます。「続きが読みたい!」「特集をすべて読みたい!」という方、「AVレビュー」のご購入はこちらからどうぞ。 |