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公開日 2016/02/12 11:47
家電らしさからの脱却目指す − ソニー、“Life Space UX”新モデル発売記念イベントで開発秘話を披露
ポータブル超短焦点プロジェクターと“グラスサウンドスピーカー”
ソニーは、“Life Space UX”の新製品、ポータブル超短焦点プロジェクター「LSPX-P1」(関連ニュース)と“グラスサウンドスピーカー”「LSPX-S1」(関連ニュース)の発売記念イベントを開催。同社幹部が製品特長や“Life Space UX”プロジェクトの戦略を語るなどした。
2月13日からの発売を記念したプレス向けイベント。家具ブランドarflexのショールームを会場に、実際の使用シーンをイメージさせるスペースでデモを行うなどした。
今回発売される新製品の詳細は製品発表時の記事、および連載コーナー「山本敦のAV進化論」でのレビュー記事を参照いただきたいが、「LSPX-P1」は最大80インチでの投写が可能な小型SXRDプロジェクターで、“グラスサウンドスピーカー”「LSPX-S1」は有機ガラス管を振動させて音を出す、照明一体型のスピーカー。
製品開発に携わった同社TS事業準備室シニアコンスーマーエクスペリエンスプロデューサー 企画マーケティング統括の谷村秀樹氏は、「予想を大幅に上回る予約をいただいている」と市場からの反応を紹介。
また、プロジェクターについて「電源ボタン以外は本体から排除して、空間に溶けこむシンプルな佇まいにした」と述べたり、グラスサウンドスピーカーについても「誰かが目の前で歌ったり演奏しているような究極のリラックス体験を提供することを目指した」と語るなど、製品のコンセプトを説明した。
Life Space UXを推進する同社TS事業準備室室長の斉藤博氏は、従来の家電には「違和感と制約」があったとコメント。住空間に馴染まないデザインや、テレビやオーディオ機器の前にいなければいけないという制約が家電には付きものであるとし、「そういった違和感や制約を取り払ってしまえば、今まで気づかなかったような新たな体験ができるのではないか。そうして生まれた家電は日常に自然に寄り添うものにななるのではないかと考えた」と説明する。
そして、そうした考えの下での製品開発においては「従来の足し算的な発想から脱却して新しいアプローチが必要だ」とコメント。「床や壁、照明といったものから発想して、そこにどうやって家電をなじませていくのかを考えた」という。
また、「家は非常に特別な空間」だとし、「そこに新しい体験を持ち込むことで、ひとりひとりが本当に自由に暮らす住空間が生まれる」と説明。Life Space UXによってそうした住空間の創出を目指していると述べた。
発表会では、6台のグラスサウンドスピーカーを連携させて、音楽や鳥のさえずりなどを一緒に再生するという特別なデモも披露。会場に集ったプレスや関係者に向けて、Life Space UXの世界観をアピールした。
両製品の開発者が登壇してのトークセッションも実施。ポータブル超短焦点プロジェクター「LSPX-P1」の開発者であるデバイスソリューション事業本部 新規事業部門 ポータブルプロジェクタモジュール事業室 統括課長の松田幹憲氏は、「当時、(プロジェクターの開発などを行っている)厚木工場の夏祭りに社長の平井が来たときに試作機のプレゼンを行った。目立つように若手社員がRGB各色のTシャツを着てプレゼンした。まさか夏祭りでやるとは思わなかった(笑)」と、裏話も交えながら開発の経緯を説明するなどした。
また、グラスサウンドスピーカーの開発者であるソニービデオ&プロダクツ V&S事業部 サウンド開発部2課 アコースティックマネージャーの鈴木伸和氏は、「(今回の前身となる)サウンティーナの開発で、新たな音楽体験の創出、従来のスピーカーにはない新しい価値を感じた。それを多くの方に届けたいと思い、テーブルトップになるようなサイズを目指した」とコメント。ワインボトルの大きさをひとつの目標に、小型化を進めたという。
なお、インテリアに溶け込むスピーカーの開発にあたっては“音の噴水”をイメージしたと説明。「サウンド・ファウンテン」が転じて「サウンティーナ」という製品名につながったのだという。
さらに、アートディレクターで多摩美術大学情報デザイン学科教授も務める(株)アクシスの宮崎光弘氏、takram design engineering代表のデザインエンジニアである田川欣哉氏、ITジャーナリストの林信行氏によるトークセッションも展開。
「家電は家電の形をしていないといけないと思われているが、技術の進化によって、それがもはや必要とされなくなってきている。そこを大半の家電はフォローできていない」と指摘する田川氏は、「『家電の家電らしさ』からの開放を丁寧にやっているのがLife Space UXプロジェクトだと感じる」と語った。
そして林氏も「明らかに20世紀の家電とは別物」とLife Space UXの製品群を評価。「従来の家電はあまりにも便利に走り過ぎていた。便利さの追求ではなく、この製品でもっと豊かな時間を過ごせるようになるのでは。ユーザーどうしで『こんな素敵な使い方があるよ』というのを共有していけたらいいなと思う」とした。
2月13日からの発売を記念したプレス向けイベント。家具ブランドarflexのショールームを会場に、実際の使用シーンをイメージさせるスペースでデモを行うなどした。
今回発売される新製品の詳細は製品発表時の記事、および連載コーナー「山本敦のAV進化論」でのレビュー記事を参照いただきたいが、「LSPX-P1」は最大80インチでの投写が可能な小型SXRDプロジェクターで、“グラスサウンドスピーカー”「LSPX-S1」は有機ガラス管を振動させて音を出す、照明一体型のスピーカー。
製品開発に携わった同社TS事業準備室シニアコンスーマーエクスペリエンスプロデューサー 企画マーケティング統括の谷村秀樹氏は、「予想を大幅に上回る予約をいただいている」と市場からの反応を紹介。
また、プロジェクターについて「電源ボタン以外は本体から排除して、空間に溶けこむシンプルな佇まいにした」と述べたり、グラスサウンドスピーカーについても「誰かが目の前で歌ったり演奏しているような究極のリラックス体験を提供することを目指した」と語るなど、製品のコンセプトを説明した。
Life Space UXを推進する同社TS事業準備室室長の斉藤博氏は、従来の家電には「違和感と制約」があったとコメント。住空間に馴染まないデザインや、テレビやオーディオ機器の前にいなければいけないという制約が家電には付きものであるとし、「そういった違和感や制約を取り払ってしまえば、今まで気づかなかったような新たな体験ができるのではないか。そうして生まれた家電は日常に自然に寄り添うものにななるのではないかと考えた」と説明する。
そして、そうした考えの下での製品開発においては「従来の足し算的な発想から脱却して新しいアプローチが必要だ」とコメント。「床や壁、照明といったものから発想して、そこにどうやって家電をなじませていくのかを考えた」という。
また、「家は非常に特別な空間」だとし、「そこに新しい体験を持ち込むことで、ひとりひとりが本当に自由に暮らす住空間が生まれる」と説明。Life Space UXによってそうした住空間の創出を目指していると述べた。
発表会では、6台のグラスサウンドスピーカーを連携させて、音楽や鳥のさえずりなどを一緒に再生するという特別なデモも披露。会場に集ったプレスや関係者に向けて、Life Space UXの世界観をアピールした。
両製品の開発者が登壇してのトークセッションも実施。ポータブル超短焦点プロジェクター「LSPX-P1」の開発者であるデバイスソリューション事業本部 新規事業部門 ポータブルプロジェクタモジュール事業室 統括課長の松田幹憲氏は、「当時、(プロジェクターの開発などを行っている)厚木工場の夏祭りに社長の平井が来たときに試作機のプレゼンを行った。目立つように若手社員がRGB各色のTシャツを着てプレゼンした。まさか夏祭りでやるとは思わなかった(笑)」と、裏話も交えながら開発の経緯を説明するなどした。
また、グラスサウンドスピーカーの開発者であるソニービデオ&プロダクツ V&S事業部 サウンド開発部2課 アコースティックマネージャーの鈴木伸和氏は、「(今回の前身となる)サウンティーナの開発で、新たな音楽体験の創出、従来のスピーカーにはない新しい価値を感じた。それを多くの方に届けたいと思い、テーブルトップになるようなサイズを目指した」とコメント。ワインボトルの大きさをひとつの目標に、小型化を進めたという。
なお、インテリアに溶け込むスピーカーの開発にあたっては“音の噴水”をイメージしたと説明。「サウンド・ファウンテン」が転じて「サウンティーナ」という製品名につながったのだという。
さらに、アートディレクターで多摩美術大学情報デザイン学科教授も務める(株)アクシスの宮崎光弘氏、takram design engineering代表のデザインエンジニアである田川欣哉氏、ITジャーナリストの林信行氏によるトークセッションも展開。
「家電は家電の形をしていないといけないと思われているが、技術の進化によって、それがもはや必要とされなくなってきている。そこを大半の家電はフォローできていない」と指摘する田川氏は、「『家電の家電らしさ』からの開放を丁寧にやっているのがLife Space UXプロジェクトだと感じる」と語った。
そして林氏も「明らかに20世紀の家電とは別物」とLife Space UXの製品群を評価。「従来の家電はあまりにも便利に走り過ぎていた。便利さの追求ではなく、この製品でもっと豊かな時間を過ごせるようになるのでは。ユーザーどうしで『こんな素敵な使い方があるよ』というのを共有していけたらいいなと思う」とした。