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公開日 2018/11/20 20:13
関東初 “IMAXレーザー” 導入シアター「109シネマズ川崎」先行体験レポート! 鑑賞時は「役者の眼」に注目!
IMAX社のCQOと樋口真嗣監督が内覧会に登場
今週11月23日(金・祝日)、神奈川県川崎市の商業施設・ラゾーナ川崎プラザ内の「109シネマズ川崎」と、愛知県名古屋市の商業施設・マーケットスクエアささしま内の「109シネマズ名古屋」に、それぞれ関東/中部地方初となる「IMAXレーザー」導入シアターがオープンする。
オープンに先駆け、本日109シネマズ川崎では先行内覧会が開催。IMAXレーザー解説のため、カナダIMAX社のCQO(品質管理責任者) デヴィット・キーリー氏が登壇した。また、ゲストとして『シン・ゴジラ』の監督などを務め、自身も映画好きとして知られる樋口真嗣氏が招かれ、観客/製作者の両面からIMAXの魅力を語った。
「IMAXレーザー」はIMAX社が提供する大スクリーンの上映システムで、映写機に2機の4Kレーザープロジェクターを採用する点が最大の特徴。中でもキーリー氏は、プロジェクターを「プリズムレス」とした事が画期的だと語る。
多くのDLPプロジェクターでは、光源の白色光をプリズムでRGB(赤/緑/青)に分割、これをデジタルマイクロミラーデバイスで反射することでカラー映像を再現する。
しかし、IMAXレーザーに用いられる光学エンジンでは、RGBの1色につき1基、計3基のデジタルマイクロミラーデバイスを使用。これにより、プリズム無しにカラー映像を投射することを可能とした。この技術は、米コダック社から購入した技術を元に同社が開発したといい、2014年に発表している。
ミラーデバイスの前に置かれていたプリズムが無くなったことにより、投写映像のシャープさ、クリアさが向上。またレーザー光源を採用したことで、画面輝度やコントラスト比、色域も拡大している。キーリー氏は“プリズムレス”プロジェクターの強みについて、「コントラスト比は従来の20倍以上で、白と黒の境界線もくっきりと現れる」と表した。
映像だけではなく音響面も充実しており、同社の紹介映像において、「フルダイナミックレンジ・イマーシブ・サウンド」と名付けられている12chサラウンドシステムを採用している。
スクリーン裏に4基、左右に4基、天井に4基のスピーカーで構成され、さらに1基は低音専用の「サブベースシステム」となっている。これにより、針が床に落ちる微細な音からジェットエンジンの轟音まで、イマーシブサウンドを臨場感豊かに再現するとしている。
最後にキーリー氏は、品質管理と維持もIMAXの重点目標と説明。IMAX作品上映後のスクリーンには必ず品質担当者への連絡先が表示されるのだが、この連絡先へのフィードバックは直接キーリー氏に届く仕組みになっているのだという。キーリー氏は「映画は週末にご覧になる方が多いだろうから、私は土日も待機して1件1件フィードバックに目を通している」とジョークを交えつつ、優れた映画体験のために取り組んでいることをアピールした。
続いて、1985年のつくば万博で初めて体験して以来、IMAXのとりこになっているという樋口真嗣氏が登壇。観客の立場から見たときのIMAX作品について「後から家で見る事もできる通常の映画作品とは違う、ライブのように機会を逃すと2度と見られない、その場限りの“体験”」と評し、映画が単なる“観るコンテンツ”から、“体感するコンテンツ”に変化しつつある、その一端が表れていると語った。
また、IMAX作品の鑑賞時に注目してもらいたい点として「役者の眼」を挙げる。「感極まった際のうるみ方など、一般作品で気にならない『眼の演技』がIMAXではよく分かる」と言い、例えば自身が監督した『シン・ゴジラ』でも、人々がゴジラを見上げるシーンなどでそれが良く分かるとしていた。
一方、製作者の立場からは、一般作品をIMAXの70mmフィルム相当にリマスタリングする技術「IMAX DMR」について言及。『シン・ゴジラ』もIMAX DMRを施された際、「ポケットに入るような小型の機材で撮ったカットもたくさんあるのだが、それらも大型機材で撮ったものと遜色のない、臨場感あるものに仕上った」という。
IMAX DMRによるリマスタリングを受けるため、作品は通常より1か月早く完成させ、カナダのIMAX社に送る必要があったそうだが、その効果は撮影の苦労に見合うもののようだ。また、予算さえ許されるなら、自身もIMAXフィルムにて撮影を行いたいと製作者としての夢も話していた。
IMAXレーザー初の上映作品は、オープン同日に公開を開始する『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』。以降も2週間ごとに新しい作品が公開されていく予定となっている。
※初出時、記事タイトルにて「日本初のIMAXレーザー導入シアター」としておりましたが、同等のシステムが既に「109シネマズ大阪エキスポシティ」に導入されているため、これは誤りでした。お詫びすると共に、正しい表記に訂正いたします。
オープンに先駆け、本日109シネマズ川崎では先行内覧会が開催。IMAXレーザー解説のため、カナダIMAX社のCQO(品質管理責任者) デヴィット・キーリー氏が登壇した。また、ゲストとして『シン・ゴジラ』の監督などを務め、自身も映画好きとして知られる樋口真嗣氏が招かれ、観客/製作者の両面からIMAXの魅力を語った。
「IMAXレーザー」はIMAX社が提供する大スクリーンの上映システムで、映写機に2機の4Kレーザープロジェクターを採用する点が最大の特徴。中でもキーリー氏は、プロジェクターを「プリズムレス」とした事が画期的だと語る。
多くのDLPプロジェクターでは、光源の白色光をプリズムでRGB(赤/緑/青)に分割、これをデジタルマイクロミラーデバイスで反射することでカラー映像を再現する。
しかし、IMAXレーザーに用いられる光学エンジンでは、RGBの1色につき1基、計3基のデジタルマイクロミラーデバイスを使用。これにより、プリズム無しにカラー映像を投射することを可能とした。この技術は、米コダック社から購入した技術を元に同社が開発したといい、2014年に発表している。
ミラーデバイスの前に置かれていたプリズムが無くなったことにより、投写映像のシャープさ、クリアさが向上。またレーザー光源を採用したことで、画面輝度やコントラスト比、色域も拡大している。キーリー氏は“プリズムレス”プロジェクターの強みについて、「コントラスト比は従来の20倍以上で、白と黒の境界線もくっきりと現れる」と表した。
映像だけではなく音響面も充実しており、同社の紹介映像において、「フルダイナミックレンジ・イマーシブ・サウンド」と名付けられている12chサラウンドシステムを採用している。
スクリーン裏に4基、左右に4基、天井に4基のスピーカーで構成され、さらに1基は低音専用の「サブベースシステム」となっている。これにより、針が床に落ちる微細な音からジェットエンジンの轟音まで、イマーシブサウンドを臨場感豊かに再現するとしている。
最後にキーリー氏は、品質管理と維持もIMAXの重点目標と説明。IMAX作品上映後のスクリーンには必ず品質担当者への連絡先が表示されるのだが、この連絡先へのフィードバックは直接キーリー氏に届く仕組みになっているのだという。キーリー氏は「映画は週末にご覧になる方が多いだろうから、私は土日も待機して1件1件フィードバックに目を通している」とジョークを交えつつ、優れた映画体験のために取り組んでいることをアピールした。
続いて、1985年のつくば万博で初めて体験して以来、IMAXのとりこになっているという樋口真嗣氏が登壇。観客の立場から見たときのIMAX作品について「後から家で見る事もできる通常の映画作品とは違う、ライブのように機会を逃すと2度と見られない、その場限りの“体験”」と評し、映画が単なる“観るコンテンツ”から、“体感するコンテンツ”に変化しつつある、その一端が表れていると語った。
また、IMAX作品の鑑賞時に注目してもらいたい点として「役者の眼」を挙げる。「感極まった際のうるみ方など、一般作品で気にならない『眼の演技』がIMAXではよく分かる」と言い、例えば自身が監督した『シン・ゴジラ』でも、人々がゴジラを見上げるシーンなどでそれが良く分かるとしていた。
一方、製作者の立場からは、一般作品をIMAXの70mmフィルム相当にリマスタリングする技術「IMAX DMR」について言及。『シン・ゴジラ』もIMAX DMRを施された際、「ポケットに入るような小型の機材で撮ったカットもたくさんあるのだが、それらも大型機材で撮ったものと遜色のない、臨場感あるものに仕上った」という。
IMAX DMRによるリマスタリングを受けるため、作品は通常より1か月早く完成させ、カナダのIMAX社に送る必要があったそうだが、その効果は撮影の苦労に見合うもののようだ。また、予算さえ許されるなら、自身もIMAXフィルムにて撮影を行いたいと製作者としての夢も話していた。
IMAXレーザー初の上映作品は、オープン同日に公開を開始する『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』。以降も2週間ごとに新しい作品が公開されていく予定となっている。
※初出時、記事タイトルにて「日本初のIMAXレーザー導入シアター」としておりましたが、同等のシステムが既に「109シネマズ大阪エキスポシティ」に導入されているため、これは誤りでした。お詫びすると共に、正しい表記に訂正いたします。