• ブランド
    特設サイト
公開日 2019/07/08 19:23

クアルコムの最新チップはオーディオに何をもたらすのか? メーカーのキーマンを集めたトークセッションが開催

先日開催のOTOTENにて
編集部:小澤貴信
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
6月29日・30日に開催されたOTOTEN 2019にて、クアルコムは、『クアルコムの最新オーディオプラットフォーム − 最新オーディオ製品や技術トレンドを各社と語る』と題したイベントを開催。オーディオビジュアル評論家の鴻池賢三氏、そしてクアルコム製チップや技術を用いた製品・規格を手がける各社のキーマンが、同社チップがどのように各製品に用いられるか、または同社チップに関連する領域の可能性や展望などを語った。本記事では、このイベントの模様をお伝えしたい。

イベント冒頭では、クアルコム CDMAテクノロジーズ シニアマーケティングマネージャーの大島勉氏が登場。現在のオーディオのメガトレンドとして「スマートスピーカー」「音声インターフェース」「AI処理」「ホームコントロール」「メッシュ接続」「イマーシブオーディオ」という6点を挙げた。

クアルコム CDMAテクノロジーズ シニアマーケティングマネージャーの大島勉氏

鴻池賢三氏

その上で、同社が今年3月に発表した最新SoC「QCS400シリーズ」を紹介。デュアルDSP、最大4基のプロセッサーコアなどを内包したこのシングルチップSoCが、上記の全てを1チップでカバーできることを紹介した。

QCS400シリーズ

QCS400シリーズの用途は、ホームハブから高級AV機器まで多岐にわたる

具体的には、「QCS400シリーズ」は、ドルビーアトモスおよびDTS:Xをサポート。最大32チャンネルの統合オーディオ処理を可能としており、同社のフルデジタルアンプ「DDFA」との互換性も有している。また、Wi-Fi/Bluetooth機能、同社最新コーデック「aptX Adaptive」、近距離無線通信規格のZigbeeなどに対応。さらにはAIエンジンおよび機械学習アルゴリズムを内包する。

大島氏はこのQCS400シリーズについて「ソニーモバイルやシャープの最新スマートフォンでも採用されているSnapdragon 855とまったく同じDSPが用いられている」とその性能をアピール。さらに本チップがAVアンプやサウンドバー、スマートスピーカーなどに用いられることに言及し、「ホームオーディオ全体の性能向上を実現し得る」と述べた。

QCS400シリーズがホームオーディオ全体の性能向上を実現するとアピール

これを受けて鴻池賢三氏は「メーカーが製品を作る際に、最新のフォーマットやコーデックに対応していくことは開発の上で負担になるが、QCS400はドルビーアトモスやDTS:Xのようなサラウンドフォーマットにも対応していて、非常に高性能なDSPも搭載している。メーカーは、音質チューニングなど別のところに開発の労力や時間を掛けられるようになる」とコメント。さらに「このチップによって薄くコンパクトなAVアンプが実現できたり、より機能性を高めたりといったことも可能になるだろう。22.2ch音声を弁当箱サイズのコンポーネントでデコードできるというようになったら素晴らしい」と、QCS400シリーズへの期待を述べた。

QCS400シリーズによる「スマートオーディオプラットフォーム」開発キットも披露

続いて、クアルコム製チップを用いた製品を扱うメーカーのキーマンが、クアルコムの技術をどのように自社製品に用いているかを紹介した。

Amazon Japanの北迫 清訓氏は、同社の音声アシスタント技術「Amazon Alexa」について、開発キットをクアルコムが手がけていることを紹介。クアルコムとAmazonの協業により、スマートスピーカーやサウンドバーといったAlexa対応製品の開発が容易になると語った。

Amazon Japanの北迫 清訓氏

dts Japanの山口博紀氏は、QCS400シリーズも対応したイマーシブオーディオ技術「DTS:X」を改めて紹介。また、ハイトスピーカーやリアスピーカーなしでイマーシブオーディオを実現するポストプロセッシング技術「DTS Virtual:X」について説明を行った。

dts Japanの山口博紀氏

ヤマハの佐藤聖道氏は、クアルコム製DSPを採用し、DTS Virtual:Xにも対応した同社の最新サウンドバー「YAS-109」を紹介。「True Sound」というコンセプトを掲げた音作り、単体でAmazon Alexaに対応する点などについて言及した。

ヤマハの佐藤聖道氏

会場にはYAS-109も展示された

すでに本機の音を聴いているという鴻池氏は「YAS-109でDTS Virtual:Xを用いると、ものすごい立体感が得られる。本格的なサラウンドのサウンドは素晴らしいが調整が難しい。バーチャルだと、手軽に大きな効果が得られるのが魅力だ」と語っていた。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 月額3万円の最強ChatGPTに「電源で音質が変わるか」と聞いたら意外な展開に
2 その男を怒らせてはいけない! “絶対に死なない”伝説の老兵がツルハシ1本で敵を討つ
3 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.10】音のプロが選ぶベストバイは?
4 QobuzもAmazonもこれ一台!コスパ抜群、機能も満点。ストリーマーの決定版「WiiM Ultra」を徹底ハンドリング
5 CD再生とファイル再生の架け橋に!Shanlingからリッピング機能付きトランスポート「CR60」が登場
6 「オーディオのオンキヨー」復活へ。新スピーカーとセパレートシステムを年明けのCESで発表
7 AVIOT、『らんま1/2』コラボ完全ワイヤレスイヤホン。完全新録ボイス240種類以上搭載
8 水月雨、『崩壊:スターレイル』とのコラボ完全ワイヤレス。ダイナミック+環状平面駆動の同軸ドライバー搭載
9 今こそ「ミニコンポ」が面白い! デノン/マランツ/B&Wの令和ライフにマッチする厳選5モデルレビュー
10 トップウイング、ネットワークオーディオの光絶縁を手軽に試せる「OPT ISO BOX」
12/23 10:35 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.195
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX