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公開日 2024/02/02 06:45
CESで見た、花開き始めた“クルマのDolby Atmos”。車内に広がる空間オーディオがすごい
Dolby Atmosプライベートデモの内容を紹介
アメリカ・ラスベガスにて1月9日から開催された「CES2024」。会場でDolby社の最新技術を紹介するプライベートデモが実施されていたので、その内容を紹介したい。
■カーオーディオ×Dolby Atmosの展開が始まってきている
プライベートデモが実施されたのは、世界唯一だというDolby Atmos対応ライブホール「Dolby Live」があるラスベガスのPark MGMホテル。このDolby Liveは5,200人のキャパシティを持ったホールで、ライブの際はリアルタイムでのDolby Atmosミックスも実施。通常の出音とミックスして流すことで、より良いライブ音響を提供しているそうだ。
また、ラウンジスペースにはDolby Atmos/Dolby Visionの紹介コーナーを展開。「LOVE MORE in Dolby」と銘打ち、音質や画質の良さだけでなく、例えばiPhoneでDolby Vision映像を撮影できたり、スマホと対応イヤホンでDolby Atmos音源を再生できたりと、身近なデバイスで体験できることをアピールしている。
そして、Dolbyが近年特に力を入れている分野のひとつがカーオーディオだ。昨年(CES2023)のプライベートデモではメルセデス・ベンツ「EQE SUV」でのDolby Atmos体験が実施されていたが、今年はベンツ「Eクラス」、英ロータス「エレトレ」の2台を用意。
メルセデス・ベンツからDolby Atmos対応モデルが展開され始めて、ちょうど1年が経つ。最初は「マイバッハ」「Sクラス」といった高級車からのスタートだったが、現在ではEQE、EQE SUV、EQS、EQS SUV、先日国内でも発表されたEクラスなど、(ベンツとしては)普及帯のシリーズにも拡大してきている。
また、テスラの元技術者が立ち上げた新興EVメーカー・ルシッドもいち早くDolby Atmosを採用したほか、中国のEVメーカーを中心に10社以上が発表/採用しているとのことだ。
Dolby Japanの鈴木克典氏によると、「ベンツ車はApple Musicがネイティブでインストールされているため、車を購入してサブスクリプションに登録すれば、すぐにでもDolby Atmosの空間オーディオを楽しむことができる」という。
空間オーディオは2021年のApple Musicの対応あたりから世間に浸透しはじめた印象があるが、自動車への対応も見据えて、ソフト側(Dolby Atmos Music配信)の展開をしっかり行ったうえでハード側(車)を展開してきたことで、車内でもDolby Atmos体験を楽しめるようになった、と語っていた。
Eクラス、エレトレのどちらも試聴させてもらったが、とにかく音がクリアで、各パートに実在感がある。EDMもクラブさながらの迫力でベースを鳴らしつつ、ボーカルやフィンガースナップといった上物の音までしっかり分離して聴かせてくれる。言ってしまえばこれは“空間オーディオ音源そのものの印象”とほぼ同じなのだが、それが車で聴けることに驚かされた。
また、Eクラスはシートの背もたれ部分にバイブレーターを搭載し、低音を体で直に味わうことができたりと、車によってアプローチが異なるのも面白い。
今回聴いてみて、個人的に車とDolby Atmosはものすごく相性が良いように感じた。というのも、イヤホンやヘッドホンは空間性・臨場感の再現に限界があり、ホームオーディオは機材の導入やルームチューニングなどハードルの高さがある。
一方、Dolby Atmos対応車をオーディオ的に捉えると「サラウンドないしイマーシブのスピーカーシステムとアンプ、定まったリスニングポイント(座席)を備え、最適なチューニングまで行われたオーディオルームのパッケージ」とも言える。そう考えると、イヤホンより本格的、かつホームオーディオより手軽な「ちょうど良い環境」なのではないだろうか。もっとも、これがファミリーカーにまで普及してくれたらの話ではあるが…。
■TV向け新機能「Dolby Atmos FlexConnect」を体験
家庭向けでは、TVの新機能として「Dolby Atmos FlexConnect」を展示。これは2023年のIFAで発表された新機能で、対応テレビとワイヤレススピーカーを連携させることで、テレビの内蔵スピーカー+ワイヤレススピーカーでDolby Atmos音場を構築できるというものだ。
最大のポイントが「ワイヤレススピーカーをある程度自由に設置できる」こと。部屋の間取りなどによってはスピーカーを理想的なポイントに設置できなかったり、左右で非対称なポイントに置く必要が出てくるが、そんな場合でもキャリブレーションによって音場を補正し、理想的な聴こえを得られるという。
実際に試してみたが、キャリブレーションはリモコンで開始ボタンを押し、30秒〜1分程度待つだけと非常に手軽。ワイヤレススピーカーを大きく移動させても、もう一度キャリブレーションすれば全く同じ聴感を得ることができた。
Dolby Atmos FlexConnectは、TCLやハイセンスのテレビに、2024年モデルから導入されることが発表されている。今まで以上に手軽にDolby Atmosを楽しめる機能ということで、これからの展開が大いに期待されるところだ。
さらに日本では未展開だが、ケーブルテレビなどの業者がDolby Atmos、Dolnby Vision対応配信サービスを視聴できるセットトップボックスに、Dolby Atmos対応サウンドバーやシアターシステムを一体化したデバイスを提供するソリューションも紹介された。
■カーオーディオ×Dolby Atmosの展開が始まってきている
プライベートデモが実施されたのは、世界唯一だというDolby Atmos対応ライブホール「Dolby Live」があるラスベガスのPark MGMホテル。このDolby Liveは5,200人のキャパシティを持ったホールで、ライブの際はリアルタイムでのDolby Atmosミックスも実施。通常の出音とミックスして流すことで、より良いライブ音響を提供しているそうだ。
また、ラウンジスペースにはDolby Atmos/Dolby Visionの紹介コーナーを展開。「LOVE MORE in Dolby」と銘打ち、音質や画質の良さだけでなく、例えばiPhoneでDolby Vision映像を撮影できたり、スマホと対応イヤホンでDolby Atmos音源を再生できたりと、身近なデバイスで体験できることをアピールしている。
そして、Dolbyが近年特に力を入れている分野のひとつがカーオーディオだ。昨年(CES2023)のプライベートデモではメルセデス・ベンツ「EQE SUV」でのDolby Atmos体験が実施されていたが、今年はベンツ「Eクラス」、英ロータス「エレトレ」の2台を用意。
メルセデス・ベンツからDolby Atmos対応モデルが展開され始めて、ちょうど1年が経つ。最初は「マイバッハ」「Sクラス」といった高級車からのスタートだったが、現在ではEQE、EQE SUV、EQS、EQS SUV、先日国内でも発表されたEクラスなど、(ベンツとしては)普及帯のシリーズにも拡大してきている。
また、テスラの元技術者が立ち上げた新興EVメーカー・ルシッドもいち早くDolby Atmosを採用したほか、中国のEVメーカーを中心に10社以上が発表/採用しているとのことだ。
Dolby Japanの鈴木克典氏によると、「ベンツ車はApple Musicがネイティブでインストールされているため、車を購入してサブスクリプションに登録すれば、すぐにでもDolby Atmosの空間オーディオを楽しむことができる」という。
空間オーディオは2021年のApple Musicの対応あたりから世間に浸透しはじめた印象があるが、自動車への対応も見据えて、ソフト側(Dolby Atmos Music配信)の展開をしっかり行ったうえでハード側(車)を展開してきたことで、車内でもDolby Atmos体験を楽しめるようになった、と語っていた。
Eクラス、エレトレのどちらも試聴させてもらったが、とにかく音がクリアで、各パートに実在感がある。EDMもクラブさながらの迫力でベースを鳴らしつつ、ボーカルやフィンガースナップといった上物の音までしっかり分離して聴かせてくれる。言ってしまえばこれは“空間オーディオ音源そのものの印象”とほぼ同じなのだが、それが車で聴けることに驚かされた。
また、Eクラスはシートの背もたれ部分にバイブレーターを搭載し、低音を体で直に味わうことができたりと、車によってアプローチが異なるのも面白い。
今回聴いてみて、個人的に車とDolby Atmosはものすごく相性が良いように感じた。というのも、イヤホンやヘッドホンは空間性・臨場感の再現に限界があり、ホームオーディオは機材の導入やルームチューニングなどハードルの高さがある。
一方、Dolby Atmos対応車をオーディオ的に捉えると「サラウンドないしイマーシブのスピーカーシステムとアンプ、定まったリスニングポイント(座席)を備え、最適なチューニングまで行われたオーディオルームのパッケージ」とも言える。そう考えると、イヤホンより本格的、かつホームオーディオより手軽な「ちょうど良い環境」なのではないだろうか。もっとも、これがファミリーカーにまで普及してくれたらの話ではあるが…。
■TV向け新機能「Dolby Atmos FlexConnect」を体験
家庭向けでは、TVの新機能として「Dolby Atmos FlexConnect」を展示。これは2023年のIFAで発表された新機能で、対応テレビとワイヤレススピーカーを連携させることで、テレビの内蔵スピーカー+ワイヤレススピーカーでDolby Atmos音場を構築できるというものだ。
最大のポイントが「ワイヤレススピーカーをある程度自由に設置できる」こと。部屋の間取りなどによってはスピーカーを理想的なポイントに設置できなかったり、左右で非対称なポイントに置く必要が出てくるが、そんな場合でもキャリブレーションによって音場を補正し、理想的な聴こえを得られるという。
実際に試してみたが、キャリブレーションはリモコンで開始ボタンを押し、30秒〜1分程度待つだけと非常に手軽。ワイヤレススピーカーを大きく移動させても、もう一度キャリブレーションすれば全く同じ聴感を得ることができた。
Dolby Atmos FlexConnectは、TCLやハイセンスのテレビに、2024年モデルから導入されることが発表されている。今まで以上に手軽にDolby Atmosを楽しめる機能ということで、これからの展開が大いに期待されるところだ。
さらに日本では未展開だが、ケーブルテレビなどの業者がDolby Atmos、Dolnby Vision対応配信サービスを視聴できるセットトップボックスに、Dolby Atmos対応サウンドバーやシアターシステムを一体化したデバイスを提供するソリューションも紹介された。