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公開日 2024/05/17 11:00

シャープ、QD-OLED搭載のハイエンド・4K有機ELテレビ「GS1ライン」。AI高画質機能が格段進化

映像処理エンジン「Medalist S5X」を新開発
編集部:長濱行太朗
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シャープは、「量子ドット有機ELパネル」(QD-OLED)を採用した4K有機ELテレビ「AQUOS QD-OLED」にラインナップするシリーズとして、ハイエンドモデル「GS1ライン」を6月15日に発売する。価格はオープンだが、ラインナップと市場予想税込価格は以下の通り。

「4T-C65GS1」

<GS1ライン>
・65型 「4T-C65GS1」 605,000円前後
・55型 「4T-C55GS1」 440,000円前後

本シリーズは、同社の4K有機ELテレビで初めてQD-OLEDが採用された2023年度モデル「FS1ライン」の後継機で、「AQUOS QD-OLED」の第2世代機種となる。最新世代の量子ドット有機ELパネルを搭載し、高輝度、広色域、広視野角を実現しているという。QD-OLEDは、最新の高効率を誇る青色光の有機EL発光層に、光波長変換を行う量子ドット層を組み合わせたパネルで、通常の有機ELパネルよりも純度の高い色表現で、高い輝度の映像でも豊かな色再現を実現する。

最新世代の「量子ドット有機ELパネル」(QD-OLED)を搭載

独自パネル技術も搭載している。有機EL発光層の温度分布の解析とパネル特性に関する独自のデータベースを用いて映像のシーン毎の発光を最適化する技術を組み合わせ、有機EL発光層の発光量を緻密に再現する「クライマックスドライブ2.0」回路を導入している。本技術によって輝度を前モデルから約15%向上させており、リアリティの高いコントラスト表現に寄与しているとしている。

独自技術「クールダウンシールドII」と「クライマックスドライブ2.0」

併せて従来モデルよりも約2.5倍の放熱性能を実現した独自の放熱構造「クールダウンシールドII」も投入。有機EL発光層の温度情報を防ぎながら熱を分散させる炭素性シートと、パネルの温度を均一に保つアルミ製プレートを組み合わせた構造になっており、有機ELパネルが抱える熱問題を改善しながら高輝度を成し得ている。

写真右の旧モデル「FS1ライン」よりも写真左の「「GS1ライン」の方が、明るさが増している

映像エンジンには、AIプロセッサーを採用した新開発の映像処理エンジンに「Medalist S5X」を搭載する。従来エンジンからCPU性能が約1.1倍、AI高画質/高音質に関連するAPU(AI Processing Unit)性能が約1.3倍、そしてマルチ画像処理能力に紐づくGPUが約1.3倍向上している。リアルタイムAI映像分析によって自動で画質調整を行うモードの「AIオート」や、視聴部屋の明るさや照明の色温度に最適化された調整を自動で施す「環境センシング」といった自動調整機能を備えている。

AIプロセッサーを採用した新開発の映像処理エンジン「Medalist S5X」を搭載


「AIオート画質」によってリアルタイムで映像をシーン毎に最適化する

映像調整項目の「画質モード」から「AIオート」が選べる

最新世代の映像処理エンジンによって高画質機能も進化している。4Kアップコンバート機能である「AI超解像」では、放送番組からネット動画までAI画像解析を使用することでクリアかつ精細感のある超解像処理を実現。背景や被写体を分析し、それぞれに最適な超解像処理を実行することで、シャープネスなどの破綻の発生しない自然な精細感を再現するとしている。

4Kアップコンバート技術「AI超解像」

AI超解像の効果は、映像調整項目にある「スマートディテーラー」から調整できる


AI超解像のオン/オフを比較。オンになっている写真右の画面の方が鮮明な表示になっている

ノイズ低減機能の「アニメ・ネットクリア」ではデジタル圧縮によって発生しやすい背景のバンディングや被写体にのってしまうブロックノイズを低減することができ、階調補正が施された、なめらかですっきりとした映像表現を可能にするという。

ノイズリダクション機能「アニメ・ネットクリア」

アニメ・ネットクリアは「諧調スムーサー」から効果を調整可能


アニメ・ネットクリアのオン/オフを比較。オンになっている写真右はバンディングノイズが減っている

新たに「スマートアクティブコントラスト」機能を採用。映像をエリア毎に分割し、各エリアの明暗を動的に解析することで、明るい部分の煌めき感、陰影が際立った暗部表現など、シーン毎に最適なコントラスト処理ができるようになっている。

「アクティブコントラスト」の調整画面

また、従来から搭載していたAIオート時に映画/ドラマ/スポーツといった映像ジャンルに自動で最適化する「番組ジャンル連動」、AI画像解析によって人の顔や空のオブジェクト情報を認識して適した色味に補正する「オブジェクトAI識別」、広色域パネルの性能に合わせて最適なカラーマッピングを行う「量子ドットリッチカラー」といった高画質機能も引き続き実装している。HDRフォーマットはDolby Vision/HDR10/HLGに対応し、視聴環境の明るさと関連するDolby Vision IQもカバーする。

「Medalist S5X」は音質面でも効果を発揮しており、音質モード「AIオート」ではセリフはクリアで聴き取りやすく、音楽やスポーツのシーンでは広がりのあるサウンドを再生するなど、リアルタイムで分析し、さまざまなシーンに合わせたサウンドに自動で調整する。

「AIオート音質」も採用する

音声調整項目の「音質モード」から「AIオート」が選択できる

高音質技術では、音響システム「AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS」(ARSS+)を導入する。トゥイーター×2基、ミッドレンジ×2基、サブウーファー×1基、そして高音域用のハイトトゥイーター×2基とハイトミッドレンジ×2基を搭載しており、最大出力100Wのアンプで駆動させている。

GS1ラインは総合出力100Wの新スピーカーを導入

GS1ラインに搭載されているハイトミッドレンジやサブウーファー

ハイトスピーカーはより立体的な音響効果に繋がる前傾20度のセッティングになっており、音抜けと広がり感を高めるために「広開口金属パンチングネット」を採用。そして新搭載のパワーボイススピーカーはクリアでキレの良いサウンドに繋がっており、前向きトゥイーターは前面開口のリフレクター構造にすることで直接音をクリアに届ける仕組みにするなど、細部に渡って高音質技術が施されている。立体音響フォーマットはDolby Atmosに対応。音響補正技術「Eilex PRISM」も搭載する。

ハイトスピーカーは20度の傾斜が付けられている

パンチンググリルの形を見直して音の抜けを改善した

OSはGoogle TVを採用し、さまざまなアプリを使用できるほか、YouTube/Prime Video/Netflix/Disney+/U-NEXT/NHK+/hulu/ABEMA/TVer/DAZNなど多数の動画配信サービスに対応する。音声操作の1Googleアシスタントにも対応しており、ハンズフリー音声操作も使用できる。また、別売のUSBカメラを組み合わせれば「リビングカメラ」機能やGoogle Meetでのビデオ通話も活用可能だ。

リモコン部。YouTube/Prime Video/Netflix/Disney+などのダイレクトボタンを設置

ゲーミング関連の機能では、4K/144Hz/VRRの入力に対応する。ゲームプレイ中によく使用する映像調整機能やゲームコンテンツの入力情報など一覧で表示するゲーム専用のUIも導入する。ゲーム専用UIはリモコンの「ツール」ボタン長押しで表示できる。

ゲーム専用のGUIを採用

映像コンテンツを2作品同時に表示することができる「ズーム2番組」も搭載。リモコンにある「2画面」ボタンを押すと、放送+放送/放送+HDMIの組み合わせによる映像の2番組表示が可能となっており、また画面サイズの拡大/縮小と音を出力させる番組の選択も可能だ。画面サイズは大小9通り選べる。

「ズーム2画面」のデモ。画面の拡大/縮小がリモコンで行える

録画番組を時短で効率よく視聴できる「1.5倍 早見・早聞き再生」、録画番組をタイトル毎に表示する「まと丸」、オートチャプター機能も搭載。そのほか、対象アプリの使用を制限できる機能や最大音量の制限、テレビ画面を見やすい角度に調整できる「回転式スタンド」、ふいの画面の回転を抑える「回転ロック機構」といった機能も採用されている。

「1.5倍 早見・早聞き再生」に対応。「早送り1」が早見・早聞き再生となる

オートチャプター機能も備えている

デジタルチューナーは、地デジ×2基、BS/110度CS×2基、BS/110度CS 4K×2基。搭載する主な入出力端子は、HDMI入力×4基、光デジタル音声出力×1基、アナログ音声入力×1基、アナログ音声出力×1基(ステレオミニ)、USB×3基、LAN×1基としている。HDMI入力端子は、HDMI入力は4K/144Hz入力対応が2基、またeARCやALLM対応の端子も装備する。

消費電力(待機時)/外形寸法/質量は、4T-C65GS1が約474W(0.5W)/1444W×894H×304Dmm/約39.5kg、4T-C55GS1が約366W(0.5W)/1225W×770H×304Dmm/約31.0kg。

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