公開日 2012/07/30 11:44
デノン“URBAN RAVER”シリーズ ー ヘッドホン「AH-D400」/イヤホン「AH-C300」を聴く
注目新製品レビュー
デノンから迫力の重低音再生とスタイリッシュな外観を実現した“URBAN RAVER”シリーズのヘッドホン「AH-D400」、カナル型イヤホン「AH-C300」が発表された。今回は両製品のサウンドインプレッションを、ライターの高橋敦氏がレポートする。
AH-D400:パワフルなだけじゃない、音の描写力にも優れたヘッドホン
デノンが一気に展開してきたイヤホン・ヘッドホンの新ラインナップの中で、「身体の芯まで伝わるパワフルな重低音」を特徴とするのが“URBAN RAVER”シリーズだ。本機はシリーズにラインナップするヘッドホンとなる。
本機の大きなポイントはふたつ。大口径50mmドライバーの搭載と、それを強力に駆動するハイパワーアンプの搭載だ。
大型ヘッドホンの正確な駆動にはヘッドホンアンプの力も要求されるため、プレーヤーとは別途にポータブルヘッドホンアンプを利用するユーザーもいる。ならば強力なヘッドホンアンプもヘッドホンに内蔵してしまえというのが本機のやり方だ。力技ではあるが、後述のようにその効果は大きい。なおUSB充電のバッテリーは12時間保ち、アンプのバッテリーが切れても、回路をスルーして通常のヘッドホンとして利用できる。
スマートフォンとの組み合わせもしっかり想定されている。右側のイヤーカップにはコントロールホイールを搭載し、これで再生や通話の基本操作が行える。もちろんマイクも搭載した。
装着感も上々だ。五角形成型が施された低反発素材イヤーパッドは肌触りと柔軟性に富み、耳の周りに優しくフィット。アンプ内蔵なのでヘッドホンとしては軽量な方ではないが、その負担もあまり感じさせない。
なお本シリーズにはiOS/Android対応のアプリ「Denon Club」も用意されている。基本的な再生機能、ネットラジオ聴取機能、指でドラッグ操作できるグラフィックイコライザー機能、歌詞のネット検索表示機能を備える。特にグライコ機能は強力で、音質を大胆にも、繊細にも調整できる。
ミシェル・ンデゲオチェロのクラブ系の試聴曲では、ベースが実に太い。しかもそれでいて制動が効いており、音像が緩く膨らむことがない。このあたりは内蔵アンプの力も大きく発揮されているところだ。ドラムスのスカンという抜けっぷりも爽快。ベースと合わせて、ヘヴィかつキレの良いリズムを再現している。
エスペランサ・スポルディングの曲でも低音側の充実は素晴らしい。ベースの音色の伸びやかさ、くっきりとしてグイッと来る力強さには頷かされる。こちらのグルーブ感はゆったりめだが、悪くない感触だ。
高音側に耳を向けてもその満足度は変わらない。エレクトリックギターのクリーントーンには樹脂的な艶と硬質さがあり、そういった質感描写にも優れる。ハイハットシンバルのダイナミクスや音色の描き分けも十分にこなす。
高音側の描写力や全体のバランスも問題ないが、それにしても低音の説得力が光る。シリーズのコンセプトを確かに具現化した、パワフルなヘッドホンだ。
AH-D400:パワフルなだけじゃない、音の描写力にも優れたヘッドホン
デノンが一気に展開してきたイヤホン・ヘッドホンの新ラインナップの中で、「身体の芯まで伝わるパワフルな重低音」を特徴とするのが“URBAN RAVER”シリーズだ。本機はシリーズにラインナップするヘッドホンとなる。
本機の大きなポイントはふたつ。大口径50mmドライバーの搭載と、それを強力に駆動するハイパワーアンプの搭載だ。
大型ヘッドホンの正確な駆動にはヘッドホンアンプの力も要求されるため、プレーヤーとは別途にポータブルヘッドホンアンプを利用するユーザーもいる。ならば強力なヘッドホンアンプもヘッドホンに内蔵してしまえというのが本機のやり方だ。力技ではあるが、後述のようにその効果は大きい。なおUSB充電のバッテリーは12時間保ち、アンプのバッテリーが切れても、回路をスルーして通常のヘッドホンとして利用できる。
スマートフォンとの組み合わせもしっかり想定されている。右側のイヤーカップにはコントロールホイールを搭載し、これで再生や通話の基本操作が行える。もちろんマイクも搭載した。
装着感も上々だ。五角形成型が施された低反発素材イヤーパッドは肌触りと柔軟性に富み、耳の周りに優しくフィット。アンプ内蔵なのでヘッドホンとしては軽量な方ではないが、その負担もあまり感じさせない。
なお本シリーズにはiOS/Android対応のアプリ「Denon Club」も用意されている。基本的な再生機能、ネットラジオ聴取機能、指でドラッグ操作できるグラフィックイコライザー機能、歌詞のネット検索表示機能を備える。特にグライコ機能は強力で、音質を大胆にも、繊細にも調整できる。
ミシェル・ンデゲオチェロのクラブ系の試聴曲では、ベースが実に太い。しかもそれでいて制動が効いており、音像が緩く膨らむことがない。このあたりは内蔵アンプの力も大きく発揮されているところだ。ドラムスのスカンという抜けっぷりも爽快。ベースと合わせて、ヘヴィかつキレの良いリズムを再現している。
エスペランサ・スポルディングの曲でも低音側の充実は素晴らしい。ベースの音色の伸びやかさ、くっきりとしてグイッと来る力強さには頷かされる。こちらのグルーブ感はゆったりめだが、悪くない感触だ。
高音側に耳を向けてもその満足度は変わらない。エレクトリックギターのクリーントーンには樹脂的な艶と硬質さがあり、そういった質感描写にも優れる。ハイハットシンバルのダイナミクスや音色の描き分けも十分にこなす。
高音側の描写力や全体のバランスも問題ないが、それにしても低音の説得力が光る。シリーズのコンセプトを確かに具現化した、パワフルなヘッドホンだ。
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