公開日 2016/03/31 10:30
JVCが世に問う新潮流ヘッドホン『CLASS-S』4モデルの魅力とは? 機種別の音質特徴を徹底解説!
【特別企画】中林直樹が「SIGNA」「WOOD」を聴く
■JVCから新登場した『CLASS-S』とは?
2015年秋、活況を呈するヘッドホンシーンに、新たなブランドが産声を上げた。それはJVCの『CLASS-S』という。Sは「Supreme×Status」「Superior Sound」「Stylish&Status」などの頭文字に由来し、ハイグレードな製品づくりを追求する。
第一弾は同社初のハイレゾ対応ヘッドホン「SIGNA」の2モデル。さらに、12月には振動板をはじめ木をふんだんに使ったヘッドホン「WOOD」2モデルが登場(これらもハイレゾ対応)。2016年3月現在、以上の4機種でCLASS-Sブランドを形成している。
JVCは高い技術力を有した歴史ある企業だ。そこに異論を挟む余地はないだろう。しかし、ヘッドホンは技術的にはひとつの成熟期にさしかかったアイテム。一般論だが新しいもの、時代の先をゆくものが生まれにくい状況に陥ることがある。CLASS-Sは、このような状況で、何を僕らに訴えかけようとしているのか。そこにまず興味を持った。
CLASS-Sのコンセプトは前述した「S」に集約されている。思い切ってそれらに絞り込んだと言ってもよいだろう。日々の生活に寄り添いながら、音楽によってユーザーの心に豊かな気分を醸成させる。目指しているところはあくまで、そんな境地だ。リスナーの鼓膜を激しく揺さぶり、脈拍を上げさせるようなキャラクターでは決してない。
佇まいもオーセンティックだ。音楽を余すことなく味わう、というヘッドホンの本質を突いたようなデザイン。そう、そこはかとない品格が、サウンドにもルックスにも漂っているのだ。
それぞれの特徴は違えど「SIGNA」にも「WOOD」にも、そんな品格が通奏低音のように息づいている。これこそがCLASS-Sの価値であり、ヘッドホンシーンにおいて、早くもひときわ輝く存在となった所以だ。
そして、JVCの物づくりの伝統を継承しつつ、新たなブランドを立ち上げた、そのチャレンジングな姿勢も高く評価したい。玉石混淆のこの世界で、派手ではないが品位ある製品づくりを実直に目指す。JVCのそんなメッセージが伝わってくるようだ。さらには、ヘッドホンという機器にまだ進化の余地があることをも示している。
2015年秋、活況を呈するヘッドホンシーンに、新たなブランドが産声を上げた。それはJVCの『CLASS-S』という。Sは「Supreme×Status」「Superior Sound」「Stylish&Status」などの頭文字に由来し、ハイグレードな製品づくりを追求する。
第一弾は同社初のハイレゾ対応ヘッドホン「SIGNA」の2モデル。さらに、12月には振動板をはじめ木をふんだんに使ったヘッドホン「WOOD」2モデルが登場(これらもハイレゾ対応)。2016年3月現在、以上の4機種でCLASS-Sブランドを形成している。
JVCは高い技術力を有した歴史ある企業だ。そこに異論を挟む余地はないだろう。しかし、ヘッドホンは技術的にはひとつの成熟期にさしかかったアイテム。一般論だが新しいもの、時代の先をゆくものが生まれにくい状況に陥ることがある。CLASS-Sは、このような状況で、何を僕らに訴えかけようとしているのか。そこにまず興味を持った。
CLASS-Sのコンセプトは前述した「S」に集約されている。思い切ってそれらに絞り込んだと言ってもよいだろう。日々の生活に寄り添いながら、音楽によってユーザーの心に豊かな気分を醸成させる。目指しているところはあくまで、そんな境地だ。リスナーの鼓膜を激しく揺さぶり、脈拍を上げさせるようなキャラクターでは決してない。
佇まいもオーセンティックだ。音楽を余すことなく味わう、というヘッドホンの本質を突いたようなデザイン。そう、そこはかとない品格が、サウンドにもルックスにも漂っているのだ。
それぞれの特徴は違えど「SIGNA」にも「WOOD」にも、そんな品格が通奏低音のように息づいている。これこそがCLASS-Sの価値であり、ヘッドホンシーンにおいて、早くもひときわ輝く存在となった所以だ。
そして、JVCの物づくりの伝統を継承しつつ、新たなブランドを立ち上げた、そのチャレンジングな姿勢も高く評価したい。玉石混淆のこの世界で、派手ではないが品位ある製品づくりを実直に目指す。JVCのそんなメッセージが伝わってくるようだ。さらには、ヘッドホンという機器にまだ進化の余地があることをも示している。
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