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公開日 2017/01/18 10:00

ULTRASONE「Edition 8 EX」を聴く。ハイエンドヘッドホンの代表的モデルがさらに進化

【特別企画】DAVEとの組み合わせも
山本 敦
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独創的なアイデアにより、数多くのプレミアムヘッドホンを世に送り出してきたドイツのULTRASONE(ウルトラゾーン)が、この冬に注目の新製品「Edition 8 EX」を発売した。従来モデルから大きな進化を遂げた本機の実力に山本敦氏が迫る。

Edition 8 EX

Editionシリーズの最新モデルを支える2つの独自技術

2016年10月に開催された「秋のヘッドホン祭 2016」にて、ウルトラゾーンは旗艦シリーズ“Edition”の新モデルとして「Edition 8 EX」を披露した。本機はその名前からもわかる通り、銘機「Edition 8」の最新バージョンに位置付けられる。

Editionシリーズの密閉型ポータブルヘッドホン「Edition 8」は2009年に発売され、以後もフィニッシュや素材を変えながら様々なバリエーションを展開してきた。Editionはウルトラゾーンの最上位シリーズに位置づけられるが、Edition 8はその中で最もスタンダードな“シリーズの顔”である。また現在のヘッドホンブーム前夜からハイエンドヘッドホンの実力を世に知らしめ、ポータブルサウンドのリファレンスに君臨してきた存在である。そのEdition 8が、より現代的な姿に変貌を遂げたのがEdition 8 EXだ。

S-Logic EXをはじめウルトラゾーンの最新技術を搭載

ULTRASONEはハイエンドヘッドホンの先駆者として、これまでも様々な独自技術を他社に先行して実現させてきた。そしてEdition 8 EXには、同社が旗艦モデルなどで培った最新技術が反映されている。

Edition 8 EXの「EX」が示すところは、ウルトラゾーンに詳しい方であればすぐにお気づきだろう。本機は同社を代表するヘッドホン技術「S-Logic」の最新バージョンである「S-Logic EX」を採用する。そしてS-Logic EXを搭載したヘッドホンは、事実上の旗艦モデル「Edition 5/Edition 5 Unlimited」を除けば、このEdition 8 EXが初めてとなる。

「S-Logic」はヘッドホンリスニングで発生する不自然な頭内定位を解消するため、イヤーカップの中でドライバーの取り付け位置を意図的にずらすことで音を外耳に反射させ、スピーカーで音楽を聴いているように自然な定位感を実現するウルトラゾーンの独自技術だ。その最新バージョンである「S-Logic EX」では、ドライバーをセットするバッファボードの構造をより深くえぐって、縦横両方向に傾けた立体的な角度で配置した。これにより、従来からの臨場感を高めて長時間のリスニングにも疲れにくいという効果に加えて、広大なステージ感や奥行きの再現の向上も実現した。

Edition 8 EXのイヤーパッドを外したところ。ハウジングが大きくえぐられ、ドライバーユニットの角度が調整されていることが見て取れる

Edition 8 EXでこの最新技術を採用するにあたっては、スリムな外観を保つためイヤーカップの厚みを抑えつつ、S-Logic EXの立体的なバッファボードを組み込むことに腐心したのだと、ウルトラゾーンのCOOであるマイケル・ジルケル氏自ら語っていた。

Edition 8 EXが搭載するもうひとつの独自技術「ULE(Ultra Low Emission)」についても紹介したい。ULEは、μメタルという特殊な金属プレートでドライバーの出力部をシールドして、ドライバーから発生する電磁波を遮断する技術だ。

ULEは、長い時間ヘッドホンを装着して音楽を聴くリスナーの健康にまで気を配るという、同社らしい発想から生まれた。最新モデルに搭載されるULEは、従来はバッファボードの表側全面に貼っていた金属プレートを、ドライバーから音が出る開口部だけをコンパクトにシールドするデザインに変更、内部スペースの有効化を図っている。

次ページEdition 8 EXのプロフィールを紹介

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