公開日 2018/03/28 08:00
ぶっちぎりで高性能! ソニー「α7 III」は “あえて初心者に薦めたい” フルサイズミラーレスだ
“α”シリーズの新スタンダード
前回のジンバルの取材(記事はこちら)で撮影に四苦八苦していた2月下旬、K編集長から1通のLINEが届いた。そこには「ソニーのデジタル一眼の発表会があります。興味ありますか?」と書かれている。日頃から噂系サイトを巡回している私にはすぐにピンと来ましたね、「あ、これは“α7 III”だ」って(α7 III発売ニュース)。
でもその時は、まさかプロのカメラマンでもない筆者にカメラのレビューの仕事が来るはずはないと思い、軽いノリで発表会に参加してしまったのだ。それから2日後のことでした、「α7 IIIとレンズ、それから比較用にα7 IIも送りますのでレビュー書いて下さい」とメールが来たのは…。もう「進め!電波少年」のT部長かと思いましたよ。。
さて、読者の方はすぐにでもα7 IIIの作例(というほどのものではないのだが)が見たいところだと思うが、最初に自分の腕前の言い訳がてら、私のカメラ遍歴について書かせて頂きたい。
いわゆるレンズ交換式カメラを初めて買ったのは、渡米中の2012年。富士フィルムのX-Pro1とXF 35mm F1.4 R(35mm判換算で53mm相当)だった。写真をやろうと思った理由は2つ。1つは海外生活の思い出をしっかりと残しておきたかったから。そしてもう1つは、写真を通じてカメラとレンズの関係を勉強したいと考えたからだ。
それまでの私は、被写界深度とか絞りとか露出とか、何となく言葉では知っていたものの、実際の仕組みに関しては全くの無知に等しかった。これではブルーレイ製作という、まがりなりにも映画製作の一端を担う者としてイカン、そう思ったのだ。
実際、フィルムカメラとミラーレスカメラの良いトコ取りをした、X-Pro1とXF35mmF1.4 Rのコンビからは、とても多くの基礎を学ばせてもらった(リスばっかり撮っていたのだが…)。
しかし、しばらく経つと色々な欲が湧いてくる。もう少し小さいボディが良いな、とか。もう少し広角のレンズで撮りたいな、とか。もう少し画素数が欲しいな、とか。APS-Cサイズとフルサイズではどのくらい差があるのかな、とか。
そんな時にソニーから出てしまったのが、世界初の35mmフルサイズセンサー搭載コンデジの「RX1」だった。ボディサイズも画角もバッチリ!レンズ一体型だったが、サンプル画像を見た瞬間、私は完全にヤラれてしまった。すぐに日本から取り寄せて(米国でも販売されていたのだが)、帰国するまでに数え切れないほどシャッターを切った。
特に2,430万画素 Exmor CMOSセンサーと、カールツァイス「ゾナーT*」レンズが叩き出す写真画質は、カリフォルニアの太陽、青い空、デカいハンバーガーとの相性バツグンで、あれから5年半経っても、あの頃の写真は今見ても全く色褪せない。RX1がデジタルカメラ界のゲームチェンジャーであったことを否定する者は誰もいないはずだ。
ところが帰国後、筆者の写真ライフに変化が訪れる。ローパスフィルターレスの画が見てみたくて、RX1から「RX1R」に買い替えたりもしていたのだが、ある日RX1Rを持って近所の公園に行ったら、いきなりPTAの人に注意されたのだ。まだ何も撮っていないのに。ああ、忘れていた。ここは日本なのだ。それ以来、私はRX1Rをぶら下げたまま電車に乗るのも止めた。
そして決定的だったのが、ずっと撮り続けていた愛犬ワサビとの別れ。私はレンズ交換が可能なX-Pro1とレンズ2本だけを仕事用に残して、それ以外のカメラを全て手放した。折しもスマートフォンのカメラ画質が向上していた時期で、実生活に支障をきたすこともなかったが、心にはポッカリと穴が空いてしまった。
「α7」が発売されたのはちょうどその頃だったが、私には正直ピンと来なかった。モチベーションが下がっていた時期というのもあるが、個人的にデザインが好みに合わず、どことなく頼りない感じがした。しかし、ここでまたゲームチェンジャーが現れた。それが「α7S」である。常用出来るISO感度が万単位という、これまでの写真撮影の常識を一変させるほどの大事件であった。
その後もソニーは次々にαシリーズをバージョンアップさせていく。「α7R II」ではローパスレス 4,240万画素の威力をまざまざと見せつけ、「α9」でプロフェッショナルの一眼レフ市場にゲームチェンジを仕掛けようとしている。あの頼りなく感じたボディもグリップ部分を肉付けし、塗装もシボ加工が施されてすっかり印象が変わった。
そしてある時、気が付いたのだ。私の写真に対するモチベーションが、αの進化と共に急速に高まっていることを。そして2018年、ソニーが敢えて「これがベーシック」と謳う最新機種が「α7 III」なのである。
でもその時は、まさかプロのカメラマンでもない筆者にカメラのレビューの仕事が来るはずはないと思い、軽いノリで発表会に参加してしまったのだ。それから2日後のことでした、「α7 IIIとレンズ、それから比較用にα7 IIも送りますのでレビュー書いて下さい」とメールが来たのは…。もう「進め!電波少年」のT部長かと思いましたよ。。
さて、読者の方はすぐにでもα7 IIIの作例(というほどのものではないのだが)が見たいところだと思うが、最初に自分の腕前の言い訳がてら、私のカメラ遍歴について書かせて頂きたい。
いわゆるレンズ交換式カメラを初めて買ったのは、渡米中の2012年。富士フィルムのX-Pro1とXF 35mm F1.4 R(35mm判換算で53mm相当)だった。写真をやろうと思った理由は2つ。1つは海外生活の思い出をしっかりと残しておきたかったから。そしてもう1つは、写真を通じてカメラとレンズの関係を勉強したいと考えたからだ。
それまでの私は、被写界深度とか絞りとか露出とか、何となく言葉では知っていたものの、実際の仕組みに関しては全くの無知に等しかった。これではブルーレイ製作という、まがりなりにも映画製作の一端を担う者としてイカン、そう思ったのだ。
実際、フィルムカメラとミラーレスカメラの良いトコ取りをした、X-Pro1とXF35mmF1.4 Rのコンビからは、とても多くの基礎を学ばせてもらった(リスばっかり撮っていたのだが…)。
しかし、しばらく経つと色々な欲が湧いてくる。もう少し小さいボディが良いな、とか。もう少し広角のレンズで撮りたいな、とか。もう少し画素数が欲しいな、とか。APS-Cサイズとフルサイズではどのくらい差があるのかな、とか。
そんな時にソニーから出てしまったのが、世界初の35mmフルサイズセンサー搭載コンデジの「RX1」だった。ボディサイズも画角もバッチリ!レンズ一体型だったが、サンプル画像を見た瞬間、私は完全にヤラれてしまった。すぐに日本から取り寄せて(米国でも販売されていたのだが)、帰国するまでに数え切れないほどシャッターを切った。
特に2,430万画素 Exmor CMOSセンサーと、カールツァイス「ゾナーT*」レンズが叩き出す写真画質は、カリフォルニアの太陽、青い空、デカいハンバーガーとの相性バツグンで、あれから5年半経っても、あの頃の写真は今見ても全く色褪せない。RX1がデジタルカメラ界のゲームチェンジャーであったことを否定する者は誰もいないはずだ。
ところが帰国後、筆者の写真ライフに変化が訪れる。ローパスフィルターレスの画が見てみたくて、RX1から「RX1R」に買い替えたりもしていたのだが、ある日RX1Rを持って近所の公園に行ったら、いきなりPTAの人に注意されたのだ。まだ何も撮っていないのに。ああ、忘れていた。ここは日本なのだ。それ以来、私はRX1Rをぶら下げたまま電車に乗るのも止めた。
そして決定的だったのが、ずっと撮り続けていた愛犬ワサビとの別れ。私はレンズ交換が可能なX-Pro1とレンズ2本だけを仕事用に残して、それ以外のカメラを全て手放した。折しもスマートフォンのカメラ画質が向上していた時期で、実生活に支障をきたすこともなかったが、心にはポッカリと穴が空いてしまった。
「α7」が発売されたのはちょうどその頃だったが、私には正直ピンと来なかった。モチベーションが下がっていた時期というのもあるが、個人的にデザインが好みに合わず、どことなく頼りない感じがした。しかし、ここでまたゲームチェンジャーが現れた。それが「α7S」である。常用出来るISO感度が万単位という、これまでの写真撮影の常識を一変させるほどの大事件であった。
その後もソニーは次々にαシリーズをバージョンアップさせていく。「α7R II」ではローパスレス 4,240万画素の威力をまざまざと見せつけ、「α9」でプロフェッショナルの一眼レフ市場にゲームチェンジを仕掛けようとしている。あの頼りなく感じたボディもグリップ部分を肉付けし、塗装もシボ加工が施されてすっかり印象が変わった。
そしてある時、気が付いたのだ。私の写真に対するモチベーションが、αの進化と共に急速に高まっていることを。そして2018年、ソニーが敢えて「これがベーシック」と謳う最新機種が「α7 III」なのである。