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公開日 2020/06/18 06:30

いま最注目の光ファイバーHDMIケーブル、inakustikで自宅に劇場の息吹を吹き込む

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大橋伸太郎
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inakustik(インアクースティック)の「HDMI 2.0 OPTICAL FIBER CABLE」を、自宅の視聴リファレンスとして数日間使用した。結論から言うと、これはコンテンツの作り手との距離をなくし、劇場の息吹を吹き込むケーブルだ。

「HDMI 2.0 OPTICAL FIBER CABLE」

名門ブランドの光ファイバー採用HDMIケーブル

インアクースティックの名を初めて聞く方が多いかもしれない。しかし、かつての「モニターPC」と言われれば、ああ、と頷かれることだろう。モニターPCはブランド名で、元来社名はインアクースティックである。2008年に名称を統一し、製品すべてがインアクースティックとなった。つまり、ドイツの名門中の名門。ドイツ南部のバルレヒテン=ドティンゲンに本拠地と工場を持つ。

筆者もモニターPCのオーディオケーブルに愛着のある一人だ。1990年代の自宅リファレンススピーカーが、一世を風靡したソナスファベールの「Electa Amator」(初代のバスレフ型)だった。その時一躍脚光を浴びたのがモニターPCの銀線のスピーカーケーブルである。

無酸素銅スペック全盛の時代に、モニターPCは一種のカルチャーショックだった。極細の銀線を数百本使用。極太で透明なビニールのシースの中で鈍い光を放つ。Electa Amatorとサンスイのパワーアンプをつなぐと、厚く心地よい低音がゆったりと響く。抜群の相性と評判になったほど。音圧感や鮮鋭感を強調する製品群のなかにあって、歪みが少なく楽音の輪郭の自然なその音質に、皆が魅せられた。

ピュアオーディオからホームシアターの大動脈へ役どころは変わったが、モニターPCあらためインアクースティックのケーブルが視聴室に帰ってきて、再会の喜びひとしおである。

画質・音質の報告の前に、HDMI 2.0 OPTICAL FIBER CABLEについて紹介しておこう。HDMI2.0bに適合し最大24Gbpsのデータレートに対応、50/60Hz 4K 4:4:4映像信号を100mの距離でも損失なしに送受信できる。HDCP 2.2およびHDRをサポート。EDIDにも対応。ARCも50mまでサポートする。

ビットストリームの伝送に光ファイバーを使用する。ファイバーの素材は石英ガラス(QuartzGlass)で、電力供給用の銅撚線、繊維状のケブラー素材と共にCE規格準拠の4.0mmPVC製シースに収められている。

光ファイバーの場合、電気信号を光信号に変換するデバイスに電力を供給する必要があり、接続する機器のUSB端子から電力を得る製品とHDMIの電力線を利用する製品の2種があるが、本機は後者。すべてのソース機器、ディスプレイにUSBが装備されているわけでなく、こちらが主流と考えてよい。

筆者宅に届けられたHDMI 2.0 OPTICAL FIBER CABLEは1mと10mの2種。最長100mまで12 種類の長さが用意されている。注目すべきは価格。1mが¥27,000、10mが¥40,500、家庭での使用はありえないが100mで¥94,500(すべて税抜)。金属線の同スペックの製品では考えられない価格だ。

1m(左)と10m(右)のHDMI 2.0 OPTICAL FIBER CABLE。長さに対して非常に求めやすい価格設定となっている

チャコールグレイに塗装されたアルミ製プラグを手にすると、重みがあり堅牢な作りで、質感が高く頼もしい。「Source」と「Display」と印刷表示されていて接続に戸惑わない。Source側変換チップで電気信号→光信号に変換し、Display側変換チップで電気信号に再変換する。

端子部に「Source」「Display」と記されており、どちらの機器に接続するのかが分かりやすい

予備知識なく本機を見たら金属線ケーブルと思うに違いない。他の光ファイバーケーブルの多くは細く硬いが、本機は太く柔らかくしなやかで曲げやすい。試みに曲げてみると最小の曲率が約40mmだった。ちなみに部屋のすみで床→壁へ押し当てても難なく直角に立ち上っていく。設備型ホームシアターの隠蔽配線を最大配慮した製品だ。

ケーブルは柔らかく曲げやすいため、システムの設置位置を問わず接続しやすいのも特徴

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