公開日 2020/11/09 06:45
オーディオブランドが開発したスイッチングハブ「8Switch」でネットオーディオの音質改善!
【特別企画】CHORD COMPANYのLANケーブルも総チェック
ストリーミング時代を見据えた新たな展開として、イギリスのケーブルブランドCHORD COMPANYが「Engligh Electric」というサブブランドを創立。その第1弾モデルとしてスイッチングハブ「8Switch」を登場させた。すでにLANケーブルには多種多様なラインアップを揃え、ストリーミングにおける音質対策のノウハウを持つ同社だが、「スイッチングハブ」ではどれほどの実力を見せてくれるのか。同社のLANケーブルと組み合わせて、ネットワークオーディオのグレードアップを検証した。
■LANケーブルの実力を生かすスイッチングハブを自ら開発
英国のケーブル専門ブランド、CHORD COMPANYから初のスイッチングハブが登場という朗報が飛びこんできた。そういえば近ごろアナログ仲間もネットオーディオ再生に熱心で、オーディオ専用のハブとやらを自慢されたことがある。LANケーブルの分配器に過ぎないハブ。それで一体どれだけ音が変わるのか? 半信半疑な私である。
ご存じの通り、CHORD COMPANYはさまざまなデジタルケーブルをリリースしてきた。その一環としてストリーミングデジタルケーブル(以下LANケーブル)を鋭意展開中だ。最高峰は76万円の「ChordMusic」クラスまであり、これだけ多数のモデルを用意する背景には、よい音のLANケーブルが欲しいという要望の高まりがある。
そんななか彼らの不満は、自信をもって世に出した高音質なLANケーブルたちが、ハブを通したことで思ったように性能を発揮してくれないことだ。ネットオーディオのシステムが音質的な損失を受けていたのだ。これは思い切って、スイッチングハブも自らの手で作るしかないと。
製品名は「8Switch(エイト・スイッチ)」だ。新しくEnglish Electric(イングリッシュ・エレクトリック)というブランドを立ち上げての挑戦である。今年の2月、英国ブリストル・ショウで初お披露目された。
製品を取り扱うアンダンテラルゴの代表、鈴木 良さんに開発秘話を伺うと、CHORD COMPANYがこだわった点は、ハブ自身の発するノイズを劇的に低減すべく、回路やポート、外装ケース等々。これまで積み上げた同社のノウハウを徹底的に注ぎ込み、ようやくスイッチングハブの完成にこぎつけたそうだ。
資料を見ると、100/1000Base-T Gigabitのイーサネットのポート8基を装備。端子は高級金メッキ。そして正確なクロックテクノロジー(TCXO:温度補償水晶発振器を搭載)にてジッターを大幅に低減。電磁波や振動からの強力なノイズアイソレーションやメディカルグレードの高速電源などなど……ハイグレード設計だなあと驚いた。定評のあるLANケーブル「C-Stream」が1本付属して、10万円を切るという価格も魅力だ。
それにしても、ボディのシルエットは曲面がありカッコよく高級感もある。ポイントは外部から入る高周波数ノイズをどうガードするかだが、完全密閉されたコンパクトなアルミダイキャスト製なので、ノイズや放熱も安心である。
■息使いもナチュラル、清楚で品のいい女性ヴォーカル
試聴は比較のため8Switchのほかに、サイレントエンジェルという台湾製の製品とDELAの「S100」を用意。ネットワークプレーヤーはスフォルツァートの「DSP-Dorado」、ハブとDELAのオーディオNAS「N1A/3」の間は、最高峰「ChordMusic」のLANケーブルで固定して比較しよう。曲はCDリッピング音源で、ジョイス・カーの「スカイラーク」とカーニバルを思わせるYelloの「La Habanera」だ。ハイレゾではないが、「スカイラーク」では女性ヴォーカルのピーンと澄みきった第一声が違う。
8Switchはアナログ録音らしいギスギスしない柔らかい質感と、穏やかで爽やか。汚れや不純物感のない、いかにも清楚で品のいい表情が素晴らしい。音場情報も実にたっぷりだし、息づかいや間のとり方の何とナチュラルなことか。英語の発音がすっきり明瞭なのも、ジッターやノイズ対策をした8Switchの御利益だろう。
「La Habanera」は爆音系のワイルドな曲である。立体感たっぷりな男女の合唱群と金管やドラム隊が大活躍。8Switchはタフさとデリケートさを備えたマシンであることを実感させた。ドドーンとマグマのような熱量が大放出。音の壁がそそり立つようだ。スイッチングハブで、これだけ音の違いが出るのか驚きだ。
■LANケーブルの実力を生かすスイッチングハブを自ら開発
英国のケーブル専門ブランド、CHORD COMPANYから初のスイッチングハブが登場という朗報が飛びこんできた。そういえば近ごろアナログ仲間もネットオーディオ再生に熱心で、オーディオ専用のハブとやらを自慢されたことがある。LANケーブルの分配器に過ぎないハブ。それで一体どれだけ音が変わるのか? 半信半疑な私である。
ご存じの通り、CHORD COMPANYはさまざまなデジタルケーブルをリリースしてきた。その一環としてストリーミングデジタルケーブル(以下LANケーブル)を鋭意展開中だ。最高峰は76万円の「ChordMusic」クラスまであり、これだけ多数のモデルを用意する背景には、よい音のLANケーブルが欲しいという要望の高まりがある。
そんななか彼らの不満は、自信をもって世に出した高音質なLANケーブルたちが、ハブを通したことで思ったように性能を発揮してくれないことだ。ネットオーディオのシステムが音質的な損失を受けていたのだ。これは思い切って、スイッチングハブも自らの手で作るしかないと。
製品名は「8Switch(エイト・スイッチ)」だ。新しくEnglish Electric(イングリッシュ・エレクトリック)というブランドを立ち上げての挑戦である。今年の2月、英国ブリストル・ショウで初お披露目された。
製品を取り扱うアンダンテラルゴの代表、鈴木 良さんに開発秘話を伺うと、CHORD COMPANYがこだわった点は、ハブ自身の発するノイズを劇的に低減すべく、回路やポート、外装ケース等々。これまで積み上げた同社のノウハウを徹底的に注ぎ込み、ようやくスイッチングハブの完成にこぎつけたそうだ。
資料を見ると、100/1000Base-T Gigabitのイーサネットのポート8基を装備。端子は高級金メッキ。そして正確なクロックテクノロジー(TCXO:温度補償水晶発振器を搭載)にてジッターを大幅に低減。電磁波や振動からの強力なノイズアイソレーションやメディカルグレードの高速電源などなど……ハイグレード設計だなあと驚いた。定評のあるLANケーブル「C-Stream」が1本付属して、10万円を切るという価格も魅力だ。
それにしても、ボディのシルエットは曲面がありカッコよく高級感もある。ポイントは外部から入る高周波数ノイズをどうガードするかだが、完全密閉されたコンパクトなアルミダイキャスト製なので、ノイズや放熱も安心である。
■息使いもナチュラル、清楚で品のいい女性ヴォーカル
試聴は比較のため8Switchのほかに、サイレントエンジェルという台湾製の製品とDELAの「S100」を用意。ネットワークプレーヤーはスフォルツァートの「DSP-Dorado」、ハブとDELAのオーディオNAS「N1A/3」の間は、最高峰「ChordMusic」のLANケーブルで固定して比較しよう。曲はCDリッピング音源で、ジョイス・カーの「スカイラーク」とカーニバルを思わせるYelloの「La Habanera」だ。ハイレゾではないが、「スカイラーク」では女性ヴォーカルのピーンと澄みきった第一声が違う。
8Switchはアナログ録音らしいギスギスしない柔らかい質感と、穏やかで爽やか。汚れや不純物感のない、いかにも清楚で品のいい表情が素晴らしい。音場情報も実にたっぷりだし、息づかいや間のとり方の何とナチュラルなことか。英語の発音がすっきり明瞭なのも、ジッターやノイズ対策をした8Switchの御利益だろう。
「La Habanera」は爆音系のワイルドな曲である。立体感たっぷりな男女の合唱群と金管やドラム隊が大活躍。8Switchはタフさとデリケートさを備えたマシンであることを実感させた。ドドーンとマグマのような熱量が大放出。音の壁がそそり立つようだ。スイッチングハブで、これだけ音の違いが出るのか驚きだ。