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PR 公開日 2024/11/12 06:30

実は独自の “平面” 形状!? 新型振動板によるトゥルーサウンド、B&W「Pi8」「Pi6」の魅力に迫る

英国エンジニアへのインタビューでわかったドライバーユニットの秘密
山本 敦
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写真左側「Pi6」、写真右側「Pi8」
今夏、高級完全ワイヤレスイヤホンのジャンルに颯爽と誕生したBowers & Wilkins(バウワース&ウィルキンズ。以下:B&W)の「Pi8」と「Pi6」。DACアンプの搭載や高音質コーデックの採用などフィーチャーは多いが、Pi8は前モデルからドライバー数が減ってしまった。

その真意を探るべく英国のR&Dチームにメールを送ってみたら、なんと振動板の形状が独自設計でドームではない「平面」だという! まさにメジャーアップデートと呼べる新作の魅力を、エンジニアの声と一緒に紹介していこう。

■取材協力 Bowers & Wilkins R&Dチーム




今回、編集部の質問状がディープ過ぎてしまい、R&D チームメンバー全員に回覧される事態に! 写真は英国サウスウォーターにあるオフィスとチームの回答を取りまとめてくれたプロダクトマーケティング担当のAndy Kerr氏。


■DACアンプを別に搭載する音質重視の完全ワイヤレス



プレミアムオーディオブランドの代表格であるBowers & Wilkinsが、今年の夏にワイヤレスイヤホンのフルモデルチェンジを仕掛けた。最新モデルの「Pi8」と「Pi6」は9月の発売後すぐに売り切れた注目機だ。そのサウンドとデザインはどう変わったのか。英国サウスウォーターに拠点を構えるR&Dチーム担当者へのメールインタビューから得た詳しい情報に触れながらPiシリーズの実力を読み解こう。

Pi8とPi6は、B&Wが2023年春に発売した「Pi7 S2」と「Pi5 S2」からデザインが大きく変わり、これに起因する装着性も格段に高まった。2023年のモデルに対して寄せられた多くの反響を受けて、R&DチームはB&Wのイヤホンをさらなる高みに導くことを決めた。個性的だった以前のPiシリーズのデザインは、より多くのユーザーが快適なフィット感を得られるよう、曲面を活かしながらシンプルにした。耳あたりの心地よさだけでなく、ワイヤレス接続の安定性を高めることにも課題として取り組んできたという。

Pi8、Pi6はアクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載する左右独立型のワイヤレスイヤホンだ。Pi8は7万円前後、Pi6は4万円前後という販売価格もプレミアムだが、ANC以外にもモバイルアプリ連携により提供するものも含む多彩な機能を載せている。何よりB&Wのリッチなサウンドが屋内外を問わず、あらゆる場所で楽しめることが魅力的だ。

どちらのイヤホンもハウジングは密閉構造で、ダイナミック型のシングルドライバーユニットを1基搭載している。振動板にはB&Wが誇るプレミアムワイヤレスヘッドホンの開発から培った技術を注入した。振動板の素材はPi6がバイオセルロース、Pi8はカーボンだ。サイズはともに12mm口径。コーデックは最大96kHz/24bitのapt X Adaptiveと、Pi8はapt X Losslessの両方をサポートする。さらにPi6はQualcommのSoCの性能を最大限引き出す設計で、Pi8はSoCに加えてDSPやDAC、アンプまで搭載して音質にこだわっている。

<Function>ケースがトランスミッターになる



Pi8の充電ケースはトランスミッター機能も搭載されており、aptX Adaptive で接続することができる。iPhone ユーザーが高品位なサウンドを楽しむのに最適だし、低遅延を期待するゲームの利用にも活躍する。また飛行機の機内エンターテイメントを楽しむ用に、3.5mm to USB Type-Cケーブルも付属する。


■開発チームの探究心が伝わる自然な開放感と艶のある音



筆者もPi8とPi6の実機を入手して音質やANCの実力を確かめた。比較のためPi7 S2も用意している。聴感をコメントする前に、筆者もまた新しいPiシリーズの心地よい装着感に満足したことを伝えておく。

耳に挿入したイヤホンがまるで自分の身体の一部になったみたいに馴染む。パッシブな遮音効果も高い。加えてANCをオンにすると柔らかな静寂に包み込まれる。ANCのチューニングはPi7 S2と比較して低音域のキャンセリング性能を大きく向上させているという。だからこそ、静かなオーディオルームでスピーカーのサウンドに耳を傾けているような自然な開放感が得られるのだ。

<CHECK POINT>スペックは大幅にグレードアップ!

Pi8のサウンドは滑らかな中高音域と、深く根を張ったような低音のインパクトが大きかった。描かれる音場もスケールが大きく、奥行き方向への見晴らしもクリア。クラシックピアノのオーケストラはメロディが立体的に浮かび上がる。すべての楽器が演奏する音色は色が濃い。そして陰影のアクセントも鮮烈だ。Pi7 S2のサウンドはとても解像感が高く繊細ではあるものの、Pi8に比べるとやや起伏と躍動感に欠ける面が浮かび上がってくる。

Pi6もPi8に劣らないほど音の彫りが深く安定感にも富んでいる。特に中高音域の鳴りっぷりのよさに心奪われた。艶やかなボーカルの声にぐいぐいと引き込まれてしまう。分解能という観点ではPi8に軍配があがるかもしれないが、そのぶんPi6はサウンドの一体感が引き締まっている。どちらのイヤホンからもB&Wの開発チームが洗練されたポータブルオーディオリスニングを探究してきたひたむきさが伝わってくる。

<Application>ストリーミングサービスとも連携



専用アプリを使うとイコライザーやタッチ操作のカスタマイズができる。Deezerなど対応ストリーミングサービスを、同じアプリ内で操作することができるなど、使い込むほどに魅力が深まるアプリだ。


次ページ B&W開発チームの語る新しいPiシリーズの音作りとは

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