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公開日 2023/05/19 15:36
ラックスマンはNT-07でQobuz音源を再生

<HIGH END>TADがプリアンプ「TAD-C1000」初披露/フェーズメーション、1300万円旗艦モノ「MA-5000」

ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
5月18日よりドイツ・ミュンヘンにて開催されている世界最大規模のオーディオショウ、「ミュンヘン・ハイエンド2023」。ここでは、海外展開に積極的な意欲を見せる国内ブランド、TAD、Phasemation(フェーズメーション)、由紀精密、ラックスマン、ティアック/エソテリックなどのブースの模様を紹介しよう。

TAD



TADは、Evolutionシリーズのプリアンプ「TAD-C1000」を初披露した。これにより、CDプレーヤー「TAD-D1000TX」、パワーアンプ「TAD-M1000」が同一のデザインシリーズで揃うことになる。

プリアンプ「TAD-C1000」

TADスタッフによると、CDプレーヤーのTAD-D1000TXにはプリアンプ機能が備わっており、ボリュームコントロールも可能でパワーアンプとして直結して再生することもできるが、やはりアナログプリアンプへの需要も非常に高いことから本製品の開発に着手。今年の秋頃より正式に展開をスタートさせるとのこと。

Evolutionシリーズで揃えたオーディオシステムが完成

TAD-C1000は中央に大型のボリュームノブを配置。軽く触れてみると非常に重量感のある回し心地が感じられる。入力はバランス4系統、アンバランス2系統に、出力もバランス/アンバランス各2系統を搭載。デュアルモノラル構成で、パーツや電源類などもTADならではの歪みの少ない高品質なものを採用したという。

「TAD-CE1TX」も出展。バックの日本風パネルは現地代理店が作ったものだそう

また、プロフェッショナルユースとしてトゥイーター「ET-703a」も発表。非常に軽量で剛性の高い35mmベリリウムダイアフラムを採用しており、45kHzまで再生可能としている。「デジタルサウンドのモニターにさらなる革命をもたらすでしょう」と説明する。

プロ向けトゥイーターユニット「ET-703a」

Phasemation(フェーズメーション)



フェーズメーションは、国内価格1,300万円を予定するA級モノラルパワーアンプのフラグシップモデル「MA-5000」を出展。これまでのフェーズメーションの価格レンジを大幅に上回る製品ということで、同社が培ってきた真空管アンプ技術をさらに一段上のレベルに引き上げ、「音楽のリアリティとアーティストの情熱を引き出す」べく開発が進められたという。

モノラルアンプのフラグシップモデル「MA-5000」

真空管にはPSVANEのWE-211とWE-300Bを使用。ルンダール製のトランスなど高品位なパーツを採用し、45Wの出力を実現する。天面部は放熱とデザインの双方を兼ねた「クロイゾネ」と呼ばれる伝統的な文様が掘られている。正面はガラス製で、まるでショーケースの中に真空管が飾られているような美しい外観に仕上げられている。

天面に掘られた美しい文様

担当者にイベント出展について伺うと、「昨年もミュンヘン・ハイエンドに出展して大きな手応えがあり、世界各国のディストリビューターさんからお声掛けをいただきました。現在34カ国に輸出を行っております。ドイツやポーランド、また北欧も非常に大きな市場となっています」とコメント。今後については「さらに海外展開も強化していきたいと考えています」と語ってくれた。

由紀精密



フェーズメーションと同じ部屋で、由紀精密のアナログプレーヤー「AP-01」も展示されている。昨年に引き続き出展となった由紀精密は、海外代理店としてフェーズメーションやエアータイトと同じアクシス・ヨーロッパをサポートを受けることとなり、さらなる海外展開に意欲を見せている。

由紀精密で開発を担当する永松純さん。海外展開にも手応えを見せる

開発担当の永松氏によると、新製品「AP-01」は、外観は前モデルと殆ど変わらないが、内部の基板やマグネットの配置、電源部の変更など、60%ほどのパーツをアップデート。「アナログプレーヤーを開発してみて、“こんなことでも音が変わるのか!” という発見がたくさんありました」と語るほど、音質的にも大きく進化を遂げているとのことだ。

ラックスマン



ラックスマンは、プリアンプのフラグシップモデル「C-10X」や、プリメインアンプ「L-509Z」など、昨年後半から今年にかけて発売された新製品を多数展示。フォーカルのスピーカーと組み合わせてさまざまな音楽が再生され、部屋中が非常に力強いサウンドで満たされていた。

ラックスマンのブース。CD、アナログ、ストリーミングとあらゆるソースを体験できる

CD、レコード再生はもちろんのこと、昨年のインターナショナルオーディオショウで披露されたネットワークトランスポート「NT-07」も登場。デモではQobuzの音源も再生しており、ストリーミングに対する世界的な関心の高さも感じさせた。

NT-07をQobuzで再生

ティアック/エソテリック



エソテリックは昨年に引き続き、ブランド初のアナログプレーヤー「Grandioso T1」を始めとするGrandiosoシリーズを中心に展開。スピーカーはウィルソン・オーディオと組み合わせ、エソテリックの音世界を世界に向けてアピールしていた。

Grandioso T1を筆頭にエソテリックの主力ラインナップが勢揃い

海外営業担当のスタッフによると、「“05クラス” への引き合いが非常に高い」とのこと。特にアメリカ市場も好調だという。また、N-05XDは、たとえばこだわりの強いヘッドホンユーザーなど、「今までのエソテリックファンとはまた違った顧客層」にも刺さっている感触があるとし、新しいマーケットの開拓を実現できていると胸を張る。外観のブラック仕上げも、オーディオルームを「ブラック」に染めたいユーザーから需要が高いという。

K-05XDの内部も公開。VRDSメカやディスクリートDACへのこだわりが見られる

ティアックは先日発表されたばかりの「PD-505T」を初出展。音出しはされていなかったが、こちらも他の500番シリーズと組み合わせて「ブラック」仕上げのものが展示されていた。

ティアック「500番台」シリーズも展開。一番上が発表されたばかりのCDトランスポート「PD-505T」

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