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公開日 2020/02/03 19:26
低収益体質からの脱却を目指す取り組み継続

パナソニック2019年3Q、国内消費増税など厳しい環境の中で当期純利益増益。構造改革推進を継続。

Senka21編集部 徳田ゆかり
パナソニックは2019年度第三四半期決算概要を発表、同社取締役 常務執行役員CFOの梅田博和氏が説明を行った。

パナソニック(株)取締役 常務執行役員CFOの梅田博和氏

売上高は1兆9,112億円で前年比92%。梅田氏は「中国を中心とした投資需要の低迷や、自動車市況の減速、国内の消費増税の影響に加え、為替など特殊要因の影響による」と説明。調整後営業利益は953億円で前年比99%、「減販損や為替影響があるが、限界利益率の改善や固定費削減により前年並み」とのこと。営業利益は1,004億円で前年比103%。当期純利益は772億円で前年比129% と増益に。

2019年度第三四半期決算概要


セグメント別増減要因

2019年度第三四半期セグメント別実績

第三四半期のセグメント別では、B2Cの家電などを擁するアプライアンスが売上高6,832億円(前年同期比94%)。調整後営業利益が297億円(前年差+37億円)。欧州でのテレビやデジカメの販売減、国内での消費増税などが減収に影響。一方でホームアプライアンスの増販益、テレビのコスト削減などにより増益となった。

ライティングやエナジー、パナソニックホームズなどを擁するライフソリューションズが売上高5,120億円(同99%)、調整後営業利益が334億円(前年差+55億円)。前年並の売上高が照明などの減販をインドア・エア・クオリティ事業や住宅関連の増販でカバーした結果。住宅関連の増販益や合理化効果により1Q、2Qに続き増益となった。

B2Bのソリューションを提供するコネクティッドソリューションズは売上高2,517億円(同94%)、調整後営業利益が177億円(前年差▲28億円)。減収減益は中国などでの投資需要の低迷や自動車市況の減速などにより実装機の減販が響いた結果。

インフォテインメントシステムズや車載システムズなどを擁するオートモーティブは売上高3,662億円(同93%)、調整後営業損失が67億円(前年差▲89億円)。円筒形車載電池は増収増益ながら、市況減速などによる車載機器の減販の影響、角形車載電池の固定費増などにより減収減益となった。

メカトロニクスや産業デバイスなどを擁するインダストリアルソリューションズは売上高3,262億円(同90%)、調整後営業利益が100億円(前年差▲114億円)となった。減収減益は、中国の市況の影響に加え二次電池の中国での受給バランスの悪化、また郡山工場の台風被災の影響などによる。

2019年10月31日公表値からの年間業績見通しは全社では据置とし、セグメント別では「足元の経営概況、事業ポートフォリオ改革の影響を反映して一部修正」とする。コネクティッドソリューションズが調整後営業利益を30億円下方修正、その他損益を200億円上方修正、営業利益を170億円上方修正。インダストリアルソリューションズは売上高を300億円下方修正、調整後営業利益を200億円下方修正、その他損益を180億円下方修正、営業利益を380億円下方修正した。「中国市況などマクロ環境は予断を許さない状況、これらを注視しながら経営体質強化に引き続き取り組む」とした。

セグメント別年間業績見通しの修正

また、事業ポートフォリオ改革の進捗については下表のとおり。第二四半期決算期以降の主な変化点として、車載用角形電池事業のトヨタ自動車との合弁会社設立の発表(本日)、またトヨタ自動車との街づくり事業に関する合弁会社プライム ライフ テクノロジーズの設立(2020年1月7日発表)が報告された。「今期は構造改革を引き続きしっかりと推進し、来期以降もトップダウンでの取り組みを加速することで、低収益体質からの脱却を目指している」と説明された。

事業ポートフォリオ改革の進捗

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