公開日 2017/11/02 16:59
話題のコンパクトDAPの駆動力はいかに?
Lotoo「PAW Pico」の駆動力を検証 ― 想像以上に幅広いタイプを鳴らし切る
岩井 喬
Lotooの超コンパクトハイレゾDAP「PAW Pico」を初めて見た時、軽量・小型なサイズに満載された機能性の高さに衝撃を受けた。しかも実際に使ってみるとその小型さからは想像できないサウンドの存在感、音質の良さに2度驚かされたのである。
CPUに上位モデル「PAW Gold」と同じADI製「Blackfin 706」を採用。DACチップはフィールドレコーディングで活用される録再モデルと同じTI製「TLV320」シリーズを用い、192kHz/24bit PCM&5.6MHz DSD(PCM変換)まで対応するという、ハイレゾ音源の主だったものをカバーできるスペックを有している。ヘッドホン出力はφ3.5mmステレオ・シングルエンド端子のみであるが、様々なイヤホン/ヘッドホンに対して果たしてどれだけの実力を持つのか、極端な例を含めて実験してみた。
■高感度なカスタムIEMで発揮される相性の良さ
まず用意したのは最も組み合わせとして想定されるイヤホンの場合である。多くのDAP、そしてポタアンで手を焼く存在なのが高感度なカスタムIEMだ。高感度であるがため、ちょうどよいボリューム位置でノイズっぽさが目立つなど、インピーダンスマッチングも含めて課題が多い。今回ウエストン「ES80」と組み合わせて聴いてみた。
締まり良くタイトで音場の広がりも適度に持たせた色付けの少ないサウンドで、音量感とS/Nのバランスも取れており、高感度モデルとの組み合わせも問題なさそうだ。オーケストラの旋律はハリ良く爽やかでアタックやリリースの早さも申し分ない。低域はダンピング良くまとめ、個々のパートはスマートに描かれる。音場の見通しも深く、ハーモニーの響きは潤い感もあり、余韻の階調も細かく再現性が高い。さすがモニター用イヤホンといえる表現であるが、Lotooもプロ用レコーダーで実績のあるブランドであり、相性が良いのも納得がゆく。PAW Picoの音調もニュートラルバランスであり、安定感がある。
ジャズピアノの響きも自然でハーモニクスをクリアにまとめる。アタックはやや硬めな印象だ。ウッドベースの弦は滑らかに際立ち、胴鳴りの響きはハネ良くしなやか。ロックでもリズム隊のシャープな際立ち感と、ぎゅっと詰まったディストーションギターのリフがスピード感あるサウンドを生み出している。
DSD系の音源でも基本的に同じ傾向であり、ヴォーカルは肉付き感があるもののソリッドな描写で、各パートをスマートに表現して音場をクリアにまとめている。ピアノやシンバル、ホーンセクションは爽やかに響かせ、アタックをキレ良く描く。しかし高域にエナジーバランスが偏っているわけではなく、重心は低く、音像のボトム感は適切に表現されている。定位感など、空間情報の再現度は高く、臨場感あるサウンドだ。
CPUに上位モデル「PAW Gold」と同じADI製「Blackfin 706」を採用。DACチップはフィールドレコーディングで活用される録再モデルと同じTI製「TLV320」シリーズを用い、192kHz/24bit PCM&5.6MHz DSD(PCM変換)まで対応するという、ハイレゾ音源の主だったものをカバーできるスペックを有している。ヘッドホン出力はφ3.5mmステレオ・シングルエンド端子のみであるが、様々なイヤホン/ヘッドホンに対して果たしてどれだけの実力を持つのか、極端な例を含めて実験してみた。
■高感度なカスタムIEMで発揮される相性の良さ
まず用意したのは最も組み合わせとして想定されるイヤホンの場合である。多くのDAP、そしてポタアンで手を焼く存在なのが高感度なカスタムIEMだ。高感度であるがため、ちょうどよいボリューム位置でノイズっぽさが目立つなど、インピーダンスマッチングも含めて課題が多い。今回ウエストン「ES80」と組み合わせて聴いてみた。
締まり良くタイトで音場の広がりも適度に持たせた色付けの少ないサウンドで、音量感とS/Nのバランスも取れており、高感度モデルとの組み合わせも問題なさそうだ。オーケストラの旋律はハリ良く爽やかでアタックやリリースの早さも申し分ない。低域はダンピング良くまとめ、個々のパートはスマートに描かれる。音場の見通しも深く、ハーモニーの響きは潤い感もあり、余韻の階調も細かく再現性が高い。さすがモニター用イヤホンといえる表現であるが、Lotooもプロ用レコーダーで実績のあるブランドであり、相性が良いのも納得がゆく。PAW Picoの音調もニュートラルバランスであり、安定感がある。
ジャズピアノの響きも自然でハーモニクスをクリアにまとめる。アタックはやや硬めな印象だ。ウッドベースの弦は滑らかに際立ち、胴鳴りの響きはハネ良くしなやか。ロックでもリズム隊のシャープな際立ち感と、ぎゅっと詰まったディストーションギターのリフがスピード感あるサウンドを生み出している。
DSD系の音源でも基本的に同じ傾向であり、ヴォーカルは肉付き感があるもののソリッドな描写で、各パートをスマートに表現して音場をクリアにまとめている。ピアノやシンバル、ホーンセクションは爽やかに響かせ、アタックをキレ良く描く。しかし高域にエナジーバランスが偏っているわけではなく、重心は低く、音像のボトム感は適切に表現されている。定位感など、空間情報の再現度は高く、臨場感あるサウンドだ。
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