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公開日 2010/10/04 01:02
東芝、20V/12V型裸眼3Dテレビ“REGZA”GL1シリーズを発売 − 専用LED液晶パネル採用、20V型はCELLエンジン搭載
20V型は4K2K相当のパネルを使用
既に速報にてお伝えしているとおり、(株)東芝は本日裸眼で3D視聴できる“グラスレス3Dテレビ”2製品を発表した。本項では製品についての詳細をレポートしよう。
今回発売される“グラスレス3Dテレビ”は、20V型の「20GL1」と12V型の「12GL1」の2種類。両機とも12月下旬に発売する。価格はいずれもオープンだが、20V型は24万円前後、12V型は12万円前後での販売が予想される。
両機は、インテグラルイメージング方式とレンチキュラーシートを組み合わせたグラスレス3D専用LED液晶パネルを搭載し、2D映像の表示に加え、裸眼での3D視聴に対応しているのが大きな特徴だ。2D/3D表示の切り替えは、ブースでは実際に見ることはできなかったが、付属のリモコンに設けられたボタンで行うとのこと。
「20GL1」は解像度1,280×720(2D/3Dとも)・約829万画素・アスペクト比16対9のパネルを搭載。コントラスト比は550対1。「Cell Broadband Engine」をコアに、多視差変換LSIを組み合わせたグラスレス3D専用CELLレグザエンジンを採用している。高い演算処理能力を持つ同エンジンにより、グラスレス3D専用の映像に高精度変換を行うことができるとのこと。推奨3D視聴距離は90cm。3Dの視野角は左、右それぞれ15度となる。
音声面ではCONEQ/Class-Dデジタルパワーアンプを内蔵。ほか、地上・BS・110度CSデジタルチューナーを各2基搭載することに加え、入出力端子としてInstaPortに対応したHDMI入力端子を4系統(うち1系統はARCにも対応)、ビデオ入力1系統、3.5mmアナログ音声出力(固定/可変)1系統、光デジタル音声出力、HDMIアナログ音声入力、ヘッドホン、USB、LAN端子を備えている。
また、画面の明るさを抑制し消費電力を低減する「消費電力低減設定」や、無操作状態が3時間続くと待機状態にする「無操作電源オフ機能」、外部入力選択時に無信号が15分間続くと待機状態にする「無信号電源オフ機能」などの省エネ対応設計が施されている。
「12GL1」は解像度466×350(2D/3Dとも)・約147万画素・アスペクト比4対3のパネルを採用。コントラスト比は500対1。グラスレス3D専用レグザエンジンも搭載している。推奨3D視聴距離は65cm。こちらも3Dの視野角は左、右それぞれ15度。地上・BS・110度CSデジタルチューナーを各1基搭載する。
また入出力端子としてInstaPortに対応したHDMI入力端子1系統、ビデオ入力1系統、ヘッドホン、LAN、USBを搭載。SDカードスロットも備え、SDカードへのワンセグ録画やカード内のJPEG画像やAVCHD動画の再生にも対応する。
さらに、両モデルともUSB HDDへの録画も可能。最大4台の同時接続に対応している。ただし録画機能についての詳細は未定とのことで、「20GL1」が2番組同時録画に対応するかについて、あるいは用意される録画モードなどについては明らかにされなかった。こちらは「詳細は11月中に決まる予定」(同社説明員)とのことだ。
■グラスレス3D専用LED液晶パネルとは
通常の液晶パネルは横方向に長方形のRGBのサブピクセルを並べ、3個のサブピクセルで1画素を構成するところ、この新開発のパネルは平行四辺形のRGBサブピクセルを縦方向に配置、RGBそれぞれ9個・計27個のサブピクセルで1画素を構成する。そして縦方向の9つのRGBサブピクセルで1視差の映像を表示し垂直レンチキュラーシートで9方向に放射することで、裸眼での立体視を得るという。
特に、20V型の「20GL1」は、「4K2K相当のパネルを搭載している」(同社説明員)という。こちらは2009年度補正予算により総務省から受託した「眼鏡の要らない3次元映像技術の研究開発(次世代・究極3次元映像技術)」において、東芝モバイルディスプレイ社と東芝が共同で開発した研究成果を採用しているとのことだ。
バックライトにはLEDを採用。20V型の「20GL1」は1,440個のLEDを液晶直下に配置することで、明るい3D映像を実現するという。また12V型の「12GL1」については、個数や配置方法の詳細については語られなかったが、「エッジ配置である」(同社説明員)と説明していた。
また、画面中央と画面端の光線の向きを変えることで視域を改善している点もアピールしているが、こちらはソフトウェア的に制御しているとのこと。RGBそれぞれのサブピクセルに表示する映像をずらすことで光線の向きを中央に傾け、画面の左端から右端まで正しく見えるよう、視域を改善するという。
本パネルは東芝モバイルディスプレイ社で製造を行うが、具体的にどこの工場で生産するかは未定だという。「平行四辺形の画素というのも通常の液晶パネル製造とは違う部分。グラスレス3D専用パネル用に生産ラインも開発した」と語る説明員。その点からも、コスト的には月販1,000台ずつではペイしないだろうということが想像される。
■グラスレス3D専用のレグザエンジンとは
また、「20GL1」はグラスレス3D専用CELLレグザエンジンを、「12GL1」はグラスレス3D専用レグザエンジンを搭載している点も特徴として挙げられる。
グラスレス3D専用CELLレグザエンジンは、「Cell Broadband Engine」と新開発の多視差変換LSI(本製品の場合は9視差に変換)を合わせたもの。Cellの高速な演算処理により、グラスレス3D用の9視差映像をリアルタイム生成する。
9視差映像の生成方法だが、2D映像の場合はまず、手前の物体ほど見かけの動きが速いという基本原理から前後関係を推定し、奥行き復元を実施。さらに四隅の色のヒストグラムと1,400ものサンプル画像から、構図識別に基づく奥行きの復元を行う。3D映像の場合は、奥行きの推定を実施する。その後の工程は2D/3D同様、映像データを9視差分にレンダリングし、さらに超解像処理にも使われるプロセスで高画質化を施してパネルへ出力する、という仕組みだ。
なお「グラスレス3D専用CELLレグザエンジン」と「グラスレス3D専用レグザエンジン」の違いは「演算処理量。20GL1は解像度1,280×720、12GL1は466×350で、必要とされる処理量が違う」(同社説明員)のだという。
今回、20GL1は外形寸法640W×663H×105Dmmと奥行きもあり、画面下にもかなりスペースをとっている。説明員に聞いたところ、これはグラスレス3D専用CELLレグザエンジンが大きいためとのことだ。
■56V型のグラスレス3Dテレビ試作機も参考出展
ブースには製品化される2モデル以外に、今後の大型化を示唆する56V型モデルも参考出展されている。説明員によると、グラスレス3Dテレビの大型化は、通常の液晶テレビの大型化と比べて技術的に乗り越えるべき問題が多いのだという。「大型化にあたってポイントとなるのは『画素数』と『視差数』。画素数が少ないまま大型化すると、引き延ばされた感じの3D映像になってしまう」と説明していた。56V型モデルの詳細については多くを明らかにされなかったが、「20GL1と同じく4K2K相当のパネルを搭載しているが、20V/12V型のように9視差ではなく、6視差に減らしている」とのことである。
今回発売される“グラスレス3Dテレビ”は、20V型の「20GL1」と12V型の「12GL1」の2種類。両機とも12月下旬に発売する。価格はいずれもオープンだが、20V型は24万円前後、12V型は12万円前後での販売が予想される。
両機は、インテグラルイメージング方式とレンチキュラーシートを組み合わせたグラスレス3D専用LED液晶パネルを搭載し、2D映像の表示に加え、裸眼での3D視聴に対応しているのが大きな特徴だ。2D/3D表示の切り替えは、ブースでは実際に見ることはできなかったが、付属のリモコンに設けられたボタンで行うとのこと。
「20GL1」は解像度1,280×720(2D/3Dとも)・約829万画素・アスペクト比16対9のパネルを搭載。コントラスト比は550対1。「Cell Broadband Engine」をコアに、多視差変換LSIを組み合わせたグラスレス3D専用CELLレグザエンジンを採用している。高い演算処理能力を持つ同エンジンにより、グラスレス3D専用の映像に高精度変換を行うことができるとのこと。推奨3D視聴距離は90cm。3Dの視野角は左、右それぞれ15度となる。
音声面ではCONEQ/Class-Dデジタルパワーアンプを内蔵。ほか、地上・BS・110度CSデジタルチューナーを各2基搭載することに加え、入出力端子としてInstaPortに対応したHDMI入力端子を4系統(うち1系統はARCにも対応)、ビデオ入力1系統、3.5mmアナログ音声出力(固定/可変)1系統、光デジタル音声出力、HDMIアナログ音声入力、ヘッドホン、USB、LAN端子を備えている。
また、画面の明るさを抑制し消費電力を低減する「消費電力低減設定」や、無操作状態が3時間続くと待機状態にする「無操作電源オフ機能」、外部入力選択時に無信号が15分間続くと待機状態にする「無信号電源オフ機能」などの省エネ対応設計が施されている。
「12GL1」は解像度466×350(2D/3Dとも)・約147万画素・アスペクト比4対3のパネルを採用。コントラスト比は500対1。グラスレス3D専用レグザエンジンも搭載している。推奨3D視聴距離は65cm。こちらも3Dの視野角は左、右それぞれ15度。地上・BS・110度CSデジタルチューナーを各1基搭載する。
また入出力端子としてInstaPortに対応したHDMI入力端子1系統、ビデオ入力1系統、ヘッドホン、LAN、USBを搭載。SDカードスロットも備え、SDカードへのワンセグ録画やカード内のJPEG画像やAVCHD動画の再生にも対応する。
さらに、両モデルともUSB HDDへの録画も可能。最大4台の同時接続に対応している。ただし録画機能についての詳細は未定とのことで、「20GL1」が2番組同時録画に対応するかについて、あるいは用意される録画モードなどについては明らかにされなかった。こちらは「詳細は11月中に決まる予定」(同社説明員)とのことだ。
■グラスレス3D専用LED液晶パネルとは
通常の液晶パネルは横方向に長方形のRGBのサブピクセルを並べ、3個のサブピクセルで1画素を構成するところ、この新開発のパネルは平行四辺形のRGBサブピクセルを縦方向に配置、RGBそれぞれ9個・計27個のサブピクセルで1画素を構成する。そして縦方向の9つのRGBサブピクセルで1視差の映像を表示し垂直レンチキュラーシートで9方向に放射することで、裸眼での立体視を得るという。
特に、20V型の「20GL1」は、「4K2K相当のパネルを搭載している」(同社説明員)という。こちらは2009年度補正予算により総務省から受託した「眼鏡の要らない3次元映像技術の研究開発(次世代・究極3次元映像技術)」において、東芝モバイルディスプレイ社と東芝が共同で開発した研究成果を採用しているとのことだ。
バックライトにはLEDを採用。20V型の「20GL1」は1,440個のLEDを液晶直下に配置することで、明るい3D映像を実現するという。また12V型の「12GL1」については、個数や配置方法の詳細については語られなかったが、「エッジ配置である」(同社説明員)と説明していた。
また、画面中央と画面端の光線の向きを変えることで視域を改善している点もアピールしているが、こちらはソフトウェア的に制御しているとのこと。RGBそれぞれのサブピクセルに表示する映像をずらすことで光線の向きを中央に傾け、画面の左端から右端まで正しく見えるよう、視域を改善するという。
本パネルは東芝モバイルディスプレイ社で製造を行うが、具体的にどこの工場で生産するかは未定だという。「平行四辺形の画素というのも通常の液晶パネル製造とは違う部分。グラスレス3D専用パネル用に生産ラインも開発した」と語る説明員。その点からも、コスト的には月販1,000台ずつではペイしないだろうということが想像される。
■グラスレス3D専用のレグザエンジンとは
また、「20GL1」はグラスレス3D専用CELLレグザエンジンを、「12GL1」はグラスレス3D専用レグザエンジンを搭載している点も特徴として挙げられる。
グラスレス3D専用CELLレグザエンジンは、「Cell Broadband Engine」と新開発の多視差変換LSI(本製品の場合は9視差に変換)を合わせたもの。Cellの高速な演算処理により、グラスレス3D用の9視差映像をリアルタイム生成する。
9視差映像の生成方法だが、2D映像の場合はまず、手前の物体ほど見かけの動きが速いという基本原理から前後関係を推定し、奥行き復元を実施。さらに四隅の色のヒストグラムと1,400ものサンプル画像から、構図識別に基づく奥行きの復元を行う。3D映像の場合は、奥行きの推定を実施する。その後の工程は2D/3D同様、映像データを9視差分にレンダリングし、さらに超解像処理にも使われるプロセスで高画質化を施してパネルへ出力する、という仕組みだ。
なお「グラスレス3D専用CELLレグザエンジン」と「グラスレス3D専用レグザエンジン」の違いは「演算処理量。20GL1は解像度1,280×720、12GL1は466×350で、必要とされる処理量が違う」(同社説明員)のだという。
今回、20GL1は外形寸法640W×663H×105Dmmと奥行きもあり、画面下にもかなりスペースをとっている。説明員に聞いたところ、これはグラスレス3D専用CELLレグザエンジンが大きいためとのことだ。
■56V型のグラスレス3Dテレビ試作機も参考出展
ブースには製品化される2モデル以外に、今後の大型化を示唆する56V型モデルも参考出展されている。説明員によると、グラスレス3Dテレビの大型化は、通常の液晶テレビの大型化と比べて技術的に乗り越えるべき問題が多いのだという。「大型化にあたってポイントとなるのは『画素数』と『視差数』。画素数が少ないまま大型化すると、引き延ばされた感じの3D映像になってしまう」と説明していた。56V型モデルの詳細については多くを明らかにされなかったが、「20GL1と同じく4K2K相当のパネルを搭載しているが、20V/12V型のように9視差ではなく、6視差に減らしている」とのことである。
関連リンク
- ジャンル液晶テレビ(ディスプレイ)
- ブランドTOSHIBA
- 型番20GL1
- 発売日2010年12月下旬
- 価格¥OPEN(予想実売価格24万円前後)
【SPEC】●液晶パネル:20V型グラスレス3D専用LEDパネル ●方式:グラスレス3D対応 インテグラルイメージング方式/垂直レンチキュラーシート ●画素数:1280×720画素 ●コントラスト:550対1 ●推奨3D視聴距離:90cm ●映像エンジン:グラスレス3D専用CELLレグザエンジン ●入出力端子:HDMI×4、ビデオ入力×1、3.5mmアナログ音声出力、光デジタル音声出力、ヘッドホン端子、USB端子×1、LAN端子×1 ●チューナー:地上・BS・110度CSデジタル×2 ●外形寸法:640W×663H×105Dmm(スタンド除く)
- ジャンル液晶テレビ(ディスプレイ)
- ブランドTOSHIBA
- 型番12GL1
- 発売日2010年12月下旬
- 価格¥OPEN(予想実売価格12万円前後)
【SPEC】●液晶パネル:12V型グラスレス3D専用LEDパネル ●方式:グラスレス3D対応 インテグラルイメージング方式/垂直レンチキュラーシート ●画素数:466×350画素 ●コントラスト:500対1 ●推奨3D視聴距離:65cm ●映像エンジン:グラスレス3D専用レグザエンジン ●入出力端子:HDMI×1、ビデオ入力×1、ヘッドホン端子、USB端子×1、LAN端子×1、SDメモリーカードスロット ●チューナー:地上・BS・110度CSデジタル×1 ●外形寸法:337W×272H×200Dmm(スタンド含む)