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公開日 2015/10/08 22:25
ハイレゾもアナログも同じ「高音質を実現する手段」− オーディオテクニカ発表会詳報
バラカン氏がアナログ&テクニカへの愛着を語る
オーディオテクニカは本日、東京・JPタワーホール“KITTE”にて、新製品発表会を開催した。発表会では、同社代表取締役社長である松下和雄氏が挨拶を行った。
■ハイレゾもアナログも同じ高音質を実現する手段と考えている
昨年2014年に、ヘッドホン発売から40周年を迎えたオーディオテクニカ。松下社長はヘッドホンを発売した当時を振り返り、「ヘッドホンはその頃、ステレオセットのおまけという性格でした。しかし我々はこうした流れに対してヘッドホンの音質や材質にだわり、Hi-Fi用のヘッドホンもいち早く開発しました。ヘッドホン開発を始めた当初の思いは未だ変わることなく、今日でもヘッドホンユーザーや音楽愛好家のために日々技術を磨いています」と同社のヘッドホンへの変わらぬ姿勢に言及。また、同社が6年連続で日本国内ヘッドホン販売台数1位を獲得したことも紹介された。
また、ハイレゾのムーブメントを背景に、ハイレゾ対応ヘッドホンに対する需要の高まりも感じたとのこと。その中で昨年発表したハイレゾ対応モデル「ATH-MSR7」については、特に市場からの好意的なリアクションと共に、大きな手応えを得たと語った。
松下社長は同社の主要ラインナップである「ART MONITOR」「SOLID BASS」「EARSUIT」の3シリーズのフルモデルチェンジを行うことへの意気込みを語る一方で「アナログ関連製品についてもさらなる拡充を行っていく」とコメント。創業以来同社が手がけてきたカートリッジの新製品も紹介した。
“ハイレゾ対応ヘッドホン”と“アナログカートリッジ”というある意味で対極の新製品を同時に発表することについて、松下社長は「アナログとハイレゾは相反するように思えるかもしれませんが、私たちはどちらも同じ高音質を実現する手段として捉えています。アナログとハイレゾの2つを同時に展開していけることは大きな強みです」とコメントしていた。
同社の様々な取り組みについても紹介。米グラミー賞やサマーソニックなどと共に、リオデジャネイロ・オリンピックにも同社マイクロフォンを提供することを取り上げ、2020年の東京オリンピックに続く新たなビジネスチャンスと捉えていると述べた。
また、現在立て替え中の町田市の同社・新社屋についても言及。「当社は1965年に新宿から町田に本社を移転してから、今年で50年目です。現在立て替え中の新社屋では最新設備を導入し、さらなる技術革新を行ていきます」と述べた。また、さらなるグローバル化、IoT事業への取り組みなども進めていくことが明言された。
■ART MONITORシリーズは発売以来のドライバーユニット全面改良を実施
続いて広報宣伝課 マネージャーの松永貴之氏が登場。今回発表された新製品の概要についてプレゼンテーションを行った。冒頭ではまず昨年発表の「ATH-MSR7」に触れ、「非常に好評をいただき、ハイレゾ人気の高さを改めて実感した」と紹介。こうした状況を背景に、今年刷新された3シリーズについても、それぞれハイレゾ対応モデルを用意したと述べた。
ART MONITORシリーズについて「1994年の発売以来、原音再生をポリシーとするオーディオテクニカの代表モデル」と語った松永氏。発売以来初めてとなるドライバーユニットの全面改良を施したフルモデルチェンジを行ったことを強調。一方で、歴代モデルで培った技術を継承しながらの改良を実施したとのこと。また上位3機種については、メイド・イン・ジャパンにこだわり国内生産が行われたという。
EARSUITシリーズについては、「ビジネススーツにもマッチングするデザイン。高いファッション性と音質を両立しました」と紹介。スマートフォンでもハイレゾが聴けるようになった中で、ビジネスマンが通勤やカフェでハイレゾを始めとするハイクオリティーなサウンド楽しむといったシーンも想定したという。
アナログカートリッジの新製品については、同社が特許を持つVM方式のカートリッジをラインナップ。「レコードが再評価される中で、初めてレコードを触ったという若者、あるいは、もう一度レコード再生を再開したいという方が増えています。こうした方々にもっとアナログレコードを身近に感じていただき、アナログの音質の魅力を知っていただくために、独自方式のVMカートリッジを充実させました」(松永氏)。
■新SOLID BASSは「重低音を犠牲にすることなくハイレゾ対応を果たした」
フルモデルチェンジされた3シリーズのうち、SOLID BASSシリーズについては、企画部 コンシューマー企画課の中村聡氏がプレゼンを行った。
中村氏はSOLID BASSシリーズがiPhone登場直後の2009年に登場したことに触れ、スマートフォンの一般化と共にヘッドホン市場が拡大するなかで、いちやはく重低音ヘッドホン市場を切り開いたのが同シリーズだと紹介した。
「オーディオテクニカは元来、中高域の再現性や解像度の高さに定評がある音作りを行ってきましたが、一方でいちはやく重低音に比重を置いたヘッドホンを開発しました。競合他社も次々に重低音製品を投入してきましたが、その中でもキレのある重低音を実現することで、オーディオテクニカは常に市場の先頭を走ってきました」(中村氏)
そして今回のSOLID BASSでは、ハイレゾの普及を背景に「重低音再生においてもハイレゾの魅力をしっかりと打ち出していく」という提案を打ち出したとのこと。そのために従来のチャンバー機構をやめ、新設計のドライバーを開発することで「重低音を犠牲にすることなくハイレゾ対応を果たした」という。
SOLID BASSのコンセプトにマッチしたアーティストとのタイアップ展開として、降谷建志と[Alexandros]の2組のアーティストとのコラボが行われることが発表された。降谷建志をフィーチャーしたSOLID BASSのプロモーションビデオも紹介された。
■ピーター・バラカンさんがレコードとオーディオテクニカのカートリッジへの愛着を語る
発表会の最後には、ピーター・バラカンさんがゲストとして登場し、司会を務めたサッシャさんを聞き手にトークセッションが行われた。
バラカンさんは自身のラジオ番組のアナログレコード試聴コーナーでもオーディオテクニカのカートリッジを愛用していることも明かしてくれた。またセッションではアナログレコードの魅力をたっぷりと語ってくれたが、CDやストリーミングといったデジタルフォーマットも音楽を聴く重要な手段として捉えていると話し、メディアに拘らずに音楽を楽しむ自身の姿勢も示していた。
「ハイレゾとアナログとCDを比べたら、ダントツで好きなのはアナログの音です。でも聴き比べのイベントを行うと、ハイレゾが1番好きだといお客さんもたくさんいらっしゃいます。人の耳はひとりひとり違うから答えはないですよね」とバラカン氏は語り、アナログとハイレゾの両方に魅力があるという考え方にも共感を示していた。
■ハイレゾもアナログも同じ高音質を実現する手段と考えている
昨年2014年に、ヘッドホン発売から40周年を迎えたオーディオテクニカ。松下社長はヘッドホンを発売した当時を振り返り、「ヘッドホンはその頃、ステレオセットのおまけという性格でした。しかし我々はこうした流れに対してヘッドホンの音質や材質にだわり、Hi-Fi用のヘッドホンもいち早く開発しました。ヘッドホン開発を始めた当初の思いは未だ変わることなく、今日でもヘッドホンユーザーや音楽愛好家のために日々技術を磨いています」と同社のヘッドホンへの変わらぬ姿勢に言及。また、同社が6年連続で日本国内ヘッドホン販売台数1位を獲得したことも紹介された。
また、ハイレゾのムーブメントを背景に、ハイレゾ対応ヘッドホンに対する需要の高まりも感じたとのこと。その中で昨年発表したハイレゾ対応モデル「ATH-MSR7」については、特に市場からの好意的なリアクションと共に、大きな手応えを得たと語った。
松下社長は同社の主要ラインナップである「ART MONITOR」「SOLID BASS」「EARSUIT」の3シリーズのフルモデルチェンジを行うことへの意気込みを語る一方で「アナログ関連製品についてもさらなる拡充を行っていく」とコメント。創業以来同社が手がけてきたカートリッジの新製品も紹介した。
“ハイレゾ対応ヘッドホン”と“アナログカートリッジ”というある意味で対極の新製品を同時に発表することについて、松下社長は「アナログとハイレゾは相反するように思えるかもしれませんが、私たちはどちらも同じ高音質を実現する手段として捉えています。アナログとハイレゾの2つを同時に展開していけることは大きな強みです」とコメントしていた。
同社の様々な取り組みについても紹介。米グラミー賞やサマーソニックなどと共に、リオデジャネイロ・オリンピックにも同社マイクロフォンを提供することを取り上げ、2020年の東京オリンピックに続く新たなビジネスチャンスと捉えていると述べた。
また、現在立て替え中の町田市の同社・新社屋についても言及。「当社は1965年に新宿から町田に本社を移転してから、今年で50年目です。現在立て替え中の新社屋では最新設備を導入し、さらなる技術革新を行ていきます」と述べた。また、さらなるグローバル化、IoT事業への取り組みなども進めていくことが明言された。
■ART MONITORシリーズは発売以来のドライバーユニット全面改良を実施
続いて広報宣伝課 マネージャーの松永貴之氏が登場。今回発表された新製品の概要についてプレゼンテーションを行った。冒頭ではまず昨年発表の「ATH-MSR7」に触れ、「非常に好評をいただき、ハイレゾ人気の高さを改めて実感した」と紹介。こうした状況を背景に、今年刷新された3シリーズについても、それぞれハイレゾ対応モデルを用意したと述べた。
ART MONITORシリーズについて「1994年の発売以来、原音再生をポリシーとするオーディオテクニカの代表モデル」と語った松永氏。発売以来初めてとなるドライバーユニットの全面改良を施したフルモデルチェンジを行ったことを強調。一方で、歴代モデルで培った技術を継承しながらの改良を実施したとのこと。また上位3機種については、メイド・イン・ジャパンにこだわり国内生産が行われたという。
EARSUITシリーズについては、「ビジネススーツにもマッチングするデザイン。高いファッション性と音質を両立しました」と紹介。スマートフォンでもハイレゾが聴けるようになった中で、ビジネスマンが通勤やカフェでハイレゾを始めとするハイクオリティーなサウンド楽しむといったシーンも想定したという。
アナログカートリッジの新製品については、同社が特許を持つVM方式のカートリッジをラインナップ。「レコードが再評価される中で、初めてレコードを触ったという若者、あるいは、もう一度レコード再生を再開したいという方が増えています。こうした方々にもっとアナログレコードを身近に感じていただき、アナログの音質の魅力を知っていただくために、独自方式のVMカートリッジを充実させました」(松永氏)。
■新SOLID BASSは「重低音を犠牲にすることなくハイレゾ対応を果たした」
フルモデルチェンジされた3シリーズのうち、SOLID BASSシリーズについては、企画部 コンシューマー企画課の中村聡氏がプレゼンを行った。
中村氏はSOLID BASSシリーズがiPhone登場直後の2009年に登場したことに触れ、スマートフォンの一般化と共にヘッドホン市場が拡大するなかで、いちやはく重低音ヘッドホン市場を切り開いたのが同シリーズだと紹介した。
「オーディオテクニカは元来、中高域の再現性や解像度の高さに定評がある音作りを行ってきましたが、一方でいちはやく重低音に比重を置いたヘッドホンを開発しました。競合他社も次々に重低音製品を投入してきましたが、その中でもキレのある重低音を実現することで、オーディオテクニカは常に市場の先頭を走ってきました」(中村氏)
そして今回のSOLID BASSでは、ハイレゾの普及を背景に「重低音再生においてもハイレゾの魅力をしっかりと打ち出していく」という提案を打ち出したとのこと。そのために従来のチャンバー機構をやめ、新設計のドライバーを開発することで「重低音を犠牲にすることなくハイレゾ対応を果たした」という。
SOLID BASSのコンセプトにマッチしたアーティストとのタイアップ展開として、降谷建志と[Alexandros]の2組のアーティストとのコラボが行われることが発表された。降谷建志をフィーチャーしたSOLID BASSのプロモーションビデオも紹介された。
■ピーター・バラカンさんがレコードとオーディオテクニカのカートリッジへの愛着を語る
発表会の最後には、ピーター・バラカンさんがゲストとして登場し、司会を務めたサッシャさんを聞き手にトークセッションが行われた。
バラカンさんは自身のラジオ番組のアナログレコード試聴コーナーでもオーディオテクニカのカートリッジを愛用していることも明かしてくれた。またセッションではアナログレコードの魅力をたっぷりと語ってくれたが、CDやストリーミングといったデジタルフォーマットも音楽を聴く重要な手段として捉えていると話し、メディアに拘らずに音楽を楽しむ自身の姿勢も示していた。
「ハイレゾとアナログとCDを比べたら、ダントツで好きなのはアナログの音です。でも聴き比べのイベントを行うと、ハイレゾが1番好きだといお客さんもたくさんいらっしゃいます。人の耳はひとりひとり違うから答えはないですよね」とバラカン氏は語り、アナログとハイレゾの両方に魅力があるという考え方にも共感を示していた。