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公開日 2019/04/08 12:38

ソニー、UHB伝送対応4Kポータブルカメラ「HDC-5500」など2019 NAB Showで発表

デジタルワイヤレスマイクロホン新シリーズなども
編集部:川田菜月
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ソニーは、米ラスベガスにて現地時間4月8日から開催される国際放送機器展「2019 NAB(National Associations of Broadcasters)Show」での出展内容を発表。マルチフォーマットポータブルカメラ「HDC-5500」の発表や、8K×4K構成のCrystal(クリスタル)LEDディスプレイシステムを用いた8K/120p/HDR映像体験など、次世代放送を見据えた新製品やワークフローを幅広く展示するとしている。

カメラの新製品として、ウルトラハイビットレート(UHB)伝送対応で高画質な4K信号の伝送・出力を実現する、マルチフォーマットポータブルカメラ「HDC-5500」を出展する。グローバルシャッター機能付き2/3型3板式4Kイメージセンサーを搭載。4K画像をシリアルデジタル信号として同軸1本のケーブルで12ギガビット/秒の速度で伝送する12G-SDI端子を備えており、カメラ本体からの4K信号出力が可能となる。発売は5月5日で、システム構成により価格は異なるが、参考システム価格は約14,000,000円(税抜)とのこと(製品ニュース)。

UHB伝送対応のマルチフォーマットポータブルカメラ「HDC-5500」、カメラコントロールユニット「HDCU-5500」を発表

同時発売のカメラコントロールユニット「HDCU-5500」(価格2,650,000円/税抜)との組み合わせで、2系統の4K信号を双方向で同時に送受信できるUHB伝送に対応。両機とも従来のHDカメラシステム同様、カメラヘッドからコントロールユニットまで光ファイバーケーブル1本で接続可能で、省スペース化も実現する。

IP Liveプロダクションシステムを中心としたライブソリューションの一つとして、複数機器の統合的な管理・監視を実現するという「Live Element Orchestrator」を発表。これによりスタジオサブシステムや中継車などに設置したカメラやスイッチャーなど、機器の設定や監視を一元的に行う事ができ、放送設備の効率活用をサポートするとしている。接続する機材数や用途にあわせて有償ライセンスも用意、日本でも展開予定。

また同社では、4K HDR/HD HDR/HD SDR映像の同時制作を実現する映像制作ソリューション「SR Live for HDR」を推進しており、映像制作用HD液晶モニターLMD-Aシリーズのアップデートを7月に実施予定。「LMD-A240/LMD-A220/LMD-A170」の3機種において、S-Log3に加えて3つのHDR EOTF対応とし、広色域ITU-R BT.2020と合わせて正しい色再現を実現するとしている。

映像制作現場で採用されるXDCAM メモリーカムコーダー「PXW-FS7M2(FS7II)」「PXW-FS7」の運用スタイルを拡張するオプション製品として、専用アタッチメントキット「CBK-FS7BK」と、マウントアダプター「LA-EB1」を新たに発売する。

CBK-FS7BKでは、ストリーミングやファイル伝送を実現するネットワーク機能やワイヤレスオーディオレシーバーのスロットイン機能を持つ拡張ユニット、ビューファインダー、ショルダーパットを用意し、FS7シリーズを従来のショルダーカムコーダーと同様に運用可能とする。LA-EB1では、FS7シリーズへの放送用B4レンズの装着を可能とする。いずれも日本発売は12月を予定。

映画制作用 “CineAlta” カメラ「VENICE」では、6月実施予定のアップデートで6K 3:2 60fps、4K 2.39:1 120fps、4K 17:9 110fps、4K 4:3 75fpsのハイフレームレート撮影に対応。また、リモコンユニット「RM-B750 (生産完了)」および「RM-B170」や、リモコンパネル「RCP-1501」による遠隔操作にも対応する。

他にも、デジタルオーディオインターフェース対応のデジタルワイヤレスマイクロホン「UWP-Dシリーズ」を出展。「UWP-D21」「UWP-D22」「UWP-D26」の3モデルをラインナップし、別売のマルチインターフェースシュー用アダプターと組み合わせて、XDCAMカムコーダーと連携した高音質伝送などを実現する。送信機部は従来より約20%小型化。周波数設定にはNFC SYNCを採用し、送信/受信機をタッチすることで素早くチャンネル設定が可能となる。日本では8月より順次発売予定、なおUWP-D26の国内販売は無いとのこと。

SxSメモリーカードの新シリーズも登場。SxS PRO Xの「SBP-240F(240GB)/SBP-120F(120GB)」は最大読出速度10Gbps(1250MB/s)を実現。Thunderbolt 3対応のSxSメモリーカードリーダーライター「SBAC-T40」と組み合わせて、ソニー製カムコーダーで記録した240GBの映像データを約3分半でパソコンに転送可能となる。本製品は2019年秋に発売予定。

映像展示では、独自開発のCrystal LEDディスプレイシステムによる上映を実施。昨年同様、約9.7W×5.4Hm/8K×4K構成(約440インチ)の大画面で、8Kカメラシステム「UHC-8300」で撮影したモータースポーツの8K/120p/HDR映像や、「VENICE」で撮影したリオのカーニバル2019の映像などを上映する。

その他、ソリューション展示も多数出展する。主に欧米で展開しているクラウドを活用したソフトウェアベースの映像制作・管理ソリューションとして、報道制作向けクラウドサービス「XDCAM air」、簡易中継ソリューション「Virtual Production」、ネットワーク制作システム「Media Backbone Hive」、コンテンツマネージメントシステム「Media Backbone NavigatorX」、テープ資産向けデジタイズサービス「Memnon」などを展示。なお一部システムは日本展開は未定とのこと。

放送局や教育現場などの映像制作をサポートするソリューションとして、AIを活用した映像制作支援ユニット「REA-C1000」や、新製品の旋回型4Kリモートカメラ「BRC-X400」も展示する。REA-C1000は、接続したカメラ映像をリアルタイムに解析し、特定の被写体の抜き出しや他の映像と組み合わせることも可能。4K/HDの入出力に対応しており、XDCAMカムコーダーや旋回型リモートカメラシステムとの組み合わせ仕様も可能。

BRC-X400は、1/2.5型4K CMOSイメージセンサーと超解像40倍の高倍率ズーム機能を搭載。水平約70度の広角撮影が可能で、映像はSDI/HDMI/IP出力が可能。外部同期やタリーランプ、NDI HXにも対応する。いずれも時期は未定だが、日本展開も予定される。

その他、Eマウントシリーズのフルサイズミラーレス一眼カメラ「α9」やα7シリーズ、スマートフォン最新モデル「Xperia 1」なども展示予定とのこと。同社では,
“映像制作における未来をお客さまとともに追求していく” という意志を込めて、本年の出展テーマを「Powering Today, Transforming Tomorrow」とし、技術力と総合的なソリューション提案を行うとしている。

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