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公開日 2024/11/02 15:33

<ヘッドフォン祭>最上位DAPがポケットサイズに!「A&ultima SP3000M」/木と平面駆動にこだわる「SENDY AUDIO」登場

初お披露目の製品も多数のアユートブースレポート
編集部:成藤正宣
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フジヤエービックが主催する、約80のポータブルオーディオ関連ブランドが集う展示会イベント「秋のヘッドフォン祭2024」が、本日11月2日(土)に東京駅そばのステーションコンファレンス東京にて開催された。本稿では、Astell&Kernや新ブランドSENDY AUDIOなどを取り扱うアユートブースで出展された、さまざまな新製品/開発中の参考出展製品をレポートする。

■ポケットにも楽々入る、最上位DAPの小型化モデル「SP3000M」


Astell&Kernからは、デジタルオーディオプレーヤー(DAP)の新モデル「A&ultima SP3000M」が登場した。フラグシップモデル「A&ultima SP3000」の音質や機能はなるだけそのままに小型軽量化した “フォローアップモデル” と位置付けられている。価格も、SP3000の約66万円から、約40万円程度まで抑えられた。

「A&ultima SP3000M」

SP3000や真空管アンプ搭載タイプの「A&ultima SP3000T」と並べてみると、明らかにひと回り、ふた回り小さい。筐体がアルミ製となったことで、重さも約237gとSP3000の半分以下に。ズボンのポケットにも無理なく入る携帯性を実現している。

「A&ultima SP3000T」(右)と並べると、小型化のぐあいは一目瞭然

その一方で、旭化成エレクトロニクスのDACチップ「AK4499EX」4基とデジタル信号処理チップ「AK4149EQ」2基を搭載し、デジタル/アナログ信号処理を完全に独立させた「HEXAオーディオ回路構造」をそのまま継承。2.5mmバランス出力が無くなるなど一部の違いをのぞき、SP3000とほぼ同等の音質設計や機能性を備えている。

DAPの音質にはこだわりたいが、ポケットに入れて気軽に持ち歩ける機動性も欲しい、というポータブルオーディオユーザーにとっては注目のモデルと言えそうだ。

■DAPと調和するACTIVO×DITAコラボイヤホン「Q1」


Astell&KernのサブブランドACTIVOからは、イヤホン「Q1」が参考出展。DITAブランドと共同開発したコラボレーションモデルとなっており、9.8mmダイナミックドライバーの「PM+」1基とKnowles製BAドライバー1基のハイブリッド構成を採用。DAPの「ACTIVO P1」とマッチするチューニングを行ったそうだ。

DITAとのコラボイヤホン「ACTIVO Q1」と、ACTIVOのDAP「ACTIVO P1」

ダイナミックドライバーはホワイトパウダーコーティングを施した真鍮製チャンバーに格納され、音質だけでなくデザインもP1とのマッチングを重視。ケーブル「MOCCA」も白を基調にまとめ、導体には高級ケーブルブランド・カルダスの超高純度銅を採用している。プラグはDITA独自のAwesome Plug2で3.5mm/4.4mmプラグの着脱交換が可能だ。

■新ブランドSENDY AUDIOは木製ハウジングと平面磁界ドライバーにこだわり


続いて、新規取り扱いを開始した「SENDY AUDIO」。会場では88mmもの大口径プラナーマグネティック(平面磁界型)ドライバーを搭載したフラグシップヘッドホン「Peacock」(予価約22万円)、68mmプラナーマグネティックドライバー搭載の「Apollo」(予価約5.5万円)、ブランドが初めて手掛けたヘッドホン「Aiva」の3モデルを参考展示していた。いずれも11月の発売を見込んでいる。

新たに取り扱いを開始した「SENDY AUDIO」。モデル名は左から、Apollo、Aiva、Peacock

いずれも平面磁界型ドライバーを搭載しており、丁寧に手作業で仕上げられた木製のハウジングがトレードマーク。金属製のグリルも、外観の美しさと音質の両方にこだわってデザインされている。

Peacockには、グリルが金色のバリエーションも

またPeacock、Apolloの2モデルには、独自技術の「QUAD-FORMERテクノロジー」が採用される。通常、平面磁界型の振動板は片面にボイスコイルを貼り付けているのだが、QUAD-FORMERテクノロジーでは振動板の両面にそれぞれ2つずつ、合計4つのボイスコイルを配置。そして振動板を表裏両面からマグネットで挟んでいる。この構造により、大口径の振動板でも均一に歪みなく駆動できるのだそうだ。

SENDY AUDIOヘッドホンに合わせてゆったりリスニングを楽しめるDAC/アンプとして、同社取り扱いブランドBURSON AUDIOから今後登場予定の「Conductor GT4」が用意された

■Maestraudioからまもなく登場、道南杉フェイスプレートイヤホン「MA910SR DC」


Maestraudioでは、北海道南部で採れる天然木・道南杉をフェイスプレートに採用した「MA910SR DC」を参考展示。以前のイベントでも出展されていたが、まもなく発売できる見込みだという。

「MA910SR DC」

木材はただのデザインではなく、内部の反響や空気圧などを調節する音響上の役割も担っており、同ブランドではこれを「SAHP(Sound Absorbing Honeycomb Pores:サープ)テクノロジー」と名付けている。従来モデルに採用していた技術「HDSS」と効果は似ているものの、音のサスティンの伸びや、空間の広さの表現力がより高いとのこと。ドライバーユニットは、10mmダイナミック型と、パッシブ型のセラミックトゥイーター「RST」を1基ずつ搭載する。

今年9月の「東京ゲームショウ2024」でも披露された、開発中のゲーミングイヤホン「MAPro1000-G」も登場。主に格闘ゲームに適したチューニングを施しており、効果音などが聴きやすく迫力あるサウンドになるという。

「MAPro1000-G」

■FiR Audioからイヤホン2機種がサプライズ登場


FiR Audioは、急遽メーカーから届いたという2つのイヤホンをサプライズ的に参考出展。どちらも基本的なチューニングは完成しており、2025年に発売予定だという。

「Project K」は、ブランドの高級ライン “Frontiaシリーズ” に属するハイエンドモデル。ダイナミックドライバー1基/BAドライバー4基のハイブリッド構成で、ハウジングはチタン、フェイスプレートはサファイアガラスを奢り、国内価格も50 - 60万円程度を見込んでいるそうだ。

「Project K」はチタン筐体のハイブリッド型イヤホン

「FR10」は、シングルダイナミックドライバーのイヤホン “Electronシリーズ” の技術を活用したという、およそ6.5万円前後のモデル。10mm径の「エレクトロダイナミックドライバー」や、深く迫力のある低域を再生する「Tactile Bassテクノロジー」といった独自の技術が盛り込まれている。また、MMCXをベースに耐久性を高めた独自のケーブルコネクター「RCX」もユニークな特徴だ。

シングルダイナミック型の「FR10」

MMCXをベースに耐久性を高めたという「RCXコネクター」

■AZLAのUSB-Cイヤホン/イヤーピースなど新製品の一挙試聴も


その他のブランドからも、新製品/参考出展製品が盛りだくさん。AZLAは、FPSゲームやASMRコンテンツに適したチューニングのUSB-Cイヤホン「AIM C」(4400円)、ドイツ製プレミアムLSR素材を使用した “3Dサラウンドサウンド” イヤーピース「SednaEarfit Crystal 2」(2ペア/2750円)など、先月発売の新製品をラインナップ。Androidゲーム端末「AYANEO Pocket S」で体験することもできた。

「Sedna Earfit Crystal 2」

「AYANEO Pocket S」

Empire Earsでは、昨日11月1日に発売となったブランド10周年記念モデル「TRITON Launch Edition」(約33万円)が展示。ダイナミックドライバー1基、BAドライバー1基、骨伝導ドライバー2基の3種類のドライバーユニットを組み合わせたトライブリッド構成で、ケーブルには5つの導体を組み合わせたプレミアムケーブル「Monarch」が同梱している。

「TRITON Launch Edition」

Ultrasoneからは、東京ゲームショウ2024などでも展示されたヘッドホン「Signature FUSION Open Back」が参考出展。既存の密閉型ヘッドホン「Signature FUSION」を開放型ハウジング化しており、音の広がりやヌケ感などが高まっているとのこと。

「Signature FUSION」(左)と「Signature FUSION Open Back」(右)

ハウジングが開放型になり、フォルムも楕円形から円形に近づいた

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