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VR製品の売り文句には、よく「没入感」という言葉が用いられ、仮想空間に本当に飛び込んだかのような感覚が味わえると説明される。それはその通りだが、ではそのとき、身体的な感覚はどうなるだろう。たとえば、仮想空間を満喫しているときに、手の甲を蚊に刺されても、もしかしたら気づかないかもしれない。
ハーバード大学やコロラド大学、セント・ジョージ大学などからなる研究チームは、VRヘッドセットを使って患者を仮想現実の空間に誘うことで痛みの感覚を和らげ、局所麻酔手術に必要な麻酔薬量を減らし、麻酔による潜在的な害を回避できるのではないかと考えている。
これまでに行われた研究では、内視鏡検査や、複雑な創傷包帯の交換作業などにおいて、鎮痛剤の代わりとしてVRがある程度有効であることが証明されている。一方で整形外科手術のような、より大きな処置になると、VRによる鎮痛効果はあまりうまく効果を発揮していない。
今回の研究では、鎮痛剤のプロポフォールを用いた全身麻酔での処置が主流になりつつある、手の外科手術を受ける34人の患者を対象に、2つのグループに分けて実験を行った。
2つのグループの片方は通常の局所麻酔のみ、もう片方は局所麻酔に加えて手術中にVRゴーグルを装着し、患者自らリラックスできると考えて選んだ「山の頂上」や「草原」「森林」などといった360度の風景に入ってもらった。
両グループとも手術の最初は局所麻酔だけで開始し、患者はいつでも辛いと感じたら局所麻酔量を増やしたり、全身麻酔に移行できるようにした。すると、VRを使用したグループでは17人中わずか4人しか麻酔の増量を希望しなかったのに対し、通常の手術のグループは全員が全身麻酔に移行した。
最終的にVRグループは、通常のグループより平均して22分早く、手術後の集中ケアから抜けることができたという。
麻酔薬の使用量が多くなると、術後に呼吸不全を引き起こすなどのリスクが高くなる。そのため、VRの活用によって手術中の麻酔薬量を抑えることは、患者にとっても、病院にとってもメリットがあるといえそうだ。
Source: Plos One
via: Eurek Alert, New Atlas
ハーバード大学やコロラド大学、セント・ジョージ大学などからなる研究チームは、VRヘッドセットを使って患者を仮想現実の空間に誘うことで痛みの感覚を和らげ、局所麻酔手術に必要な麻酔薬量を減らし、麻酔による潜在的な害を回避できるのではないかと考えている。
これまでに行われた研究では、内視鏡検査や、複雑な創傷包帯の交換作業などにおいて、鎮痛剤の代わりとしてVRがある程度有効であることが証明されている。一方で整形外科手術のような、より大きな処置になると、VRによる鎮痛効果はあまりうまく効果を発揮していない。
今回の研究では、鎮痛剤のプロポフォールを用いた全身麻酔での処置が主流になりつつある、手の外科手術を受ける34人の患者を対象に、2つのグループに分けて実験を行った。
2つのグループの片方は通常の局所麻酔のみ、もう片方は局所麻酔に加えて手術中にVRゴーグルを装着し、患者自らリラックスできると考えて選んだ「山の頂上」や「草原」「森林」などといった360度の風景に入ってもらった。
両グループとも手術の最初は局所麻酔だけで開始し、患者はいつでも辛いと感じたら局所麻酔量を増やしたり、全身麻酔に移行できるようにした。すると、VRを使用したグループでは17人中わずか4人しか麻酔の増量を希望しなかったのに対し、通常の手術のグループは全員が全身麻酔に移行した。
最終的にVRグループは、通常のグループより平均して22分早く、手術後の集中ケアから抜けることができたという。
麻酔薬の使用量が多くなると、術後に呼吸不全を引き起こすなどのリスクが高くなる。そのため、VRの活用によって手術中の麻酔薬量を抑えることは、患者にとっても、病院にとってもメリットがあるといえそうだ。
Source: Plos One
via: Eurek Alert, New Atlas