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公開日 2024/03/22 12:10
YouTubeグローバル担当者、音楽産業における生成AIの可能性を語る。「クリエイターの想像力を広げる手助けができる」
YouTube Music AIインキュベーターが日本でも始動
Youtubeは、昨年夏に始動した「YouTube Music AIインキュベーター」プログラムを日本でも開始することを発表した。本件の記者発表会がGoogle日本法人オフィスにおいて開催され、Google&YouTube 音楽部門グローバル責任者のリオ・コーエン氏も登場し、生成AIの音楽産業における可能性について語った。
YouTube Music AIインキュベーターとは、アーティストや作詞・作曲家、プロデューサー等といったクリエイターが、生成AIを活用して音楽制作を行うための意見交換の場となる。GoogleのDeepMindが開発した音楽の制作やアレンジ、スタイルなどを細かく設定できる音楽生成モデル「Lyria」への早期アクセスも可能で、AIによる新たな音楽制作を実際に行いながら、どのような可能性や課題があるかを探っていく。日本での始動にあたり、初音ミクを開発したクリプトン・フューチャー・メディアがパートナーとして加わった。
リオ・コーエン氏は音楽産業に40年に渡り関わってきた人物。ワーナーミュージックグループのレコードミュージック部門のCEOを務め、ヒップホップレーベル「300 Entertainment」の立ち上げにも関わり、新世代のアーティストの育成にも力を注いできた。RUN DMCやビースティ・ボーイズの日本ツアーのマネージメントで来日したこともあるという。
「2017年に来日した時には、トップ50に入るアーティストのうち、YouTubeに音楽を公開しているのは半分くらいでした。2019年にはそれが80%となり、いまやほとんどすべてのアーティストがYouTubeに音楽を公開しています」とYouTubeの発展について言及。「デジタル変革によって日本の音楽市場が壊されるかもしれない、という懸念もありましたが、現実にはフィジカルの売り上げはデジタルと同じように成長しています」と、YouTubeが日本の音楽産業に果たしてきた役割をアピールする。
さらに、音楽産業における次世代の変化は生成AIによってもたらされると強調する。生成AIの可能性についてコーエン氏は「クリエイターが楽曲制作することが容易になる」ことと、「ファンが音楽に参加することが容易になる」という2点を重視しているという。
前者については、生成AIが人間のクリエイティビティを高めることに役立つと解説。「Lyria」の具体例として公開されたのは、鼻歌を歌うと、そのメロディがそのままサックスのメロディとして生成されるというもの。「アーティストやクリエイターの想像力を広げる手助けができる」と説明する。
また後者については、ファンとクリエイターの深いコネクションを作ることを重視しているという。「かつては、音楽というのはレコードを置いてソファでくつろぎながら楽しむものでした。それは私たちの世代にとって最初の音楽体験です。ですが、いまの世代はより “参加したい” という思いを持っているように感じています。それを助けるのが生成AIの役割と考えています」。
そして、クリプトン・フューチャー・メディアがYouTube Music AIインキュベーターに加わったことについて、「文化や世代を超えた多様性が生まれるでしょう」と期待を寄せる。一方で、「今後生成AIのパワーやクリエイティビティをどのようにコントロールするかという課題も生まれています」と語り、YouTubeがクリエイターとファン双方にとって素晴らしい場所になるべく努力を続けていく、と今後の展望を語った。
なお、記者からの「生成AIに学習させる音楽はどのようなものがありますか?」という問いに対しては、「さまざまな音楽を学習させています」と言及するにとどまった。
YouTube Music AIインキュベーターとは、アーティストや作詞・作曲家、プロデューサー等といったクリエイターが、生成AIを活用して音楽制作を行うための意見交換の場となる。GoogleのDeepMindが開発した音楽の制作やアレンジ、スタイルなどを細かく設定できる音楽生成モデル「Lyria」への早期アクセスも可能で、AIによる新たな音楽制作を実際に行いながら、どのような可能性や課題があるかを探っていく。日本での始動にあたり、初音ミクを開発したクリプトン・フューチャー・メディアがパートナーとして加わった。
リオ・コーエン氏は音楽産業に40年に渡り関わってきた人物。ワーナーミュージックグループのレコードミュージック部門のCEOを務め、ヒップホップレーベル「300 Entertainment」の立ち上げにも関わり、新世代のアーティストの育成にも力を注いできた。RUN DMCやビースティ・ボーイズの日本ツアーのマネージメントで来日したこともあるという。
「2017年に来日した時には、トップ50に入るアーティストのうち、YouTubeに音楽を公開しているのは半分くらいでした。2019年にはそれが80%となり、いまやほとんどすべてのアーティストがYouTubeに音楽を公開しています」とYouTubeの発展について言及。「デジタル変革によって日本の音楽市場が壊されるかもしれない、という懸念もありましたが、現実にはフィジカルの売り上げはデジタルと同じように成長しています」と、YouTubeが日本の音楽産業に果たしてきた役割をアピールする。
さらに、音楽産業における次世代の変化は生成AIによってもたらされると強調する。生成AIの可能性についてコーエン氏は「クリエイターが楽曲制作することが容易になる」ことと、「ファンが音楽に参加することが容易になる」という2点を重視しているという。
前者については、生成AIが人間のクリエイティビティを高めることに役立つと解説。「Lyria」の具体例として公開されたのは、鼻歌を歌うと、そのメロディがそのままサックスのメロディとして生成されるというもの。「アーティストやクリエイターの想像力を広げる手助けができる」と説明する。
また後者については、ファンとクリエイターの深いコネクションを作ることを重視しているという。「かつては、音楽というのはレコードを置いてソファでくつろぎながら楽しむものでした。それは私たちの世代にとって最初の音楽体験です。ですが、いまの世代はより “参加したい” という思いを持っているように感じています。それを助けるのが生成AIの役割と考えています」。
そして、クリプトン・フューチャー・メディアがYouTube Music AIインキュベーターに加わったことについて、「文化や世代を超えた多様性が生まれるでしょう」と期待を寄せる。一方で、「今後生成AIのパワーやクリエイティビティをどのようにコントロールするかという課題も生まれています」と語り、YouTubeがクリエイターとファン双方にとって素晴らしい場所になるべく努力を続けていく、と今後の展望を語った。
なお、記者からの「生成AIに学習させる音楽はどのようなものがありますか?」という問いに対しては、「さまざまな音楽を学習させています」と言及するにとどまった。