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公開日 2013/05/30 09:42

JVC「GC-P100」レビュー − 操作感も映像も“高揚”を感じさせてくれるムービーカメラ

36Mbps/60pや高速/低速撮影に対応
取材・執筆/会田 肇
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左手でカメラ本体をホールドしながら、右手をレンズに添えて撮影する。GC-P100は、そんな本格的シューティングスタイルのビデオカメラだ。そのデザインはかなり独特で、一見するとデジタル一眼カメラにも見えなくもない。ただ、右手で操作するズームキーやトリガースイッチはビデオカメラっぽいし、その一方で回転式モード切り替えは一眼カメラっぽさを感じさせる。「iAUTO」によるフルオート撮影も可能だが、こうした操作スイッチを使いこなすことで豊かな映像表現を実現できるのも大きなポイントなのだ。

一見すると一眼カメラのようにも見えるビデオカメラ・JVC GC-P100

片手でも撮影は可能だが、安定した撮影をするには右手を添えるのがベスト

そのための操作系はかなりこだわって作られている。回転式モード切り替えでは撮影モードが瞬時に切り替えられ、調整はレンズ横にあるEXPOSUREボタンや回転ダイヤルなどで行う。たとえばF値を変えることで背景ボケをコントロールできるし、±補正を行えば白飛びなどを意識的に抑えられる。いくらインテリジェント化が進んでも、被写体の陰影感までもこだわって表現するのには対応しきれない。こうした操作が気軽に行えることこそ、本機ならではの魅力なのだ。

レンズ上にはステレオマイクと、それを挟んでコールドシューが備わる

撮影速度や露出、シャッタースピードなどがコントロールできるダイヤル

モニターはタッチパネル機能付きの角度可変式3型で、画素数は46万とやや少なめ。反射も屋外撮影ではややキツメだった。ただ、本機には北米仕様では別売となっていたEVFが標準で備え、これを使えば明るい屋外でも十分対応できる。レンズはJVCの高級機であるGZ-G5と同じ開放絞り値がF1.2〜2.8の明るい「F1.2 JVC GTレンズ」を搭載。特殊低分散ガラスと複数の非球面レンズを効果的に配置し、収差を抑えることで解像力があり、鮮明な描写力を発揮する。もちろん虹彩絞りも採用する。

GC-P100の背面。ファインダーは標準で付属するが角度は固定

モニターの画素数は46万ドット。上方向に90度まで角度可変できる


レンズからモニターまで一直線で構成されるため、シューティングはしやすい

バッテリーとメモリーカードはモニターの裏側にセットする
なかでも驚くのが記録ビットレートの高さだ。AVCHDの規格を超える36Mbpsという、家庭用では最高水準の高画質録画を実現。プログレッシブ記録にも対応していて、スロー再生でもブレの少ない高品質な録画が可能となる。記録された映像はキレがあり、奥行き感も十分感じ取れ、その描写力の高さに改めて驚かされる。発色はやや控えめだが、映像表現にこだわれば、むしろこのぐらいが好ましいと感じられるはずだ。

見逃せない機能がMP4録画時に使えるタイムコントロール機能だ。120fps〜600fpsのハイスピード撮影が可能になり、動きの速いシーンを手軽にスローモーション再生できる。操作はごく簡単で、MP4モードでレンズ横の「TIME CONTROL」を押し、回転ダイヤルで撮影速度を調整するだけ。なお、解像度は撮影速度が高速度になるに従い落ちていく(120fpsで640×360/600fpsで320×176)。また、これとは別に長時間にわたるシーンを短時間で再生できるタイプラプス機能も備える。

動画記録は、AVCHDのほか、MP4/MOV/iFlameの4形式に対応

ハイスピード撮影の調整画面。120fps〜600fpsで撮影でき、記録時間は最大3分(600fps時)


風に揺れるラベンダーを60pで撮影。ブレることなくキャプチャーできた

レンズに虹彩絞りを採用したことでボケ味はかなりキレイだ


レンズの高い描写力を実感できる映像。細部まで鮮明に映し出し、奥行き感も十分

虹彩絞りが美しい木漏れ日を表現。レンジ幅が広いため、雰囲気たっぷりの映像が撮れた


夜景を撮影してもコントラストが落ちることなくクッキリと映し出す

600fpsで撮影。解像度が320×176となるため、大画面テレビでは様子が分かる程度
惜しいのは北米仕様(GC-PX100)にあるWi-Fi機能が非搭載となっていること。この機能に対応するスマホ/タブレット用アプリ「JVC CAM Coach」を使えば、iPadなどに撮影した動画を転送して2つの動画を同時に再生してフォームチェックなどに役立てられたのだ。日本ではそういった使い方が熟していないと判断されたのかもしれない。とはいえ、本機で捉えられる映像は撮影する気持ちを高揚させるに充分な実力を感じられるもの。映像表現にこだわりたいと思うならぜひ使ってみて欲しい一台だ。

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