公開日 2014/09/24 11:05
東芝初のウェアラブル端末「WERAM1100」から考える“ウェアラブル”の未来
<山本敦のAV進化論 第26回>開発者に製品の詳細と展望を訊く
東芝がリストバンド型のウェアラブル端末「WERAM1100」を発売した(関連ニュース)。本誌読者にとって東芝といえば液晶テレビ“REGZA”がお馴染みだろうが、その東芝がコンシューマー向けにウェアラブル端末を自社ブランドで展開してきた。その戦略の意図を開発者に訊ね、新製品の特徴を掘り下げてみた。
今回のインタビューに答えていただいたのは、WERAM1100の商品開発を統括する(株)東芝 ヘルスケア社 ウェルネス推進部 デジタルヘルス事業開発部 センサー・フュージョンデバイス開発第一担当 担当部長の橋本和則氏だ。
■東芝初のコンシューマー向けリストバンド型ウェアラブル端末
東芝ヘルスケア社は今年7月に設立された東芝の新しい社内カンパニーだ。東芝のグループ内に分散していたヘルスケア関連事業を統合し、技術の融合を進めながら、従来からの強みである医療現場向けのCT装置など画像診断システムに加えて、病気の「診断・治療・予防」、病気や怪我の治癒後をサポートする「予後・介護」、そして「健康増進」の分野を軸に、BtoB、BtoCの両フィールドで事業を展開していくのがヘルスケア社の役割だ。
同社では「病気にならないからだづくり」を促進するため、体の情報を独自のセンシング技術で把握するための製品としてウェアラブル端末を位置付けている。WERAM1100に先行する製品の事例としては、体に貼り付けて心電位/脈波/体動/皮膚温などを測定する医療向け生体センサー「Silmee(シルミー) Bar type」がBtoB向けに開発・展開されている。より広く、コンシューマー向けに展開するものとしては、今回のリストバンド型「WERAM1100」が初めての商品だ。
「当社ではヘルスケアという概念を広い観点から捉えながら、東芝が取り組む様々なフィールドのノウハウを投入したウェアラブル端末をつくり、ユーザーに健康を届けるためのものづくりをテーマとしています。その一環として今回商品化した製品がWERAM1100です」(橋本氏)。
東芝がウェアラブル端末を発売したと聞いて、当初意外に感じたが、実際には既に、東芝にはコンシューマー向けのウェアラブル端末に関する豊富な実績とノウハウがあったのだ。今年の1月にはドコモ・ヘルスケアとのパートナーシップにより、リストバンド型活動量計「ムーヴバンド」も発売している。また、2013年3月には楽天とともに、女性向けの美容・健康アプリサービス「楽天キレイ℃ナビ(キレイドナビ)」も提供を始めていた。これらの実績をもとに、さらに自社ブランドからコンシューマー向け端末を発売した狙いを橋本氏はこう語る。
「ヘルスケアのビジネスに注力していくうえでは、コンシューマーに向けてブランドの技術やサービスを直接アピールできる製品が必要と考えました。昨今のデジタルギアのトレンドがウェアラブルに向かいつつあることからも、今回は手軽に身につけていただけるリストバンド型の商品から投入しました」(橋本氏)。
■どんなことができる? 他社製品との違いは?
確かにいまリストバンド型や腕時計型をはじめ、国内外のブランドから様々なタイプのウェアラブル端末が商品化され、脚光を浴びている。AV機器の大手ブランドからはスマートフォン製品のコンパニオンプロダクトとしてウェアラブル端末が発売されていたり、スポーツ系の大手ブランドが発売するフィットネス系の機能に注力したウェアラブル端末も人気を集めている。そしてご存知の通り、アップルも来年に腕時計型端末「Apple Watch」を発売することを明らかにしている。強力なライバルたちがひしめき合うウェアラブル市場に参入するにあたって、東芝はどのような独自性を打ち出していくのだろうか。
今回のインタビューに答えていただいたのは、WERAM1100の商品開発を統括する(株)東芝 ヘルスケア社 ウェルネス推進部 デジタルヘルス事業開発部 センサー・フュージョンデバイス開発第一担当 担当部長の橋本和則氏だ。
■東芝初のコンシューマー向けリストバンド型ウェアラブル端末
東芝ヘルスケア社は今年7月に設立された東芝の新しい社内カンパニーだ。東芝のグループ内に分散していたヘルスケア関連事業を統合し、技術の融合を進めながら、従来からの強みである医療現場向けのCT装置など画像診断システムに加えて、病気の「診断・治療・予防」、病気や怪我の治癒後をサポートする「予後・介護」、そして「健康増進」の分野を軸に、BtoB、BtoCの両フィールドで事業を展開していくのがヘルスケア社の役割だ。
同社では「病気にならないからだづくり」を促進するため、体の情報を独自のセンシング技術で把握するための製品としてウェアラブル端末を位置付けている。WERAM1100に先行する製品の事例としては、体に貼り付けて心電位/脈波/体動/皮膚温などを測定する医療向け生体センサー「Silmee(シルミー) Bar type」がBtoB向けに開発・展開されている。より広く、コンシューマー向けに展開するものとしては、今回のリストバンド型「WERAM1100」が初めての商品だ。
「当社ではヘルスケアという概念を広い観点から捉えながら、東芝が取り組む様々なフィールドのノウハウを投入したウェアラブル端末をつくり、ユーザーに健康を届けるためのものづくりをテーマとしています。その一環として今回商品化した製品がWERAM1100です」(橋本氏)。
東芝がウェアラブル端末を発売したと聞いて、当初意外に感じたが、実際には既に、東芝にはコンシューマー向けのウェアラブル端末に関する豊富な実績とノウハウがあったのだ。今年の1月にはドコモ・ヘルスケアとのパートナーシップにより、リストバンド型活動量計「ムーヴバンド」も発売している。また、2013年3月には楽天とともに、女性向けの美容・健康アプリサービス「楽天キレイ℃ナビ(キレイドナビ)」も提供を始めていた。これらの実績をもとに、さらに自社ブランドからコンシューマー向け端末を発売した狙いを橋本氏はこう語る。
「ヘルスケアのビジネスに注力していくうえでは、コンシューマーに向けてブランドの技術やサービスを直接アピールできる製品が必要と考えました。昨今のデジタルギアのトレンドがウェアラブルに向かいつつあることからも、今回は手軽に身につけていただけるリストバンド型の商品から投入しました」(橋本氏)。
■どんなことができる? 他社製品との違いは?
確かにいまリストバンド型や腕時計型をはじめ、国内外のブランドから様々なタイプのウェアラブル端末が商品化され、脚光を浴びている。AV機器の大手ブランドからはスマートフォン製品のコンパニオンプロダクトとしてウェアラブル端末が発売されていたり、スポーツ系の大手ブランドが発売するフィットネス系の機能に注力したウェアラブル端末も人気を集めている。そしてご存知の通り、アップルも来年に腕時計型端末「Apple Watch」を発売することを明らかにしている。強力なライバルたちがひしめき合うウェアラブル市場に参入するにあたって、東芝はどのような独自性を打ち出していくのだろうか。