ニュース
HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2018/01/13 10:00
メニューのチラつき問題を抑制
細かすぎて伝わらない(かもしれない)Ultra HD Blu-ray バージョン 3.2の仕様変更
編集部:風間雄介
20世紀フォックス、パナソニック、サムスンの3社によって、HDRの新規格「HDR10+」が作られ、現在はロゴライセンスを許可する画質認証基準の最終検討中となっている。
このHDR10+、すでにNDAを取り交わしているハードメーカー、ソフトメーカー、配信業者などは数多いとのことで、すでに25社以上がライセンス取得に興味を表明しているとのこと。これらの会社からは「早くライセンスを始めてほしい」と催促されている状況なのだという。
さて、このHDR10+は、Ultra HD Blu-ray(UHD BD)とビデオ配信サービスのどちらにも使われる。UHD BDはディスクフォーマットなので、ディスクメディアと再生機器の両方が存在し、再生互換性について十分ケアしなければならない。事前に規格として認証される必要がある。
たとえばアップルのiTunesのように、プロプライエタリなサービス体系であれば、サイレントアップデートによって「ある日、いつの間にか利用可能になっていた」こともあり得るが、UHD BDは違うのだ。
このような背景から、今回UHD規格のマイナー更新版、バージョン3.2が規格化され、2017年末に公開された。
バージョン3.2の主な変更点として、HDR10+がオプション規格として追加された。HDRの規格としては4つ目となる。
またPhilipsのHDR方式が、「SL-HDR2」方式として、ETSI(European Telecommunications Standards Institute)で標準化されたため、バージョン3.2では参照先をSL-HDR2方式に変更した。
さらに、ドルビービジョンでマルチアングル機能がサポートされた。これはこれまでのバージョンでの不備を直したものとのことで、ランゲージクレジットなどで使用するマルチアングル機能がドルビービジョンでは非対応だったため、これをサポートした。
■ダイナミックHDRのメニューちらつき問題を抑制
更新内容はこれだけではない。ドルビービジョンを含むすべてのダイナミックHDRに共通の機能として、トーンマッピング制御機能がオプションで追加されたのだ。
これは、2017年6月頃にドルビービジョンを採用したUHD BD機器やタイトルが発売されてから、特定コンテンツや機器で、ダイナミックメタデータを使ったHDRに特有の表示上の問題が発生したことを受けたもの。具体的には、ポップアップメニューでチラつきが発生する現象だ。この問題を受け、スタジオの要望によって、BDAではダイナミックHDR検討のタスクフォースを設置し、今回の対策につながった。
このチラつきをかんたんに説明すると、ポップアップメニューの領域にも本編とおなじトーンマッピングを行ってしまうと、ポップアップメニューが不自然なほど明るく表示されたり、逆に暗く表示されたりする問題のことを指している。
たとえばピーク輝度100nits程度の本編映像をテレビにあわせてトーンマップしたとする。その状態のままポップアップメニューを表示すると、ポップアップメニュー画面の明るい部分が白飛びしてしまうのだ。その逆のケースもあって、仮にピーク輝度1,000nitsのメタデータを使ってマッピングした場合、メニュー全体が暗くなる。
今回オプションで追加されたトーンマッピング制御機能では、ディスクに記録されたナビゲーションコマンドにより、ポップアップメニュー表示の有無を機器側に通知する。
通知を受けたプレーヤー機器側は、ポップアップメニューが表示されているあいだはダイナミックHDRのメタデータを使用せず、HDR10などスタティックメタデータを利用する。これによってチラつきを抑えることができる。
なおバージョン3.2は、バージョン3.1と完全な下位互換性を持っている。つまり、バージョン3.1の対応機器で、バージョン3.2対応ディスクを問題なく再生できることになる。この場合、もしディスクがHDR10+対応コンテンツだとしても、HDR10として再生可能。さらに上述のトーンマップ制御機能は働かない。
さらにバージョン3.2対応機器では、バージョン3.1対応ディスクを問題なく再生できる。
たかがポップアップメニューと考える方もいるかもしれないが、ポップアップメニューの明るさが頻繁に変わると、視聴体験の質が下がってしまう。地味ながら実用的なアップデートとして歓迎したい。
このHDR10+、すでにNDAを取り交わしているハードメーカー、ソフトメーカー、配信業者などは数多いとのことで、すでに25社以上がライセンス取得に興味を表明しているとのこと。これらの会社からは「早くライセンスを始めてほしい」と催促されている状況なのだという。
さて、このHDR10+は、Ultra HD Blu-ray(UHD BD)とビデオ配信サービスのどちらにも使われる。UHD BDはディスクフォーマットなので、ディスクメディアと再生機器の両方が存在し、再生互換性について十分ケアしなければならない。事前に規格として認証される必要がある。
たとえばアップルのiTunesのように、プロプライエタリなサービス体系であれば、サイレントアップデートによって「ある日、いつの間にか利用可能になっていた」こともあり得るが、UHD BDは違うのだ。
このような背景から、今回UHD規格のマイナー更新版、バージョン3.2が規格化され、2017年末に公開された。
バージョン3.2の主な変更点として、HDR10+がオプション規格として追加された。HDRの規格としては4つ目となる。
またPhilipsのHDR方式が、「SL-HDR2」方式として、ETSI(European Telecommunications Standards Institute)で標準化されたため、バージョン3.2では参照先をSL-HDR2方式に変更した。
さらに、ドルビービジョンでマルチアングル機能がサポートされた。これはこれまでのバージョンでの不備を直したものとのことで、ランゲージクレジットなどで使用するマルチアングル機能がドルビービジョンでは非対応だったため、これをサポートした。
■ダイナミックHDRのメニューちらつき問題を抑制
更新内容はこれだけではない。ドルビービジョンを含むすべてのダイナミックHDRに共通の機能として、トーンマッピング制御機能がオプションで追加されたのだ。
これは、2017年6月頃にドルビービジョンを採用したUHD BD機器やタイトルが発売されてから、特定コンテンツや機器で、ダイナミックメタデータを使ったHDRに特有の表示上の問題が発生したことを受けたもの。具体的には、ポップアップメニューでチラつきが発生する現象だ。この問題を受け、スタジオの要望によって、BDAではダイナミックHDR検討のタスクフォースを設置し、今回の対策につながった。
このチラつきをかんたんに説明すると、ポップアップメニューの領域にも本編とおなじトーンマッピングを行ってしまうと、ポップアップメニューが不自然なほど明るく表示されたり、逆に暗く表示されたりする問題のことを指している。
たとえばピーク輝度100nits程度の本編映像をテレビにあわせてトーンマップしたとする。その状態のままポップアップメニューを表示すると、ポップアップメニュー画面の明るい部分が白飛びしてしまうのだ。その逆のケースもあって、仮にピーク輝度1,000nitsのメタデータを使ってマッピングした場合、メニュー全体が暗くなる。
今回オプションで追加されたトーンマッピング制御機能では、ディスクに記録されたナビゲーションコマンドにより、ポップアップメニュー表示の有無を機器側に通知する。
通知を受けたプレーヤー機器側は、ポップアップメニューが表示されているあいだはダイナミックHDRのメタデータを使用せず、HDR10などスタティックメタデータを利用する。これによってチラつきを抑えることができる。
なおバージョン3.2は、バージョン3.1と完全な下位互換性を持っている。つまり、バージョン3.1の対応機器で、バージョン3.2対応ディスクを問題なく再生できることになる。この場合、もしディスクがHDR10+対応コンテンツだとしても、HDR10として再生可能。さらに上述のトーンマップ制御機能は働かない。
さらにバージョン3.2対応機器では、バージョン3.1対応ディスクを問題なく再生できる。
たかがポップアップメニューと考える方もいるかもしれないが、ポップアップメニューの明るさが頻繁に変わると、視聴体験の質が下がってしまう。地味ながら実用的なアップデートとして歓迎したい。