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公開日 2018/01/14 12:31
完全ワイヤレスイヤホンのための新SoC「QCC5100」発表
<CES>クアルコム担当者に聞いた、「完全ワイヤレスイヤホンに革命をもたらす新チップ」とは
山本 敦
クアルコムは2018年のCES開催のタイミングに合わせて、ワイヤレスイヤホンをはじめとするポータブルオーディオ機器の利便性を向上させる新しいBluetoothオーディオのためのSoC(システム化されたICチップ)を発表した。
今回は米クアルコムで同技術を担当するプロダクトマーケティング シニア・ディレクターのクリス・ハーヴェル氏を訪ね、新しいSoCが実現した革新の内容と、これからのワイヤレスオーディオの音質やハンドリングの向上にどのような役割を果たすことになるのか詳細をうかがった。
ほかにも、クアルコムがCESに出展したブースで見つけることができたオーディオのIoTに関わるソリューションも合わせて本稿でご紹介したい。
今回のテーマになるのは、アメリカでも今年さらに人気が高まることが予想される左右独立の完全ワイヤレスイヤホンにも関連する、Bluetooth機器向けの低消費電力SoC「QCC5100」だ。まずはこのチップが開発された背景をハーヴェル氏にうかがった。
「日本やアジアで火が付いたハイレゾオーディオの魅力がいよいよ欧米にも浸透しはじめて、グローバルなトレンドになりつつあります。24bitの高音質再生に対応することで、各社は製品の差別化が可能になります。あるいはBluetooth対応のポータブルオーディオ機器を使う方にとって、音質だけでなくペアリングしたスマホのアプリ連携による便利な機能が使えたり、内蔵するセンサーによって快適な操作ができることなど、リスニング体験全体への関心も高まっています」。
「特にANC(アクティブ・ノイズキャンセリング)機能や、AIアシスタントと連携するための音声インターフェースの機能は、これからのトレンドとして大いに注目されています。スマートスピーカーだけでなく、イヤホンのようにパーソナルなデバイスにこれらのフィーチャーが欲しいという期待に応えていくことも含めて、これらの機能をすべて1つの製品で実現するためのパワフルなSoCを目標に開発を進めてきました」。
このQCC5100を開発するに当たって、最も重視してきたことのひとつは駆動時の消費電力を下げることだったという。ハーヴェル氏が例に挙げた機能をひとまとめにして、イヤホンのように小型のデバイスに入れ込むとなると、通常であればバッテリーの容量・駆動時間とのトレードオフは避けがたい。クアルコムでは現行のBluetoothオーディオ向けのSoCである「CSR8670」と比べて、新たなQCC5100では最大65%の省電力化を果たしたことを発表している。なぜこのようなことが可能になったのだろうか。
「QCC5100は一つのチップにAD・DAコンバーター、DSPとマイクロサイズのCPU、Bluetooth信号伝送に必要な送受信機や電源管理の回路などを統合しています。今回の新しいチップでは全てのコンポーネントを入れ替えて、アーキテクチャにも変更を加えています。
さらに従来はSoCを構成するすべてのブロックに対して一定に電源を供給していたパワーマネジメントに見直しています。新しいチップでは、ひとつのタスクに対して電源を必要としないブロックには供給を行わないことでセット全体の電力消費を大幅に下げることに成功しています
例えば、現行のCSR8670に搭載されているDSPは一律80MHzで駆動していますが、最新のチップに搭載されているクアルコムのデュアルコアDSP『Kalimba』では2MHzから120MHzまで、タスクに応じて処理速度をスケーラブルに変えることができます。CSRとクアルコムが互いのオーディオに関連する設計のノウハウ、リソースを効率よく共有できる体制が整ってきたことでブレークスルーを実現しています」。
最新のSoCであるQCC5100ではバッテリーマネジメントの高効率化だけでなく、ペアリングされた機器どうしの接続性も改善されるという。このあたりの詳しい内容をハーヴェル氏に聞いてみた。
今回は米クアルコムで同技術を担当するプロダクトマーケティング シニア・ディレクターのクリス・ハーヴェル氏を訪ね、新しいSoCが実現した革新の内容と、これからのワイヤレスオーディオの音質やハンドリングの向上にどのような役割を果たすことになるのか詳細をうかがった。
ほかにも、クアルコムがCESに出展したブースで見つけることができたオーディオのIoTに関わるソリューションも合わせて本稿でご紹介したい。
今回のテーマになるのは、アメリカでも今年さらに人気が高まることが予想される左右独立の完全ワイヤレスイヤホンにも関連する、Bluetooth機器向けの低消費電力SoC「QCC5100」だ。まずはこのチップが開発された背景をハーヴェル氏にうかがった。
「日本やアジアで火が付いたハイレゾオーディオの魅力がいよいよ欧米にも浸透しはじめて、グローバルなトレンドになりつつあります。24bitの高音質再生に対応することで、各社は製品の差別化が可能になります。あるいはBluetooth対応のポータブルオーディオ機器を使う方にとって、音質だけでなくペアリングしたスマホのアプリ連携による便利な機能が使えたり、内蔵するセンサーによって快適な操作ができることなど、リスニング体験全体への関心も高まっています」。
「特にANC(アクティブ・ノイズキャンセリング)機能や、AIアシスタントと連携するための音声インターフェースの機能は、これからのトレンドとして大いに注目されています。スマートスピーカーだけでなく、イヤホンのようにパーソナルなデバイスにこれらのフィーチャーが欲しいという期待に応えていくことも含めて、これらの機能をすべて1つの製品で実現するためのパワフルなSoCを目標に開発を進めてきました」。
このQCC5100を開発するに当たって、最も重視してきたことのひとつは駆動時の消費電力を下げることだったという。ハーヴェル氏が例に挙げた機能をひとまとめにして、イヤホンのように小型のデバイスに入れ込むとなると、通常であればバッテリーの容量・駆動時間とのトレードオフは避けがたい。クアルコムでは現行のBluetoothオーディオ向けのSoCである「CSR8670」と比べて、新たなQCC5100では最大65%の省電力化を果たしたことを発表している。なぜこのようなことが可能になったのだろうか。
「QCC5100は一つのチップにAD・DAコンバーター、DSPとマイクロサイズのCPU、Bluetooth信号伝送に必要な送受信機や電源管理の回路などを統合しています。今回の新しいチップでは全てのコンポーネントを入れ替えて、アーキテクチャにも変更を加えています。
さらに従来はSoCを構成するすべてのブロックに対して一定に電源を供給していたパワーマネジメントに見直しています。新しいチップでは、ひとつのタスクに対して電源を必要としないブロックには供給を行わないことでセット全体の電力消費を大幅に下げることに成功しています
例えば、現行のCSR8670に搭載されているDSPは一律80MHzで駆動していますが、最新のチップに搭載されているクアルコムのデュアルコアDSP『Kalimba』では2MHzから120MHzまで、タスクに応じて処理速度をスケーラブルに変えることができます。CSRとクアルコムが互いのオーディオに関連する設計のノウハウ、リソースを効率よく共有できる体制が整ってきたことでブレークスルーを実現しています」。
最新のSoCであるQCC5100ではバッテリーマネジメントの高効率化だけでなく、ペアリングされた機器どうしの接続性も改善されるという。このあたりの詳しい内容をハーヴェル氏に聞いてみた。