<山本敦のAV進化論 第30回>
「スマホでハイレゾ」の実力とは? ドコモの “ハイレゾ対応” スマホ一斉比較テスト
■音質チェック
試聴前に「Adapt Sound」を調整して効果をONに設定。「Sound Alive」は標準の位置でエフェクトは不使用。音量は10/15の位置で十分なボリュームが得られた。
サウンドはとにかくビビッドで鮮度が高い。ハイレゾの情報量もしっかりと引き出しながら、力強い躍動感は今回試聴したどのモデルよりも秀でていた。
ノラ・ジョーンズのボーカルは情熱的、かつ官能的だ。ブレスのヌケ感が良く、抑揚も緻密でありながらこってりとしている。伴奏のピアノも鍵盤に触れる指先の細かいタッチまで蘇る。S/Nも良好で、ピアノのサスティーンがきれいに伸び、余韻の消え入り際も繊細だ。TOTOはミッドレンジが充実しており、楽器やボーカルの音色がストレートに耳の奥まで届いてくる。バンドの定位感もはっきりとしている。低域は量感が充実していて音が太く、しかもよく引き締まっている。縦横の空間表現も広々としていて、ボーカルの高域も気持ち良く突き抜ける。サイモン・フィリップスのドラムソロはシンバルやハイハットの階調感がきめ細かく、余韻がふわっと広がる様子が目に見えるようだ。フロアタムやバスドラの低域も深く沈みこんで、奥行きの底が深い。ドラムセットのひとつひとつの楽器の音色が濃く、メロディアスなエレキギターの旋律との掛け合いは抜群に聴き応えがある。
ダフト・パンクもスピード感があり、しなやかな中低域が冴え渡る。ボーカルは高域の輪郭が鮮明で、たくましさもある。ウォークマンAシリーズと聴き比べてみると、解像感はウォークマンの方が一枚上手だが、音の鮮度やアタックの力強さではGALAXYも譲らない。オーケストラは悠々として壮大なスケール感が魅力。ピアノの音はダイナミックレンジが広く、響きの彫りが深い。メロディアスな旋律を奏でるパートではしっとりと艶っぽい音を聴かせてくれる。
Xperia Z3は解像感の高さや中高域のヌケ感、クリアなサウンドを特徴としていたが、GALAXY Note Edgeは音の濃さや中低域の充実ぶり、音楽性の豊かさなどの面で、今回聴いた4機種の中で最も強く印象に残ったモデルだ。GUIもかなり使いやすく練り上げられているが、ギャップレス再生に非対応であることなど、音楽プレーヤーとしての完成度はあと一息だ。
本機にもアンプをつないでUSB出力のサウンドを確認した。nano iDSDとの組み合わせでは、GALAXY自体の特徴である力強いサウンドが少し抑えられ、落ち着いたバランスの良いサウンドに変化する。そのぶん解像感がより引き立って、サウンドスケープがクリアになる。ボーカルもややあっさりめになるが、自然で心地良い余韻の響きが生まれる。
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