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公開日 2006/09/29 18:59
国内市場「No.5」シェア狙う − ホームシアターがオプトマ最上位機「HD81」発表会を開催
(株)ホームシアターは、同社が取り扱うオプトマ社製DLPプロジェクター新製品「HD81」の発表会を本日都内において開催した。会場にはオプトマ本社から来日したキーパーソンも出席し、新製品の国内販売戦略や特徴を説明した。
オプトマの新しいフラグシップモデルとなる、DLPプロジェクターHD81の詳細については既報の通りだが、ここでその特徴を簡単におさらいしておこう。
TI製「Dark Chip3」パネルの解像度は1,920×1,080画素のフルHD対応だ。筐体はプロジェクションヘッドとビデオプロセッサーを別筐体としたセパレート構造を採用する。
映像処理回路にはカナダのジェナム社製のスケーラーチップと、日本のベンチャー企業であるJEPICO(ジェピコ)社製のカラーイメージプロセッサーチップを併せて搭載し、2重処理を行う設計としている。アドバンスドモードのメニューからは、上級ユーザーに向けた画質調整メニューとして「色温度」「エッジエンハンス」「ガンマ」「色鮮度」「B/Wエクステンション」などの細かな調整を可能にしている。
300Wのランプを搭載し、優れた輝度性能を備えるほか、光量調整を行うアイリス機能はオートと16段階の手動調整を可能にしている。コントラスト比は、独自のランプ調光とあわせ最大12,000対1、明るさはブライトモード時で1,300ルーメン。
TI社と共同で開発した7セグメント6倍速ホイールや、3系統のHDMI端子を搭載する。またレンズは手動の1.2倍ズームで、100インチ・ワイドの投射距離は4.1〜4.9mとしている。
初めに台湾・オプトマ社より登壇したのは、同社バイスプレジデント兼アジア太平洋地域のゼネラルマネージャー、Telly Kuo氏。Kuo氏はオプトマ社の企業紹介、および日本を含むワールドワイドでのマーケット戦略について語った。
台湾に本拠を構えるオプトマ社は、パーツから製品までDLPプロジェクターの一貫した製造開発を行っており、これまでワールドワイドのプロジェクター生産量において16%のシェアを担っている。台湾本社のほかに、台湾と中国本土に生産設備を構える。
Kuo氏が同社の「強み」として挙げるのは、研究開発に重きを置き、獲得した「高い技術力」と、DLPプロジェクターにおける「生産力と競争力」、ハイエンドからローエンドまで揃える「ラインナップ」、そしてワールドワイドでの「ブランド力」だ。「これまではDLPプロジェクターのエキスパートとして、世界規模で高い地位を獲得してきたが、これからいよいよ日本のマーケットに本格進出するにあたり、ホームシアター社と強固なパートナーシップを築き挙げていきたい」とKuo氏は語る。
今後の市場予測についてKuo氏は「オプトマの独自調査の結果、今後世界規模で、20〜25%の割合でプロジェクターの販売量が伸びていくと考えている」と予想。この上で、「現在ワールドワイドのプロジェクター市場で既に高い販売シェアを獲得しているが、今後はさらに上を目指していきたい」とし、日本国内の販売戦略については、「HD放送の環境が整っている市場で、旗艦機HD81は最もフィットする製品だ。今後ホームシアター社と連携し、日本国内では当面プロジェクター市場のシェア“NO.5”を狙いたい」と意気込みをみせた。
続いてオプトマ社より、HD81の製品開発のキーパーソンである、技術長のTzung-I Lin博士が登壇した。製品の生みの親であるLin博士は、「新製品を発表したばかりで、私自身とても緊張している」と心境を語った。
今回の発表会ではHD81の投写デモが時間をかけて行われ、東芝のHD DVDデモ専用ディスクをHD DVDプレーヤー「HD-XA1」で再生した。Lin博士はHD81の高画質と、マニア向けの細かな画質設定機能について実現を交えて紹介し、日本国内のハイエンド・プロジェクターファンにオプトマの製品力をアピールしたいと語った。
発表会の最後に登壇した(株)ホームシアター取締役 統括リーダーの市野金行氏は、HD81を中心としたオプトマ製品の販売戦略を語った。
市野氏は「HD81がラインナップに加わることで、720pモデルのHD72i、DVD一体型のDV10の3機種を軸に、ホームシアターファンのニーズを幅広くカバーできるようになった。HD81については、マニアの方々に満足していただける高性能をアピールし、エントリーからステップアップしてきたプロジェクターユーザーにも“いつかはHD81”と、夢を与えられる製品として位置づけていきたい」と抱負を語った。また、プロジェクターの用途についても、「“家庭で映画を観るためのもの”という既成概念を拡大し、ビデオカメラで撮った映像やスチル写真、ゲームなどを楽しむ使い方も、当社からユーザーへ提案していきたい」とした。
同社は今後、オプトマがデータ用プロジェクターとしてラインナップするモデルについても取り扱いを検討しているという。市野氏は「データ系のプロジェクターについても、ホーム用としての楽しみ方が幾つもあるはずだ。当社としては、データ系をデータ系の枠に押し込めてしまうことなく、あくまでお客様のニーズに最もフィットするプロジェクターを幅広く提案できるよう、ラインナップを拡充していきたい」とした。
最後に、本日の発表会で開催された質疑応答の模様を掲載する。
Q:御社はアメリカのマーケットにて成功を収められているが、日本のマーケットととの違いについてはどのように分析しているのか
A:アメリカと日本のマーケットはそう大きく違うとは思わない。いかなるユーザーも「良い製品を、リーズナブルな価格で手に入れたい」と考えているはずだ。オプトマはDLPプロジェクターのエキスパートであり、このようなユーザーのニーズに応えていく自信をもっている。日本市場へのアプローチについては、ホームシアター社とのパートナーシップを深め、成功に導いていきたい
Q:今後日本のユーザーにHD81のどの魅力を強調していくのか
A:優れたコストパフォーマンスを一番に訴求する。価格については決して安価ではないことはわかっているが、それに見合う高いスペックと、ハイエンドプロジェクターとしての魅力をアピールしたい
Q:100インチ・ワイドの投射距離は4.1〜4.9mと、どちらかといえば長焦点のレンズを搭載しているが、日本の住宅環境を鑑みた場合、やはり短焦点レンズやレンズシフト機能の搭載がキーになってくると考えられる。このような機能については採用を検討しているのか
A:レンズシフトや短焦点レンズについてはニーズがあることは知っている。今後日本市場のニーズを見極めながら、次の製品から投入を検討していきたい。設置性能の検証については、ホームシアター社ともパートナーシップを組んだことにより、今後より具体的なレベルで製品に活かすことができるようになると期待している
Q:データ系プロジェクターの、国内未発表モデルが本日展示されているが、これらの発売時期はいつ頃を考えているのか。またホームシアター社での、オプトマ製品のアフターサービスの体制はどのように整えていくのか
A:オプトマのデータ用プロジェクター「EPシリーズ」については、今年の10月から、遅くとも11月頭には市場投入を検討している。アフターサービスについては、弊社のグループ企業であるオーエス工業(株)にいったん集約し、技術陣の拡大を図っている段階だ
【問い合わせ先】
(株)ホームシアター
お客様ご相談窓口
TEL/03-3629-5410
(Phile-web編集部)
オプトマの新しいフラグシップモデルとなる、DLPプロジェクターHD81の詳細については既報の通りだが、ここでその特徴を簡単におさらいしておこう。
TI製「Dark Chip3」パネルの解像度は1,920×1,080画素のフルHD対応だ。筐体はプロジェクションヘッドとビデオプロセッサーを別筐体としたセパレート構造を採用する。
映像処理回路にはカナダのジェナム社製のスケーラーチップと、日本のベンチャー企業であるJEPICO(ジェピコ)社製のカラーイメージプロセッサーチップを併せて搭載し、2重処理を行う設計としている。アドバンスドモードのメニューからは、上級ユーザーに向けた画質調整メニューとして「色温度」「エッジエンハンス」「ガンマ」「色鮮度」「B/Wエクステンション」などの細かな調整を可能にしている。
300Wのランプを搭載し、優れた輝度性能を備えるほか、光量調整を行うアイリス機能はオートと16段階の手動調整を可能にしている。コントラスト比は、独自のランプ調光とあわせ最大12,000対1、明るさはブライトモード時で1,300ルーメン。
TI社と共同で開発した7セグメント6倍速ホイールや、3系統のHDMI端子を搭載する。またレンズは手動の1.2倍ズームで、100インチ・ワイドの投射距離は4.1〜4.9mとしている。
初めに台湾・オプトマ社より登壇したのは、同社バイスプレジデント兼アジア太平洋地域のゼネラルマネージャー、Telly Kuo氏。Kuo氏はオプトマ社の企業紹介、および日本を含むワールドワイドでのマーケット戦略について語った。
台湾に本拠を構えるオプトマ社は、パーツから製品までDLPプロジェクターの一貫した製造開発を行っており、これまでワールドワイドのプロジェクター生産量において16%のシェアを担っている。台湾本社のほかに、台湾と中国本土に生産設備を構える。
Kuo氏が同社の「強み」として挙げるのは、研究開発に重きを置き、獲得した「高い技術力」と、DLPプロジェクターにおける「生産力と競争力」、ハイエンドからローエンドまで揃える「ラインナップ」、そしてワールドワイドでの「ブランド力」だ。「これまではDLPプロジェクターのエキスパートとして、世界規模で高い地位を獲得してきたが、これからいよいよ日本のマーケットに本格進出するにあたり、ホームシアター社と強固なパートナーシップを築き挙げていきたい」とKuo氏は語る。
今後の市場予測についてKuo氏は「オプトマの独自調査の結果、今後世界規模で、20〜25%の割合でプロジェクターの販売量が伸びていくと考えている」と予想。この上で、「現在ワールドワイドのプロジェクター市場で既に高い販売シェアを獲得しているが、今後はさらに上を目指していきたい」とし、日本国内の販売戦略については、「HD放送の環境が整っている市場で、旗艦機HD81は最もフィットする製品だ。今後ホームシアター社と連携し、日本国内では当面プロジェクター市場のシェア“NO.5”を狙いたい」と意気込みをみせた。
続いてオプトマ社より、HD81の製品開発のキーパーソンである、技術長のTzung-I Lin博士が登壇した。製品の生みの親であるLin博士は、「新製品を発表したばかりで、私自身とても緊張している」と心境を語った。
今回の発表会ではHD81の投写デモが時間をかけて行われ、東芝のHD DVDデモ専用ディスクをHD DVDプレーヤー「HD-XA1」で再生した。Lin博士はHD81の高画質と、マニア向けの細かな画質設定機能について実現を交えて紹介し、日本国内のハイエンド・プロジェクターファンにオプトマの製品力をアピールしたいと語った。
発表会の最後に登壇した(株)ホームシアター取締役 統括リーダーの市野金行氏は、HD81を中心としたオプトマ製品の販売戦略を語った。
市野氏は「HD81がラインナップに加わることで、720pモデルのHD72i、DVD一体型のDV10の3機種を軸に、ホームシアターファンのニーズを幅広くカバーできるようになった。HD81については、マニアの方々に満足していただける高性能をアピールし、エントリーからステップアップしてきたプロジェクターユーザーにも“いつかはHD81”と、夢を与えられる製品として位置づけていきたい」と抱負を語った。また、プロジェクターの用途についても、「“家庭で映画を観るためのもの”という既成概念を拡大し、ビデオカメラで撮った映像やスチル写真、ゲームなどを楽しむ使い方も、当社からユーザーへ提案していきたい」とした。
同社は今後、オプトマがデータ用プロジェクターとしてラインナップするモデルについても取り扱いを検討しているという。市野氏は「データ系のプロジェクターについても、ホーム用としての楽しみ方が幾つもあるはずだ。当社としては、データ系をデータ系の枠に押し込めてしまうことなく、あくまでお客様のニーズに最もフィットするプロジェクターを幅広く提案できるよう、ラインナップを拡充していきたい」とした。
最後に、本日の発表会で開催された質疑応答の模様を掲載する。
Q:御社はアメリカのマーケットにて成功を収められているが、日本のマーケットととの違いについてはどのように分析しているのか
A:アメリカと日本のマーケットはそう大きく違うとは思わない。いかなるユーザーも「良い製品を、リーズナブルな価格で手に入れたい」と考えているはずだ。オプトマはDLPプロジェクターのエキスパートであり、このようなユーザーのニーズに応えていく自信をもっている。日本市場へのアプローチについては、ホームシアター社とのパートナーシップを深め、成功に導いていきたい
Q:今後日本のユーザーにHD81のどの魅力を強調していくのか
A:優れたコストパフォーマンスを一番に訴求する。価格については決して安価ではないことはわかっているが、それに見合う高いスペックと、ハイエンドプロジェクターとしての魅力をアピールしたい
Q:100インチ・ワイドの投射距離は4.1〜4.9mと、どちらかといえば長焦点のレンズを搭載しているが、日本の住宅環境を鑑みた場合、やはり短焦点レンズやレンズシフト機能の搭載がキーになってくると考えられる。このような機能については採用を検討しているのか
A:レンズシフトや短焦点レンズについてはニーズがあることは知っている。今後日本市場のニーズを見極めながら、次の製品から投入を検討していきたい。設置性能の検証については、ホームシアター社ともパートナーシップを組んだことにより、今後より具体的なレベルで製品に活かすことができるようになると期待している
Q:データ系プロジェクターの、国内未発表モデルが本日展示されているが、これらの発売時期はいつ頃を考えているのか。またホームシアター社での、オプトマ製品のアフターサービスの体制はどのように整えていくのか
A:オプトマのデータ用プロジェクター「EPシリーズ」については、今年の10月から、遅くとも11月頭には市場投入を検討している。アフターサービスについては、弊社のグループ企業であるオーエス工業(株)にいったん集約し、技術陣の拡大を図っている段階だ
【問い合わせ先】
(株)ホームシアター
お客様ご相談窓口
TEL/03-3629-5410
(Phile-web編集部)