HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2015/01/08 15:02
【CES】ソニー高木SVPが語る、ハイレゾを軸とした“音のソニー”復活
“4K BD”は「状況を見ながら判断」
2015年のCESで公開したウォークマンのフラグシップ「NW-ZX2」など、北米向けハイレゾ対応製品を多数発表しているソニー。CES会場では、同社のオーディオ/ビデオ/テレビ事業を統括する高木一郎氏が邦人記者を集めて開催されたラウンドテーブルに出席し、事業戦略の詳細を語った。
ソニーは2012年4月から、幾つかの組織体に分割していたオーディオ事業を一つに束ねて「音のソニー」の復活に向けて取り組んできた。翌13年秋にはハイレゾの普及拡大を目指し、ハイレゾ対応の商品をさらに拡充した。昨年の9月にはウォークマン「Aシリーズ」を発表して、一気にハイレゾ対応製品はエントリー層にも浸透していく。「日本でも昨年のセカンドハーフ(10月以降)に、ソニー内でのハイレゾ商品構成比率を約30%まで高めてきた」と高木氏は成果を語る。
ソニーとしてハイレゾを戦略的に重要な軸に位置付けてきたわけだが、その戦略が結果に結びついてきた実感があると高木氏は述べる。「アメリカでも本格的にオーディオ事業の軸にハイレゾを据えるべく、CESでは北米に10機種のハイレゾ対応製品を投入するとともに、ウォークマンのフラグシップ『NW-ZX2』を発表した。この機種が、ソニーがハイレゾに対して真剣に取り組むことのコミットメントであると受けとめてもらいたい。『音のソニー』のスタートはもう切った。かつ目指している領域については、市場に認知が広がっていると思う」。
今回ハイレゾを軸とした商品展開として、3つ新しいテクノロジーと機能を展開しているという高木氏。最初に挙げるのは高音質のワイヤレス通信を実現する「LDAC」。これはBluetoothでこれまでの信号領域を超える、約3倍の情報量をワイヤレス伝送できるというコーデック技術だ。高木氏は「ハイレゾに近い高音質をワイヤレスで送信できる技術の普及に努めていきたい」と期待を寄せる。
2つめはワイヤレスのマルチルームスピーカー。マルチルームでスマホ音源の再生やWebからのストリーミング楽曲が楽しめる「SongPal Link」という機能を新たに導入する。3つめにはストリーミングオーディオで、Googleと協力して「Google Cast for Auio」に対応する機種を拡充した。高木氏は「オーディオはネットワークストリーミング再生が主流になっている。おそらくハイレゾのストリーミングサービスも近い将来に出てくるだろう。既にいくつかのサービスプロバイダが展開を表明している。ソニーはハードウェアのメーカーとして、サービスプロバイダと協力しながら普及に努めていきたい」と意欲を示した。
ソニーがデザインしたハイレゾのロゴマークは、日本国内ではオーディオ協会に譲渡したが、その普及が進む手応えを高木氏は感じているようだ。「12月にはアメリカのCEA(Consumer Electronics Association)にロゴを採用していただく運びになった。これからはアメリカ国内でも色々なところで業界標準的にロゴが目に触れるようになるだろう」と高木氏は説明。「これからもソニーのオーディオをしっかりとブランディングしながら、高音質でユニークなソニーらしい商品をつくって事業を成功させたい」とした。
以下より、高木氏による記者会見の一問一答を紹介する。
■“休眠期間”が長かったオーディオ事業の復権にプライオリティを置く
ー 日本がいま最もハイレゾに湧いていると思うが、世界各地域の現状での注目度をどうみているか。
高木氏:欧米についてはハイレゾがスタートしたばかり。日本や東南アジアで盛り上がりつつあるのに比べると、まさにこれからという認識。そう簡単にはいかないこともわかっている。ウォークマンの事業は日本で唯一続いていたこともあって、ウォークマンを基軸にしたポータブルオーディオによるハイレゾが起爆剤となって日本からアジアに続いていった。一方、欧米ではアップルのiPodに対してウォークマンの認知度が下がっていた。これからウォークマンをリブランディングして立て直せるかは我々ソニーの努力次第。
スマートフォンを足がかりにハイレゾの普及を押し進める手段もあるが、残念ながらアメリカではソニーのスマートフォンのシェアが非常に低い。日本はウォークマンと一緒にXperiaがモバイル普及のトリガーになると思っている。アメリカはそれもなかなか難しい。でもそこはきっちりとやっていく。ブランディングも仕掛けながら、リテールにも協力を仰ぎ、またウォークマン以外のハイレゾ機器にも力を入れる。
Googleとの協力による「Cast for Audio」も重要な役割を担ってくれるだろう。将来これにハイレゾが入ってくると、プラットフォームを通じてマルチルームでハイレゾが楽しめるようになる。そこで今回はワイヤレススピーカーを含めた、色々なかたちでのハイレゾ対応機のラインナップをCESで紹介した。
ソニーは2012年4月から、幾つかの組織体に分割していたオーディオ事業を一つに束ねて「音のソニー」の復活に向けて取り組んできた。翌13年秋にはハイレゾの普及拡大を目指し、ハイレゾ対応の商品をさらに拡充した。昨年の9月にはウォークマン「Aシリーズ」を発表して、一気にハイレゾ対応製品はエントリー層にも浸透していく。「日本でも昨年のセカンドハーフ(10月以降)に、ソニー内でのハイレゾ商品構成比率を約30%まで高めてきた」と高木氏は成果を語る。
ソニーとしてハイレゾを戦略的に重要な軸に位置付けてきたわけだが、その戦略が結果に結びついてきた実感があると高木氏は述べる。「アメリカでも本格的にオーディオ事業の軸にハイレゾを据えるべく、CESでは北米に10機種のハイレゾ対応製品を投入するとともに、ウォークマンのフラグシップ『NW-ZX2』を発表した。この機種が、ソニーがハイレゾに対して真剣に取り組むことのコミットメントであると受けとめてもらいたい。『音のソニー』のスタートはもう切った。かつ目指している領域については、市場に認知が広がっていると思う」。
今回ハイレゾを軸とした商品展開として、3つ新しいテクノロジーと機能を展開しているという高木氏。最初に挙げるのは高音質のワイヤレス通信を実現する「LDAC」。これはBluetoothでこれまでの信号領域を超える、約3倍の情報量をワイヤレス伝送できるというコーデック技術だ。高木氏は「ハイレゾに近い高音質をワイヤレスで送信できる技術の普及に努めていきたい」と期待を寄せる。
2つめはワイヤレスのマルチルームスピーカー。マルチルームでスマホ音源の再生やWebからのストリーミング楽曲が楽しめる「SongPal Link」という機能を新たに導入する。3つめにはストリーミングオーディオで、Googleと協力して「Google Cast for Auio」に対応する機種を拡充した。高木氏は「オーディオはネットワークストリーミング再生が主流になっている。おそらくハイレゾのストリーミングサービスも近い将来に出てくるだろう。既にいくつかのサービスプロバイダが展開を表明している。ソニーはハードウェアのメーカーとして、サービスプロバイダと協力しながら普及に努めていきたい」と意欲を示した。
ソニーがデザインしたハイレゾのロゴマークは、日本国内ではオーディオ協会に譲渡したが、その普及が進む手応えを高木氏は感じているようだ。「12月にはアメリカのCEA(Consumer Electronics Association)にロゴを採用していただく運びになった。これからはアメリカ国内でも色々なところで業界標準的にロゴが目に触れるようになるだろう」と高木氏は説明。「これからもソニーのオーディオをしっかりとブランディングしながら、高音質でユニークなソニーらしい商品をつくって事業を成功させたい」とした。
以下より、高木氏による記者会見の一問一答を紹介する。
■“休眠期間”が長かったオーディオ事業の復権にプライオリティを置く
ー 日本がいま最もハイレゾに湧いていると思うが、世界各地域の現状での注目度をどうみているか。
高木氏:欧米についてはハイレゾがスタートしたばかり。日本や東南アジアで盛り上がりつつあるのに比べると、まさにこれからという認識。そう簡単にはいかないこともわかっている。ウォークマンの事業は日本で唯一続いていたこともあって、ウォークマンを基軸にしたポータブルオーディオによるハイレゾが起爆剤となって日本からアジアに続いていった。一方、欧米ではアップルのiPodに対してウォークマンの認知度が下がっていた。これからウォークマンをリブランディングして立て直せるかは我々ソニーの努力次第。
スマートフォンを足がかりにハイレゾの普及を押し進める手段もあるが、残念ながらアメリカではソニーのスマートフォンのシェアが非常に低い。日本はウォークマンと一緒にXperiaがモバイル普及のトリガーになると思っている。アメリカはそれもなかなか難しい。でもそこはきっちりとやっていく。ブランディングも仕掛けながら、リテールにも協力を仰ぎ、またウォークマン以外のハイレゾ機器にも力を入れる。
Googleとの協力による「Cast for Audio」も重要な役割を担ってくれるだろう。将来これにハイレゾが入ってくると、プラットフォームを通じてマルチルームでハイレゾが楽しめるようになる。そこで今回はワイヤレススピーカーを含めた、色々なかたちでのハイレゾ対応機のラインナップをCESで紹介した。