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公開日 2024/12/29 07:00

Mrs. GREEN APPLE、ジェイコブ・コリアー、パット・メセニー……オーディオ評論家が試聴に使った2024年の曲はこれだ!【Part.2】

評論家は「曲のどんなポイント」を聴いている?
草野晃輔/生形三郎/海上忍
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2024年もあとわずか。今年も多くのオーディオ機器が登場し、ファイルウェブではたくさんの新製品レビューを掲載させていただきました。

「オーディオ」というとジャズやクラシックの名盤を聴くイメージが強いかもしれませんが、近年ではJ-POPやロック、アニソン、EDMなど「今の楽曲」で試聴を行うケースも少なくありません。

そこで、ファイルウェブにて記事を執筆いただいているオーディオ評論家の方々に、この1年間に登場した楽曲の中から、「特にオーディオ機器の試聴で使ったリファレンス曲」をピックアップしていただきました。

また、それぞれの楽曲の聴きどころや、どの部分でオーディオ機器のどんな性能が測れるかなど、オーディオ評論家ならではのリファレンスポイントの解説や、個人的な思い入れについてのコメントもいただきました。

そしてApple Musicにて、皆さんがピックアップした楽曲をまとめたプレイリストをご用意。(一部未配信の曲を除く)。店頭でイヤホンの試聴をする際や、お持ちのオーディオ機器の性能チェックをする際の参考として、ぜひご活用ください!

編注:ご執筆いただいた先生方は製品評価の際、今回ご紹介する楽曲以外にも往年の名盤、評価の高い高音質盤など幅広く使われており、ご紹介する楽曲のみで試聴を行っているわけではない旨ご承知いただけますと幸いです。

山本敦先生、高橋敦先生、野村ケンジ先生の選んだ曲を紹介するPart.1はこちら


選考基準
・2023年12月頃-2024年11月頃にかけてリリースされた、またはタイアップに使用されるなどで日の目を見た楽曲であること
※基準から外れているが取り上げたい曲がある場合、1曲までなら可
・選曲数は1人あたり最大3曲
・あくまで「オーディオ機器の試聴に用いた曲」であり、「オーディオ的に高音質か」は必ずしも重視しない
・CDやサブスク、ハイレゾなどの媒体形式は不問。ただし媒体形式もポイントとなる場合、その旨を記載する





草野晃輔先生が選ぶリファレンス曲
草野先生が執筆したレビュー記事はこちら


Mrs. GREEN APPLE/ライラック



2024年の音楽シーンを席巻したバンド、Mrs. GREEN APPLEのヒット曲。全体的に軽やかでありつつエネルギッシュなサウンドは、音響機器のパフォーマンスを評価しやすい。特に音の分離感や定位の正確さ、楽器のアタック感が際立っており、スピーカーやヘッドホンの評価に多用した。

イントロの軽快なギターリフは、楽器のアタック感と定位の正確さをチェックできる。ギター、ベース、ドラム、シンセが一体となったサウンドの迫力は圧巻で、輪郭を鮮明に描く正確な再現性を備えた機器なら、この曲が持つエネルギーがダイレクトに伝わるはずだ。

サビでは、キャッチーなメロディーのボーカルと楽器の重なり具合で音の分離感がよく分かる。本稿のために改めて聴いたが、やはりいい曲。機器や音質にばかり囚われず、とにかく楽しんでほしい。

レディー・ガガ & ブルーノ・マーズ/Die With A Smile



ポップミュージック界のスーパースター、ブルーノ・マーズとレディー・ガガのコラボによるバラード曲。冒頭、ギターとピアノのバッキングから静かにブルーノ・マーズのボーカルが入ると、ふわっと歌声が立ち上がる。リヴァーブの効いた広がりのある音場や、余韻の持続時間を確認しやすい。

2番に入るとレディー・ガガがメインボーカルを担当。パッと聴くと太く力強い声だが、実はとても繊細。細かいビブラートやしゃくりを明確に描くには、中域の再現力が試される。サビに入ると、レディー・ガガの力強くエモーショナルなボーカルに、ブルーノ・マーズのソウルフルな歌声が見事に融合する。

ハーモニーが美しく、中域と高域の再現力を測るのによいが、そんなことを忘れて聴き入ってしまう。楽曲の完成度も高いので、ぜひお試しあれ。

中森明菜/DESIRE -情熱-

(ベストアルバム「BEST II」2023年復刻版CD)



長らく休止していた音楽活動を徐々に再開させている歌手、中森明菜。デビュー40周年を記念し2022年から「ワーナーイヤーズ・全アルバム復刻シリーズ」をリリースしている。その中から、2023年12月に登場した『BEST II』(初出は1988年)の復刻CDに収録された、「DESIRE -情熱-」を紹介したい。

復刻シリーズは「アナログレコードの原盤であるラッカー盤にカッティングし、カートリッジ(レコード針)で再生した音をデジタル化した音源」とのことで、CDながらも立体的でふくよかな音だ。イントロのギターに併走するドラムとベースのビートは、低音の厚みと力強いリズムで迫力満点。中森明菜の表情豊かなボーカルが曲全体を彩り、繊細なビブラートと迫力あるロングトーンに圧倒される。

かつて聴いていた人も、そうでない人も中低域の表現力に長けた機器で復刻シリーズの鮮烈なサウンドを味わっていただきたい。

次ページ生形三郎先生が選ぶリファレンス曲

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