• ブランド
    特設サイト
公開日 2018/07/30 13:38

オランダの注目レーベル「TRPTK(トリップティック)」 に聞く 「最高の音を録ること」へのこだわり

ケーブル、アクセサリーにまでこだわった音づくり
オーディオ編集部:浅田陽介
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
良い音楽には国境がない、これは紛れもない事実だ。だからこそ、ここ日本にも多くのオーディオファイルを魅了する世界各国の高音質レーベルから最新音源が絶えず届けられている。今回ご紹介するオランダの高音質レーベル「TRPTK」(トリップティック)は、そんな高音質レーベルのなかでも「新進」として注目すべき存在だ。

オランダの高音質レーベル「TRPTK」(トリップティック)のロゴ。最近、海外のオーディオ関連メディアでこのロゴを見ることが多くなってきた

その創設は2014年9月。ブレンドン・ハインスト(Brendon Heinst)とルーク・マイセン(Luuk Meijssen)の二人によって設立されたTRPTKレーベルのポリシーは実にシンプルで、「商業的なことに左右されることなく、レコーディング・クオリティをひたすら追求することで音楽のエモーションをそのままリスナーへ伝える」というものである。

今年5月に独・ミュンヘンで開催されたMunich HIGH END 2018にて、同レーベルのオーディオエンジニアであるハインスト氏にお会いすることができた。その録音のクオリティとさまざまな要素を見事にミックスした作品群は、欧州の音楽関連メディアはもちろん、米Absolute Sound誌も絶賛。さらに、すでにここ日本でも一部の音楽ファンから注目を集め始めている。そのTRPTKは、なぜここまでの評価を集めるに至ったのか。その背景には、ハインスト氏のサウンドへの驚異的なまでのこだわりがあった。

この度、ハインスト氏も愛用するフルテックの紹介もあり、インタビューすることができた

HIGH END 2018の会場で実際にお会いしたハインスト氏は、想像を遥かに超えて若かった。現在27歳という彼は、同じくオランダに本拠を置くオーディオメーカー、Grimm Audioを主宰するエルコ・グリム(Eelco Grimm)氏にエンジニアリングを学んだそうだ。

「TRPTKのポリシーは非常にシンプルで、最高の音を録ること。ただそれだけです。エルコさんには本当に色々なことを教わったのですが、その過程で得たことも踏まえて、私のフィロソフィーは“Simple, but very good”ということですね。ですからマイクロフォンは必要最小限しか使いませんし、ブースごとにミュージシャンを分けるということはせずに、全てのミュージシャンを同じ空間に集めてレコーディングしています。これはやはり、ミュージシャンたちがその場で同じ空気を共有し、演奏することで生まれるものがあるからです」

こう語るTRPTKの実際のスタジオを見ると、そのシステム構成は言葉の通り、非常にシンプル。特徴的なのはマスタリングルーム。スピーカーにはKEFのBlade Two、アンプにHegel H30といったオーディオファンにも馴染みの深い機器を使っている。

TRPTKのマスタリングスタジオ。KEF「Blade Two」による5.1ch環境となっている

パワーアンプはHegelの「H30」を愛用する

「これは特にリスナーの環境を意識したというわけではなく、常に自分にとって最高のものを使っていたいと思っていたらこうなったんです」とハインスト氏は話す。

電源系はフルテック製品で統一。フルテックのケーブルやアクセサリーは、いま世界的にも極めて高い評価を獲得している

「使っている機材には全て愛情があるので、作品にはクレジットを必ず入れるようにしています」ともハインスト氏は語る。実際に音源のブックレットに記載されたそのリストを見ると、シンプルという通り、機材の点数は想像以上に少ないが、だからこそ、そこに並ぶ機器への絶対的な信頼が感じられた。

レコーディングへのこだわりを話すハインスト氏

TRPTKのレコーディングで使用されたマイクロフォン。ハインスト氏は、いたずらにマイクロフォンを立てず、必要最小限の本数でレコーディングを行う

「私達は全部で12本のマイクロフォンを所有しているのですが、そのいずれもが私達のためにカスタマイズを施したマイクロフォンです。ファンタム電源を供給する電源ももちろんですし、このマイクロフォンとオーディオの電源は完全に分けるなどの環境づくりも、私達にとっては非常に重要です」

次ページここまで収録機器にこだわる理由とは?

1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 「オーディオのオンキヨー」復活へ。新スピーカーとセパレートシステムを年明けのCESで発表
2 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.10】音のプロが選ぶベストバイは?
3 CD再生とファイル再生の架け橋に!Shanlingからリッピング機能付きトランスポート「CR60」が登場
4 今こそ「ミニコンポ」が面白い! デノン/マランツ/B&Wの令和ライフにマッチする厳選5モデルレビュー
5 水月雨、『崩壊:スターレイル』とのコラボ完全ワイヤレス。ダイナミック+環状平面駆動の同軸ドライバー搭載
6 【ミニレビュー】空き電源コンセントに挿入するだけ。オーディオみじんこ「SILVER HARMONIZER AC-ADVANCE」
7 モニターオーディオ「GOLDシリーズ」レビュー。ユニット大幅刷新の第6世代機は「ハイスピードで焦点の明確な音調」
8 AVIOT、『らんま1/2』コラボ完全ワイヤレスイヤホン。完全新録ボイス240種類以上搭載
9 Nothing、スマホ/イヤホンが最大30%オフ価格になるウィンターキャンペーン。先着順で靴下もらえる
10 要注目の新興ブランド、ラトビア「アレタイ」スピーカー試聴レビュー!広大な空間描写力が魅力
12/20 10:05 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.195
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX