公開日 2019/05/29 08:41

シンガポールの新生イヤホンブランド「Stealth Sonics」。驚きの軽さ、技術、安全性を本国トップが語る

【特別企画】9ドライバー構成で5g未満の超軽量イヤホン
ポータブルオーディオの熱気が高まるシンガポールから新生イヤホンブランド「Stealth Sonics」(ステルスソニックス)が日本に上陸した。今春に開催されたヘッドフォン祭に合わせて来日した同ブランドの代表、ラジェスパル・シン氏とアジア地域セールスマネージャーのギャレス・フェルナンデス氏に、製品や技術の特徴を聞く機会を得た。

ステルスソニックス代表のラジェスパル・シン氏(写真左)と、アジア地域セールスマネージャーのギャレス・フェルナンデス氏(写真右)

航空機と耳のスペシャリストが立ち上げた異色のブランド

ステルスソニックスは2018年に創業したばかりの新しいブランドだが、コンシューマー向けインイヤーモニターのビジネスを始める前に、2011年から補聴器をはじめとする聴覚関連の事業で成功を遂げていた。3人の兄弟が創業した家族経営のブランドである。

今回のインタビューに応えてくれたラジェスパル・シン氏が、グローバルビジネスの統括担当。ブランドのビジネスを経営面で切り盛りしている。イヤホンの設計・開発は航空産業のエンジニアとしてのバックグラウンドを持つ兄のバルビンダ・シン氏と、耳のスペシャリストであり、オーディオロジストの資格をシンガポールで取得している弟のラケシュパル・シン氏の2人が担当する。

オーディオロジストという職業はあまり日本では馴染みがないかもしれないが、ざっくりと言ってしまえば、聴覚に関して医療と音響の双方からあらゆる専門知識を身につけたプロフェッショナルのこと。アメリカのイヤモニメーカーの代表、あるいはエンジニアでこの肩書きを掲げている方にもたまに出会うが、シンガポールにも同じ職に就いている有資格者がいるということだ。

ちなみに同社の場合、ラケシュパル・シン氏(以下 ラケシュパル氏)のほか、全5名のオーディオロジストが在籍して、バルビンダ・シン氏(以下 バルビンダ氏)も設計に携わりながら、イヤーモニターを商品として形にしていくというワークスタイルを採用しているそうだ。

そして同社の商品は現在、ホームグラウンドであるシンガポールのほかにアメリカ、カナダなど世界の複数の国と地域で展開が始まっており、日本は彼らにとって5番目のマーケットになる。

オーディオのビジネスは、2018年1月にステルスソニックスとして会社を立ち上げた時にスタートした。成り立ちについて、ラジェスパル・シン氏(以下 ラジェスパル氏)が次のように振り返ってくれた。

もともとは補聴器など聴覚関連の事業を手がけていたとラジェスパル氏は語る

「聴覚関連のビジネスが軌道に乗っていたため、最初はオーディオをブランドとして事業化する考えはありませんでした。ところがある時に、音楽業界のお客様からカスタムIEMの製作を独自に頼まれて、ハンドメイドで提供したイヤモニが好評だったことから、次第に評判が広がり、本格的にオーディオのビジネスへ足を踏み入れることになりました」(ラジェスパル氏)。

ステルスソニックスのオーディオ事業が芽吹いたのは、2015年頃だった。その後、ラジェスパル氏らスタッフはNAMM ShowやCanJam、香港Audio Showなど海外の有名なオーディオ関連のイベントにビジターとして足を運びながら業界を熱心に研究。そこで得た人脈を基にオーディオのビジネスの足場を固めてきた。そのネットワークは自国のシンガポールを超え、アメリカやインド、日本にも広がり、同社のカスタムIEMを高く評価するミュージシャンとの出会いも生まれた。

寄せられた多くのフィードバックを肥やしにして、2018年の1月にステルスソニックスを起業。最初に生まれたユニバーサルIEMのラインナップが、今回紹介する“Uシリーズ”「U9」「U4」「U2」の3機種だ。

右から「U9」「U4」「U2」

次ページブランド名の「Stealth」に込められた意味

1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 XREAL、XREAL Oneが入った「開運福袋2026」を12/11から販売。200セット限定
2 HARBETHの魅力は“声”にあり!色褪せぬエバーグリーンなサウンドを、あえてのアニソンで斬りまくる!
3 5万円で激変、“DCリニア電源”をどう使う?トップウイングの「DC POWER BOX」徹底使いこなし!
4 AVIOT、LDACにも対応した1万円切りの“ピヤホン9”「TE-U1-PNK」
5 mora、ハイレゾ配信12周年キャンペーン第2弾スタート。「ハイレゾ大使」には森口博子が就任
6 『続・太鼓判ハイレゾ音源はこれだ!』#2【後編】- かつしかトリオ『“Organic” feat. LA Strings』リリース記念インタビュー
7 AURAS東京、シアターの常識を覆すかんたん操作&美しいデザインの“エンターテイメント空間”をカスタムメイド
8 LG、リアルタイムAIプロセッサー搭載の4K有機ELテレビ「OLED C5M」
9 【Qobuzダウンロードランキング】ブルーノート東京、夏の風物詩!矢野顕子トリオのライブ盤が1位にランクイン
10 Bowers & Wilkins、「801 D4」を六本木ISETAN SALONEにて特別展示。12/25まで
12/12 10:48 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX