公開日 2016/09/04 09:53
<IFA>Audezeが “平面駆動イヤホン” 「iSINE」シリーズ2機種を発表
最上位機「LCDi3」も10月に発表
平面磁界駆動型ヘッドホンの名機を生み出してきた米Audeze(オーデジー)が、IFA2016の会場で、初の平面磁界駆動型イヤホン「iSINE」を発表した。
平面磁界駆動型とは、ヘッドホンで音を鳴らすための振動板のかたちと、その駆動方式を指す。
フラットな形状の振動板の前後にマグネットを配置し、強力な電磁力で全面を動かすことで、一般的なドーム形状のダイナミック型ドライバーに比べて歪みが少なくスムーズなサウンドを実現できるとされ、注目が集まっている。
平面磁界駆動型のヘッドホンは開発に高い技術力が求められ、コストもかかることから、一般的なダイナミック型ヘッドホンに比べ、手がけるメーカーや製品数も少なかった。ドライバーユニットの小型化も難しいので、イヤホンに搭載するのは困難とされていたが、オーデジーはこれまでヘッドホンに搭載してきたドライバーの小型化に成功。この秋に初の平面磁界駆動型イヤホンを発売する。
ラインナップはスタンダードモデルの「iSINE 10」と、ボイスコイルを強化した上位機の「iSINE 30」。北米での販売価格は“10”が399ドル、“30”が599ドルとなる。
日本でも発売されている、オンイヤースタイルの平面磁界駆動型ヘッドホン「SINE」に採用された、Lightning端子のアンプ内蔵ケーブル「CIPHER」も同梱。イヤホン側のプラグが2ピン仕様になるiSINEバージョンとなっている。
iSINEに搭載されているドライバーは、オーデジー独自の平面磁界技術である「Fluxor Magnetic Technology」を採用。振動板は人の髪の毛ほどの薄さに成形して、パワーを強化したネオジウムマグネットで挟み込むことで、リニアできめ細かな音を再現する。
ユニットのサイズは30mm。音の歪みを低減するボイスコイル技術「Uniforce」により歪率を約0.1%にまで低減していることも特筆したい。ドライバーユニットの再生周波数帯域は10Hz〜50kHz。
どちらのイヤホンも、カナル型のイヤーピースを使って耳穴に装着するスタイルだが、ハウジングはオープン型で、軽量設計になっているとはいえ、イヤーピースを挿入するだけでは耳元で安定しないので、本体に装着する2種類のイヤーフックで固定する。ケーブルを含む本体の質量は20g。
IFAの展示会場で、同社CEOのSankar Thiagasamudram氏に新製品の特徴を聞いた。
「平面磁界駆動型のドライバーにこだわってきたオーデジーだからこそ完成できたイヤホンと自負している。Lightning端子のDACアンプ内蔵ケーブルとともに、イヤホンの設計と生産は米ロサンゼルスの拠点で行っている。アイデアを素早くかたちにできるのがオーデジーの強みだ」とThiagasamudram氏は胸を張る。
IFA会場で、iSINE10のサウンドを聴くことができた。試聴時はiPadと接続されていた。
驚くほどに解像感が高く、音の粒立ちが緻密だ。ボーカルは声の輪郭がとても立体的に浮き彫りになることが確認できた。
とはいえ、オープンエアのイヤホンなので、当然ながら外の騒音が飛び込んでくるし、聴いている音楽は盛大に漏れる。環境が環境なので、低域のバランスや質感は確かめづらかったが、静かな室内で聴けたら驚かされることが多くありそうと直感した。
Thiagasamudram氏は「iSINE」の発売以降も、平面磁界駆動型イヤホンの開発の手を休めないつもりらしい。会場ではOculus RiftにiSINEを装着する変換ケーブルも紹介している。
イヤホン発売前からアクセサリーが作れる理由については「私はOculus Riftの開発者と友だちだから。ぜひPS VRの開発者も紹介して欲しい(笑)」と冗談を飛ばしながら説明した。
10月上旬にアメリカで開催される“ロッキーマウンテン・オーディオフェス”には、平面磁界駆動型イヤホンのフラグシップモデル「LCDi3」を発表する計画もあるという。価格が2,499ドルになることも既に決まっているらしい。こちらも非常に楽しみだ。
平面磁界駆動型とは、ヘッドホンで音を鳴らすための振動板のかたちと、その駆動方式を指す。
フラットな形状の振動板の前後にマグネットを配置し、強力な電磁力で全面を動かすことで、一般的なドーム形状のダイナミック型ドライバーに比べて歪みが少なくスムーズなサウンドを実現できるとされ、注目が集まっている。
平面磁界駆動型のヘッドホンは開発に高い技術力が求められ、コストもかかることから、一般的なダイナミック型ヘッドホンに比べ、手がけるメーカーや製品数も少なかった。ドライバーユニットの小型化も難しいので、イヤホンに搭載するのは困難とされていたが、オーデジーはこれまでヘッドホンに搭載してきたドライバーの小型化に成功。この秋に初の平面磁界駆動型イヤホンを発売する。
ラインナップはスタンダードモデルの「iSINE 10」と、ボイスコイルを強化した上位機の「iSINE 30」。北米での販売価格は“10”が399ドル、“30”が599ドルとなる。
日本でも発売されている、オンイヤースタイルの平面磁界駆動型ヘッドホン「SINE」に採用された、Lightning端子のアンプ内蔵ケーブル「CIPHER」も同梱。イヤホン側のプラグが2ピン仕様になるiSINEバージョンとなっている。
iSINEに搭載されているドライバーは、オーデジー独自の平面磁界技術である「Fluxor Magnetic Technology」を採用。振動板は人の髪の毛ほどの薄さに成形して、パワーを強化したネオジウムマグネットで挟み込むことで、リニアできめ細かな音を再現する。
ユニットのサイズは30mm。音の歪みを低減するボイスコイル技術「Uniforce」により歪率を約0.1%にまで低減していることも特筆したい。ドライバーユニットの再生周波数帯域は10Hz〜50kHz。
どちらのイヤホンも、カナル型のイヤーピースを使って耳穴に装着するスタイルだが、ハウジングはオープン型で、軽量設計になっているとはいえ、イヤーピースを挿入するだけでは耳元で安定しないので、本体に装着する2種類のイヤーフックで固定する。ケーブルを含む本体の質量は20g。
IFAの展示会場で、同社CEOのSankar Thiagasamudram氏に新製品の特徴を聞いた。
「平面磁界駆動型のドライバーにこだわってきたオーデジーだからこそ完成できたイヤホンと自負している。Lightning端子のDACアンプ内蔵ケーブルとともに、イヤホンの設計と生産は米ロサンゼルスの拠点で行っている。アイデアを素早くかたちにできるのがオーデジーの強みだ」とThiagasamudram氏は胸を張る。
IFA会場で、iSINE10のサウンドを聴くことができた。試聴時はiPadと接続されていた。
驚くほどに解像感が高く、音の粒立ちが緻密だ。ボーカルは声の輪郭がとても立体的に浮き彫りになることが確認できた。
とはいえ、オープンエアのイヤホンなので、当然ながら外の騒音が飛び込んでくるし、聴いている音楽は盛大に漏れる。環境が環境なので、低域のバランスや質感は確かめづらかったが、静かな室内で聴けたら驚かされることが多くありそうと直感した。
Thiagasamudram氏は「iSINE」の発売以降も、平面磁界駆動型イヤホンの開発の手を休めないつもりらしい。会場ではOculus RiftにiSINEを装着する変換ケーブルも紹介している。
イヤホン発売前からアクセサリーが作れる理由については「私はOculus Riftの開発者と友だちだから。ぜひPS VRの開発者も紹介して欲しい(笑)」と冗談を飛ばしながら説明した。
10月上旬にアメリカで開催される“ロッキーマウンテン・オーディオフェス”には、平面磁界駆動型イヤホンのフラグシップモデル「LCDi3」を発表する計画もあるという。価格が2,499ドルになることも既に決まっているらしい。こちらも非常に楽しみだ。