HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2006/04/21 19:43
松下 BDドライブ発表会“ほぼすべての映画はBDで見られる”− プレーヤーは鋭意検討中
松下電器産業(株)は本日、Blu-ray Discドライブ「LF-MB121JD」を発表。記者発表会を都内で開催した(→新製品ニュース)。発表会には同社役員でデジタルネットワーク・ソフトウェア技術担当の津賀一宏氏らが出席し、同社のBDにおける戦略の説明などを行った。
津賀氏はまず、「BDの技術開発に注力してきた結果、04年にレコーダー1号機を発売。今回BD-ROM対応機を発売することとなり新しい節目を迎えることになった」と語り、新製品の重要性を強調した。同社はこれまで、DTV/DVD/SDからなる3Dバリューチェーンに取り組んできた。同氏は「映像のHD化にともないDVDがBDとなることで、BDを中心とした“HD World”が実現可能となった」と語る。民生用の再生専用機に関しては質問が飛ぶ前に「鋭意検討中。未定としか言えない」と口をつぐんだ。
もう一つの次世代ディスク、HD DVDとの比較も多く紹介された。規格化の状況については、BDが各種規格化を完了しているのに対し、HD DVDは-RWなどの規格化が完了していないことを挙げ、BDの順調な進行をアピールした。また両陣営のサポート会社の一覧を示し、体制が優位であることを説明した。さらに、ハリウッドスタジオの支持状況も例に挙げた。現在、BDのみのサポートが約49.1%であるのに対し、HD DVDのみのサポートが12.3%、両ディスクサポートが31.9%となっており、津賀氏は「BDサポートは81%。ほぼすべての映画をBDで見ることができる」と自信を見せた。スタジオに負荷のかかるオーサリング作業に関しては「ソニーと松下でスタジオをサポートしていく」と説明した。
ディスクの生産に関する説明も行われた。現在、米カリフォルニアでは2層BD-ROMの量産ラインが稼働中で、ここでは新開発のスピンコート装置が採用され、安価で高品位なディスクの生産が順調に行われているという。
また同社は、高画質なコンテンツ供給のための研究開発にも力を入れている。同社がBD用の映像方式として推し進めるのはMPEG-4 AVCフォーマット。パナソニック・ハリウッド研では、映画会社の技術者らとエンコーダーの開発を進めており、リアルタイムエンコーダーの開発も実現しているという。
津賀氏は「BDにおいて、インタラクティブ機能も重要な要素の一つである」と言う。会場では、BDに収録されたJavaによるインタラクティブ機能のデモも披露された。バックグラウンドでHD映像を再生しながらポップアップメニュー画面を表示し検索を行う、といった一連の流れを紹介した。
さらに、AACS、BD+、BD-ROMマークの3階層システムによるBD-ROM用の著作権保護技術も紹介。BD+はウィルス対策ソフト型のハッカー対策システムで、AACSがハックされた場合にそのハッキングを検出すると同時に再生を停止するという追加技術だ。
最後に同氏は、ドライブの開発・生産能力について説明。同社は現在、スリムタイプのドライブにおいてNo.1のシェアを持っており、今回BDドライブの出荷も業界初。今後も業界を牽引していきたい考えを明らかにした。「BDはすべてのDVDに置き換わる」と述べた同氏は、車載用ドライブも例外ではないとし、振動によるレンズの衝突を避ける新技術の開発も紹介した。
以下に、本発表会で行われた質疑応答の内容を掲載する。
Q.BD-ROM対応の再生アプリケーションを付属しないのはアライブの承認待ちということか?
A.ハード的には対応できている。アプリケーション等の状況によってアップデートしていく。ROMはアライブと関係ない。放送記録に関してはアライブの許可をもらっている。商品の準備さえできれば出していく。
Q.ドライブ使用時のPCの推奨スペックは?
A.ペンティアム3の700MHz以上が必要で、推奨は1GHz以上。128MB以上のメモリが必要。ディスプレイは1024×768ドット以上が必要。
Q.LG電子がBD/HD DVD両対応のドライブを開発するといった話もあるが、両対応ドライブに関してどう考えるか?
A.ユーザーの要望を見守っていきたい。最終的には市場の動向次第だと考えている。
Q.BDディスクの歩留まりは?
A.公表はもう少し待って頂きたい。
Q.次世代ディスクに関しては東芝が先行しているが、このことに関してどう考えているか?
A.全て想定の範囲内。DVDの時のように、ハリウッドが1つのディスクを選択すると言っていた頃はハリウッドの支持をどう得るかということを最大のポイントに考えていたが、今回の発表にあった通りほぼハリウッドの支持は得られた。今後は商品を通しての勝負。商品のバリエーション、ブランド力で圧倒的な優位に立っているので何も心配していない。
Q.BD、HD DVDの決着はいつ付く?
A.何を持って決着か判らない。決着というものはないのかもしれないが、BDがよい商品を粛々と出していくことで、ユーザー、ハリウッドの支持を得ていくことができるのではないかと考えている。
Q.今回の新製品は世界同時展開と考えてよいか?
A.ディスクはすでに出荷を始めている。ドライブについては検討中だが、10社以上のPCメーカーにドライブの紹介は行っている。
Q.1層ディスク、2層ディスクの出荷の割合は?
A.初回出荷では1層対2層は、3対1の比率になる。
Q.BD-ROM再生に対応したソフトを付属しないが、今後再生ソフトは無償もしくは有償で配布するのか? またそれらのソフトを使用するためのPCの推奨スペックはあるか?
A.ソフトウェアに関しては検討中。再生にはハイエンドクラスのPCが必要になる。
Q.民生用の再生専用機に関して「鋭意検討中」というが、全く白紙なのか? それとも今年中には発売するのか?
A.鋭意検討中としか言えない。北米では9月に再生専用機の発売が決定している。
(Phile-web編集部)
津賀氏はまず、「BDの技術開発に注力してきた結果、04年にレコーダー1号機を発売。今回BD-ROM対応機を発売することとなり新しい節目を迎えることになった」と語り、新製品の重要性を強調した。同社はこれまで、DTV/DVD/SDからなる3Dバリューチェーンに取り組んできた。同氏は「映像のHD化にともないDVDがBDとなることで、BDを中心とした“HD World”が実現可能となった」と語る。民生用の再生専用機に関しては質問が飛ぶ前に「鋭意検討中。未定としか言えない」と口をつぐんだ。
もう一つの次世代ディスク、HD DVDとの比較も多く紹介された。規格化の状況については、BDが各種規格化を完了しているのに対し、HD DVDは-RWなどの規格化が完了していないことを挙げ、BDの順調な進行をアピールした。また両陣営のサポート会社の一覧を示し、体制が優位であることを説明した。さらに、ハリウッドスタジオの支持状況も例に挙げた。現在、BDのみのサポートが約49.1%であるのに対し、HD DVDのみのサポートが12.3%、両ディスクサポートが31.9%となっており、津賀氏は「BDサポートは81%。ほぼすべての映画をBDで見ることができる」と自信を見せた。スタジオに負荷のかかるオーサリング作業に関しては「ソニーと松下でスタジオをサポートしていく」と説明した。
ディスクの生産に関する説明も行われた。現在、米カリフォルニアでは2層BD-ROMの量産ラインが稼働中で、ここでは新開発のスピンコート装置が採用され、安価で高品位なディスクの生産が順調に行われているという。
また同社は、高画質なコンテンツ供給のための研究開発にも力を入れている。同社がBD用の映像方式として推し進めるのはMPEG-4 AVCフォーマット。パナソニック・ハリウッド研では、映画会社の技術者らとエンコーダーの開発を進めており、リアルタイムエンコーダーの開発も実現しているという。
津賀氏は「BDにおいて、インタラクティブ機能も重要な要素の一つである」と言う。会場では、BDに収録されたJavaによるインタラクティブ機能のデモも披露された。バックグラウンドでHD映像を再生しながらポップアップメニュー画面を表示し検索を行う、といった一連の流れを紹介した。
さらに、AACS、BD+、BD-ROMマークの3階層システムによるBD-ROM用の著作権保護技術も紹介。BD+はウィルス対策ソフト型のハッカー対策システムで、AACSがハックされた場合にそのハッキングを検出すると同時に再生を停止するという追加技術だ。
最後に同氏は、ドライブの開発・生産能力について説明。同社は現在、スリムタイプのドライブにおいてNo.1のシェアを持っており、今回BDドライブの出荷も業界初。今後も業界を牽引していきたい考えを明らかにした。「BDはすべてのDVDに置き換わる」と述べた同氏は、車載用ドライブも例外ではないとし、振動によるレンズの衝突を避ける新技術の開発も紹介した。
以下に、本発表会で行われた質疑応答の内容を掲載する。
Q.BD-ROM対応の再生アプリケーションを付属しないのはアライブの承認待ちということか?
A.ハード的には対応できている。アプリケーション等の状況によってアップデートしていく。ROMはアライブと関係ない。放送記録に関してはアライブの許可をもらっている。商品の準備さえできれば出していく。
Q.ドライブ使用時のPCの推奨スペックは?
A.ペンティアム3の700MHz以上が必要で、推奨は1GHz以上。128MB以上のメモリが必要。ディスプレイは1024×768ドット以上が必要。
Q.LG電子がBD/HD DVD両対応のドライブを開発するといった話もあるが、両対応ドライブに関してどう考えるか?
A.ユーザーの要望を見守っていきたい。最終的には市場の動向次第だと考えている。
Q.BDディスクの歩留まりは?
A.公表はもう少し待って頂きたい。
Q.次世代ディスクに関しては東芝が先行しているが、このことに関してどう考えているか?
A.全て想定の範囲内。DVDの時のように、ハリウッドが1つのディスクを選択すると言っていた頃はハリウッドの支持をどう得るかということを最大のポイントに考えていたが、今回の発表にあった通りほぼハリウッドの支持は得られた。今後は商品を通しての勝負。商品のバリエーション、ブランド力で圧倒的な優位に立っているので何も心配していない。
Q.BD、HD DVDの決着はいつ付く?
A.何を持って決着か判らない。決着というものはないのかもしれないが、BDがよい商品を粛々と出していくことで、ユーザー、ハリウッドの支持を得ていくことができるのではないかと考えている。
Q.今回の新製品は世界同時展開と考えてよいか?
A.ディスクはすでに出荷を始めている。ドライブについては検討中だが、10社以上のPCメーカーにドライブの紹介は行っている。
Q.1層ディスク、2層ディスクの出荷の割合は?
A.初回出荷では1層対2層は、3対1の比率になる。
Q.BD-ROM再生に対応したソフトを付属しないが、今後再生ソフトは無償もしくは有償で配布するのか? またそれらのソフトを使用するためのPCの推奨スペックはあるか?
A.ソフトウェアに関しては検討中。再生にはハイエンドクラスのPCが必要になる。
Q.民生用の再生専用機に関して「鋭意検討中」というが、全く白紙なのか? それとも今年中には発売するのか?
A.鋭意検討中としか言えない。北米では9月に再生専用機の発売が決定している。
(Phile-web編集部)