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公開日 2016/08/09 14:59

ローランド、V-MODAを買収。AUDIOFLYなどの輸入業務も開始

マイクやモニターSPも
編集部:風間雄介/小澤貴信
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ローランド(株)は、米V-MODA社の株式を70%保有し、子会社化したことを発表。同時に、海外ブランドの輸入販売事業を開始することも発表した。

V-MODAの製品群

輸入を開始する各ブランドのキーマンが集結

ローランドは本日、同社の海外ブランド仕入販売事業について発表会を開催。AUDIOFLYのイヤホン・ヘッドホン、Aston Microphonesのマイク、MUNRO SONICのモニタースピーカーの輸入販売を9月下旬に開始することも発表された。

V-MODAを子会社化。計4機種のヘッドホンやイヤホンを発売

V-MODAは2005年、人気DJのVal Kolton氏が設立したヘッドホンメーカー。今回発売がアナウンスされたヘッドホンは以下の4機種となる。

・「Crossfade M-100」 オーバーヘッド型ヘッドホン
・「Crossfade WIRELESS」 Bluetoothヘッドホン
・「XS」 オンイヤー型ヘッドホン
・「Zn」 カナル型イヤホン

「Crossfade M-100」と「Crossfade WIRELESS」

「Zn」

なお、各モデルの価格はオープン。正式な発売日および予想実売価格は追ってアナウンスされるとのことだ。

ローランドでは、V-MODAをグループ企業にすることで、ヘッドホンメーカーとしての開発力、デザイン力、ファンとのつながりを様々な分野に活かし、将来的にはローランドの事業との相乗効果によって、電子楽器の魅力をさらに高めていくことを目指していく、としている。V-MODA社のCEOは引き続きVal Kolton氏が務める。ちなみにこれまでV-MODAの製品は、BRAVELLが輸入代理業務を行っていた。

V-MODAのCEO Val Kolton氏

発表会にはV-MODAのCEOであるVal Kolton氏が登場。「昨日8月8日に、正式にローランドのファミリーに加わることが決まりました。まさに“808DAY”(808はローランドのシンセサイザー銘器)という良き日です。V-MODAのヘッドホンの音作りには、808で作った音を使用した曲を使っていますし、私自身、808を使ってトラック製作を行っていました」と、ローランドへの想いを語った。

また、ローランドとV-MODAの出会いについても紹介。ローランドがシンセサイザー/リズムマシーン「TR-8」のサウンドとヘッドホンのマッチングをチェックするために、100以上のヘッドホンとの組み合わせを試していたなかで、もっとも相性がよかったのが「Crossfade M-100」だったのだという。

V-MODAは現在イタリア・ミラノに本拠を構え、ロサンゼルスと香港にオフィスを構えているが、今後東京にもあらたにオフィスを開設するとのこと。また、日本向けのモデルの開発も行っていく。

「Crossfade M-100」はV-MODAの旗艦ヘッドホンで、50mmデュアルダイアフラムドライバーを搭載。米国防省の調達基準“ミルスペック”に準拠した耐久性や環境耐性も備えている。「Crossfade WIRELESS」は、M-100のBluetoothモデルとなる。「XS」はコンパクトなオンイヤー型モデル。いずれのヘッドホンも折りたたみが可能で、イヤーカップのシェルを交換して自分好みのデザインを楽しむことができる。

イヤホン「Zn」は、特許製法で鋳造した亜鉛合金を用いたハウジングが特徴のダイナミックドライバー搭載イヤホン。ケブラー素材を用いたケーブルは、一般的なケーブルの20倍の強度を持ち、絡まりにくいことも特徴だ。

オーストラリアのイヤホンブランド「AUDIOFLY」を輸入販売

AUDIOFLYは2010年にオーストラリで設立されたイヤホン/ヘッドホンブランド。ミュージシャンの視点にこだわりをもって、イヤホン/ヘッドホンの開発を行ってきたという。日本では一時期、タイムロードが取り扱いを行っていた。

取り扱い開始予定のモデルは以下の通り。価格はいずれもオープン。実売想定価格や発売日は、こちらもおってアナウンスされる。

<PROシリーズ・イヤホン>
・「AF180」 (ドライバー構成:BA×4)
・「AF160」 (ドライバー構成:BA×3)
・「AF140」 (ドライバー構成:BA×2 + ダイナミック×1)
・「AF120」 (ドライバー構成:BA×1 + 9mmダイナミック×1)

PROシリーズ

<PREMIUMシリーズ・イヤホン>
AF78」(ドライバー構成:BA×1 + 9mmダイナミック×1)
AF56」(ドライバー構成:13mmダイナミック×1)
AF45」(ドライバー構成:11mmダイナミック×1)
AF33」(ドライバー構成:9mmダイナミック×1)

PREMIUMシリーズ

<ヘッドホン>
AF240」 オーバーヘッド型ヘッドホン

「AF240」

発表会には、同社のセールスマネージャーであるMatt Rowett氏が登場。ブランドの概要や主要製品について紹介を行った。

AUDIOFLY Matt Rowett氏

同氏は「AUDIOFLYでは、ミュージシャンの声を集めながらイヤホンを設計しています。そして、その設計思想にはビンテージのオーディオ機器や楽器から影響を受けています。こうした楽器や機材の素材の良さ、素晴らしい音の仕上がりは時を経ても多くの人に支持されますが、AUDIOFLYの製品もこのように長く愛用されることを目指しています」とブランドのポリシーを紹介していた。

モニタースピーカーブランド Munro Sonicの「EGGシリーズ」

Munro Sonicは、スピーカー設計技師のAndy Munro氏と、Sonic Distribution社の協同開発によるニアフィールドモニターブランド。アンプユニットを独立させスピーカーを卵型とすることで、箱型スピーカーと比較して内部反響を押さえることができ、音場再現に優れた高解像度サウンドを実現できるとしている。世界的なプロデューサーやエンジニアが監修した中音域のイコライジングもポイントとのことだ。

EGGシリーズ

ラインナップは、150mmウーファー+25mmトゥイーターのスピーカーと合計200Wのバイアンプ方式アンプによる「EGG150」と、100mmウーファー+25mmトゥイーターのスピーカーと合計60Wのアンプによる「EGG100」を用意する。

Aston Microphoneのマイクも取扱開始。Roland/Bossのアクセサリーも発表。

その他、Aston Microphonesのコンデンサーマイクやリフレクションフィルターの取り扱い開始も発表。Fluid Audio社のモニタースピーカーも取り扱い予定であることもアナウンスされた。

Fluid Audio社のモニタースピーカーを参考出展

Aston Microphonesのコンデンサーマイクとリフレクションフィルター

ローランドが手がけるRolandブランド、BOSSブランドによる音楽用アクセサリーの発表も行われた。Rolandブランドではフォーン端子による楽器用ケーブルとして「Goldシリーズ」「Blackシリーズ」、3.5mmケーブルやRCAケーブルなどもそろえた「Interconnect Cableシリーズ」を用意。BOSSブランドからは、ギター用のケーブルやストラップ、ピックなどがラインナップされる。

Rolandのアクセサリー群

BOSSのアクセサリー群


従来の楽器分野に加えて、新領域へのパワーシフトも行う

発表会冒頭では、ローランド(株)の代表取締役社長である三木純一氏が挨拶。同社は2014年にMBOによって株式の非上場化を行ったが、同時に構造改革と将来的な成長への種まきを行ってきたと述べた。そして、ここまでの2年間では同社のRolandブランド、BOSSブランドのファンの期待に応えるべくギターアンプやエフェクター、シンセサイザーの新製品を積極的にラインナップしてきたが、今後は新たな市場開拓へのパワーシフトも実施するとのこと。その一貫として、今回発表された海外ブランドの仕入販売事業も行っていく。

ローランド(株) 代表取締役社長 三木純一氏

続いて登場した同社 RJSカンパニー社長の山崎一彦氏は、「ローランドの国内営業部門は、確実な再成長フェーズに入っている」とコメント。各製品が好評で順調な回復に寄与しているものの、国内における売上や利益には課題もあり、今回発表する新製品によって、国内ビジネスも早期に健全化していくとした。

同社 RJSカンパニー社長 山崎一彦氏

また、今回取り扱いが発表された海外ブランドについては「ローランド・パートナーシップブランド」と銘打って、その販売を行っていくという。

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