公開日 2015/06/19 08:30
“スマホでハイレゾ”の実力は? Xperia Z4など「ハイレゾ対応スマホ」2015年夏モデル一斉試聴
<山本敦のAV進化論 第59回>
国内3大キャリアから2015年夏のスマートフォン新製品が出揃った。今期も「ハイレゾ対応」のAndroidスマートフォンを集めて実力を比べてみたい。
はじめに今期のハイレゾ対応スマホの傾向を大づかみに把握しておこう。ハイレゾ対応のAndroidスマホが本格的に充実しはじめたのは、昨年2014年の秋にNTTドコモが7機種のラインナップを一斉に発表して以来。当時ドコモは新製品の記者発表会でも「ハイレゾ対応」を大々的にアピール。当連載ではその中から幾つかの製品を揃えてハイレゾ対応スマホの比較試聴も行った(関連記事)。当時から大きく変わっている点はまずイヤホン端子からのアナログハイレゾ出しが192kHz/24bitにアップグレードしたこと。これはドコモ機に限らず、auやソフトバンクが今期に投入する製品にも共通している。
またプラットフォームが軒並みAndroid 5.0に更新されたことから、USB出力によるハイレゾのデジタル出力が可能になった。今回テストした全機種で対応が確認できたのだが、どうやら再生楽曲のスペックに関わらず、USB-DACにアップサンプリングして出力される仕様になっているようだ。詳細については後ほど触れたい。
今回取材を行った時点で各キャリアから集めることができたハイレゾ対応スマホは全7機種。一部オーディオ周りの機能を取材する準備が整っていなかったモデルがあり、それらが今回は含まれていないことは予めご了承いただきたい。また今回はハイレゾ対応のスマホに対象を絞った。「Xperia Z4」と「Galaxy S6 edge」は3キャリアが共通して扱うモデルだが、今回はドコモから実機を借りて取材を行っている。
■再生可能なファイル形式が多彩な「Xperia Z4」
ソニーモバイル「Xperia」シリーズの最新フラグシップは、昨年発売の「Xperia Z3」に続いて3キャリアが揃って発売する。約5.2インチのフルHD液晶を搭載。本体を約6.9mmに薄型化しながら、サウンド・ディスプレイ・カメラの3大エンターテインメント要素を高次に融合させた点に注目だ。オーディオ関連の機能では、スマホとして初めてBluetoothでハイレゾ並みの高音質再生を実現するLDACへの対応や、つないだイヤホンの特性を自動検出して最適な音質に整える「ヘッドホン自動最適化」の機能などがハイライトになる。
音楽再生まわりの機能では、ソニーの“ウォークマン”シリーズのノウハウを詰め込んだ「ミュージック」(旧・Walkman)アプリの出来映えがよい。シンプルなメニュー構成とスムーズな操作感。今回取材したスマホの中で、Xperiaシリーズだけがギャップレス再生に対応していたことは特筆しておきたい。再生対応ファイル形式にAIFFが追加され、WAV/FLAC/ALACのほか、2.8MHz DSDのDSF/DSDIFFファイルのPCM変換再生と合わせてハイレゾ音源がかなり広範囲に楽しめる。
一方で非常に残念なのは、楽曲情報のサンプリング周波数やビットレートなど詳細を表示する機能が意外にもないこと。元祖ハイレゾ対応スマホのイメージが強いXperiaだけに、ぜひアップデート等で対応して欲しい。
また、本機ではSDカードスロットとSIMカードスロットが一体化されたのだが、SDカードを抜き差しするたびに本体を再起動しなければならない。スロットの数が減ればデザインの外観はスマートになるが、ハイレゾ楽曲の場合はどうしてもファイルサイズが大きくなるので、本体内蔵メモリーと1枚のSDカードでは管理しきれなくなってくる。ハイレゾの魅力にハマるほど、SDカードを入れ替える手間が感じられてしまうのも残念だ。
■ハイレゾのUSB出力に大幅な仕様変更
Xperiaは昨年春に発売された「Xperia Z2」から、USB出力によるハイレゾ再生が可能になった。microUSB端子に、USB OTGケーブルを介してからUSBケーブルでDAC内蔵のポタアンや据え置きコンポーネントにつなげばハイレゾ再生が楽しめる。設定方法も簡単で、「音設定」のメニューに配置されている「USB経由のハイレゾオーディオ」にチェックを入れるだけ。…のはずだったのだが、設定項目があるべき場所に見つからない…。
はじめに今期のハイレゾ対応スマホの傾向を大づかみに把握しておこう。ハイレゾ対応のAndroidスマホが本格的に充実しはじめたのは、昨年2014年の秋にNTTドコモが7機種のラインナップを一斉に発表して以来。当時ドコモは新製品の記者発表会でも「ハイレゾ対応」を大々的にアピール。当連載ではその中から幾つかの製品を揃えてハイレゾ対応スマホの比較試聴も行った(関連記事)。当時から大きく変わっている点はまずイヤホン端子からのアナログハイレゾ出しが192kHz/24bitにアップグレードしたこと。これはドコモ機に限らず、auやソフトバンクが今期に投入する製品にも共通している。
またプラットフォームが軒並みAndroid 5.0に更新されたことから、USB出力によるハイレゾのデジタル出力が可能になった。今回テストした全機種で対応が確認できたのだが、どうやら再生楽曲のスペックに関わらず、USB-DACにアップサンプリングして出力される仕様になっているようだ。詳細については後ほど触れたい。
今回取材を行った時点で各キャリアから集めることができたハイレゾ対応スマホは全7機種。一部オーディオ周りの機能を取材する準備が整っていなかったモデルがあり、それらが今回は含まれていないことは予めご了承いただきたい。また今回はハイレゾ対応のスマホに対象を絞った。「Xperia Z4」と「Galaxy S6 edge」は3キャリアが共通して扱うモデルだが、今回はドコモから実機を借りて取材を行っている。
■再生可能なファイル形式が多彩な「Xperia Z4」
ソニーモバイル「Xperia」シリーズの最新フラグシップは、昨年発売の「Xperia Z3」に続いて3キャリアが揃って発売する。約5.2インチのフルHD液晶を搭載。本体を約6.9mmに薄型化しながら、サウンド・ディスプレイ・カメラの3大エンターテインメント要素を高次に融合させた点に注目だ。オーディオ関連の機能では、スマホとして初めてBluetoothでハイレゾ並みの高音質再生を実現するLDACへの対応や、つないだイヤホンの特性を自動検出して最適な音質に整える「ヘッドホン自動最適化」の機能などがハイライトになる。
音楽再生まわりの機能では、ソニーの“ウォークマン”シリーズのノウハウを詰め込んだ「ミュージック」(旧・Walkman)アプリの出来映えがよい。シンプルなメニュー構成とスムーズな操作感。今回取材したスマホの中で、Xperiaシリーズだけがギャップレス再生に対応していたことは特筆しておきたい。再生対応ファイル形式にAIFFが追加され、WAV/FLAC/ALACのほか、2.8MHz DSDのDSF/DSDIFFファイルのPCM変換再生と合わせてハイレゾ音源がかなり広範囲に楽しめる。
一方で非常に残念なのは、楽曲情報のサンプリング周波数やビットレートなど詳細を表示する機能が意外にもないこと。元祖ハイレゾ対応スマホのイメージが強いXperiaだけに、ぜひアップデート等で対応して欲しい。
また、本機ではSDカードスロットとSIMカードスロットが一体化されたのだが、SDカードを抜き差しするたびに本体を再起動しなければならない。スロットの数が減ればデザインの外観はスマートになるが、ハイレゾ楽曲の場合はどうしてもファイルサイズが大きくなるので、本体内蔵メモリーと1枚のSDカードでは管理しきれなくなってくる。ハイレゾの魅力にハマるほど、SDカードを入れ替える手間が感じられてしまうのも残念だ。
■ハイレゾのUSB出力に大幅な仕様変更
Xperiaは昨年春に発売された「Xperia Z2」から、USB出力によるハイレゾ再生が可能になった。microUSB端子に、USB OTGケーブルを介してからUSBケーブルでDAC内蔵のポタアンや据え置きコンポーネントにつなげばハイレゾ再生が楽しめる。設定方法も簡単で、「音設定」のメニューに配置されている「USB経由のハイレゾオーディオ」にチェックを入れるだけ。…のはずだったのだが、設定項目があるべき場所に見つからない…。