公開日 2011/10/31 15:45
注目のUSB-DAC、TechDAS「D-7i/192」を聴く!
「Net Audio」vol.4 好評発売中
現在発売中の「Net Audio」Vol.4。ここでは、試聴取材を行ったオーディオ評論家、石原俊氏の記事を一部抜粋し、USB-DACの注目機、techDAS(テクダス)の最新DAC「D-7i/192」をご紹介しよう。
◇
テクダスは輸入商社のステラヴォックスジャパンが自ら企画・開発したオーディオ・ブランドである。同社は、スイスのゴールドムンドをはじめとする、世界の超一流製品の輸入を長年にわたって手掛けてきた。同社がアイデアを提供したことでこの世に生を受けた製品も少なくない。いつかは同社がメーカー的な役割を演じる日が来ると思っていたが、ついにその日がやってきたのだ。
D-7i/192はテクダスブランドの初代機D-7iの改良型である。D-7系モデルは、多彩な機能を有している。まずはUSB DACとして機能する。デジタル入力はUSBのほか同軸と光の3系統。同軸デジタル出力も装備しているので、DDコンバーターとしても機能し、アップサンプリング回路も搭載しているので、入力フォーマットの整数倍のサンプリング周波数に変換してデジタル出力することも可能だ。
RCA出力の片方は音量調整回路を経由するので、プリアンプとして使用することもできる。さらにはフロントパネルにはヘッドフォン端子がある。また、「i」モデルのフロントパネルにはiPod用デジタル入力端子がマウントされており、iPod内の音源を高品位サウンドで楽しむこともできる。まさに万能のネットオーディオ用デジタル・コントロール・センターである。今回の改良でUSB入力の対応サンプリング周波数が192k㎐になるとともに、電源部が強化された。なお、ステラヴォックスジャパンでは3万5千円にてアップデートサービスを行っているので、USB入力96kHz対応の旧モデル(D-7/D-7i)をお持ちの方はぜひ利用されることをお薦めする。なお、今後はLAN端子増設によるネットワーク対応も予定されており、さらなるバージョンアップが可能となる。
サウンドは、しゃっきりしていて、剛性感が高く、それでいて繊細感もあり、基本的にはひんやりとしているのだが、耳になじんでくると、ほのかな体温のようなものがあることに気づく。
ジャズはきわめてスマートだ。音像の凝縮感は、これまで聴いたあらゆるDACのなかでもピカイチといっても過言ではない。ブラス楽器のキュキュッとしまった音像は鋭利な刃物のよう。メロディとリズムの表現は極めて高精細だ。空気感も高精細で、ミュージシャンの呼吸や指使いまでもが視覚的に伝わってくる。ベースの音像はしっかりしているが、膨張することは決してない。これはライヴでも従来型のオーディオでも得られない、ネットオーディオならではの新たな種類の味わいを、本機が巧みに引き出している証左である。CDクオリティの44.1kHzをはじめ、48kHz、96kHzを聴いてもその音の在り方は揺るぎない。ヴォーカルはあっと驚くほどのリアリズムを持つ。現代の真に優れた演奏の良好な録音を聴くにはこれ以上ないほどうってつけと言える。
■本機の魅力
海外の超高級機を知り尽くしたステラヴォックスジャパンが自ら興したブランドの製品だけに、今後のハイエンドオーディオの在り方を示唆するような内容を有している。音楽的には、同社が輸入を手掛けるゴールドムンドをより先鋭的にしたような印象だ。多元的な使い方ができる構成もすばらしいし、バージョンアップに応じている姿勢にも好感が持てる。さまざまな意味合いにおいて、USB DACの最先端を行く製品である。
◇
<お詫びと訂正>
「Net Audio」Vol.4 特集「価格帯別で聴く USB DAC30モデル スクランブルテスト」内、70pのtechDAS紹介記事内にて表記の誤りがございました。USB入力(最大サンプリング周波数/bit数)が96kHz/24bitとなっておりますが、取材したモデルはD-7i/192 ¥OPEN(予想実売価格33万円前後)で、192kHz/24bitの対応となります。関係者の皆様、ならびに読者の皆様に多大なご迷惑をおかけしましたことを、お詫び申し上げます。
テクダスは輸入商社のステラヴォックスジャパンが自ら企画・開発したオーディオ・ブランドである。同社は、スイスのゴールドムンドをはじめとする、世界の超一流製品の輸入を長年にわたって手掛けてきた。同社がアイデアを提供したことでこの世に生を受けた製品も少なくない。いつかは同社がメーカー的な役割を演じる日が来ると思っていたが、ついにその日がやってきたのだ。
D-7i/192はテクダスブランドの初代機D-7iの改良型である。D-7系モデルは、多彩な機能を有している。まずはUSB DACとして機能する。デジタル入力はUSBのほか同軸と光の3系統。同軸デジタル出力も装備しているので、DDコンバーターとしても機能し、アップサンプリング回路も搭載しているので、入力フォーマットの整数倍のサンプリング周波数に変換してデジタル出力することも可能だ。
RCA出力の片方は音量調整回路を経由するので、プリアンプとして使用することもできる。さらにはフロントパネルにはヘッドフォン端子がある。また、「i」モデルのフロントパネルにはiPod用デジタル入力端子がマウントされており、iPod内の音源を高品位サウンドで楽しむこともできる。まさに万能のネットオーディオ用デジタル・コントロール・センターである。今回の改良でUSB入力の対応サンプリング周波数が192k㎐になるとともに、電源部が強化された。なお、ステラヴォックスジャパンでは3万5千円にてアップデートサービスを行っているので、USB入力96kHz対応の旧モデル(D-7/D-7i)をお持ちの方はぜひ利用されることをお薦めする。なお、今後はLAN端子増設によるネットワーク対応も予定されており、さらなるバージョンアップが可能となる。
サウンドは、しゃっきりしていて、剛性感が高く、それでいて繊細感もあり、基本的にはひんやりとしているのだが、耳になじんでくると、ほのかな体温のようなものがあることに気づく。
ジャズはきわめてスマートだ。音像の凝縮感は、これまで聴いたあらゆるDACのなかでもピカイチといっても過言ではない。ブラス楽器のキュキュッとしまった音像は鋭利な刃物のよう。メロディとリズムの表現は極めて高精細だ。空気感も高精細で、ミュージシャンの呼吸や指使いまでもが視覚的に伝わってくる。ベースの音像はしっかりしているが、膨張することは決してない。これはライヴでも従来型のオーディオでも得られない、ネットオーディオならではの新たな種類の味わいを、本機が巧みに引き出している証左である。CDクオリティの44.1kHzをはじめ、48kHz、96kHzを聴いてもその音の在り方は揺るぎない。ヴォーカルはあっと驚くほどのリアリズムを持つ。現代の真に優れた演奏の良好な録音を聴くにはこれ以上ないほどうってつけと言える。
■本機の魅力
海外の超高級機を知り尽くしたステラヴォックスジャパンが自ら興したブランドの製品だけに、今後のハイエンドオーディオの在り方を示唆するような内容を有している。音楽的には、同社が輸入を手掛けるゴールドムンドをより先鋭的にしたような印象だ。多元的な使い方ができる構成もすばらしいし、バージョンアップに応じている姿勢にも好感が持てる。さまざまな意味合いにおいて、USB DACの最先端を行く製品である。
<お詫びと訂正>
「Net Audio」Vol.4 特集「価格帯別で聴く USB DAC30モデル スクランブルテスト」内、70pのtechDAS紹介記事内にて表記の誤りがございました。USB入力(最大サンプリング周波数/bit数)が96kHz/24bitとなっておりますが、取材したモデルはD-7i/192 ¥OPEN(予想実売価格33万円前後)で、192kHz/24bitの対応となります。関係者の皆様、ならびに読者の皆様に多大なご迷惑をおかけしましたことを、お詫び申し上げます。