パナソニック、同社初の4Kテレビ“VIERA”「TH-L65WT600」国内発表

パナソニックは、HDMI2.0に準拠した同社初の4K対応液晶テレビ“スマートビエラ”「TH-L65WT600」を10月中旬より発売する。価格はオープンだが、750,000円前後での実売が予想される。

本機は4K解像度（3,840×2,160）の表示に対応する65型の液晶テレビ。先日発表されたばかりのHDMI2.0（関連ニュース）に対応し、4K/60P信号の入力が可能となる。また、DisplayPort1.2aに準拠し、パソコンからの4K/60p入力に対応。さらに、インターネットブラウザー機能も4K対応し、4K表示に対応したWebサイトを4K表示できる。テレビ番組表や独自のスマート機能も4K画質での表示が可能となった。

■「HDMI 2.0」と「DisplayPort1.2a」を搭載で4K/60p入力に対応

本機は9月4日に発表されたHDMIの最新規格である「HDMI2.0」（関連ニュース）に準拠し、4K/60p映像信号の入力に対応する。また、色信号を圧縮しない「4：4：4」入力も可能となり、「シネマプロモード」においては同社のBDレコーダーで「クロマアップコンバート」した4：4：4映像信号をより豊かな色合いで表示できる。

さらに「DisplayPort 1.2a」に準拠し、DisplayPort端子からパソコンなどの4K/60p映像信号の入力が可能。4K画質で制作されたPC用ゲームなどもオリジナルのまま表示できる。また、ゲーム向けに低遅延の「モニターモード」も搭載する。本体に搭載されたSDカードスロットやUSB端子から、SDカードやUSBメモリーに保存された4K動画や静止画を再生することも可能だ。

■4K高画質技術「4Kフレームクリエーション」「4Kファインリマスターエンジン」

4K画質を向上させるための画質機能も搭載。「4Kフレームクリエーション」は1秒60コマで構成される動画を解析し、動きを予測して新しいコマを補間する機能。LEDバックライトの分割駆動を用いて、映像に合わせて分割したブロックのバックライトを順次オフにして黒を挿入した発光を行うことで、残像感も大幅に低減したとのこと。16倍速相当の映像表示が可能となるという。

また、本機は4K/60p入力に対応しているので、4K/120pでの表示についても、4K30p入力より補間するコマ数が少なくなる。よって、前後から作り出すコマがより少なくてすみ、高精度かつ滑らかな動きが可能となる。そのほか前述のように、本機はLEDバックライトのエリア制御にも対応する。

BDソフトやデジタル放送など4K未満のソースを高画質で4K表示するための超解像機能「4Kファインリマスターエンジン」を搭載。入力された映像信号を、内蔵する12万通りの映像データベースと照合し、画質補正をおこなう「リマスター超解像」と、映像の質感を高める「ディテール超解像」の組み合わせにより、フルHDやSD映像を4K映像にアップコンバートする。補正に使用されるデータベースについては、デジタル放送用、BD用などソースごとに用意されている。ネイティブの4K映像に対しても、高解像度ソース用の映像処理を行う。

その他にも、4Kを活かした高精細表示のための画質機能を多数搭載。「ランダムノイズリダクション」は、古い映像や、暗い環境で撮影された映像などに含まれるノイズに対し独自のノイズ分布モデルを用いて本来の映像とノイズ成分を分離、ノイズを抑えた映像を表示する機能。

「キラメキ復元効果」は無意識のうちに周囲とのコントラスト比でキラメキや透明感を感じる視覚特性を応用し、キラメキ感の不足した映像に対して理想に近い質感イメージを復元する。解像度の低いインターネット上の画像を独自のアルゴリズムで補正して見やすくする「ネット超解像」も搭載。さらに、ネット映像の文字を読みやすく補正する「クリアフォント」を採用した。

本機は3D表示にも対応。3Dはアクティブ方式となり、別売りでアクティブシャッター方式の3Dメガネが用意されるている。

■スマート機能も4K表示向けに刷新

テレビ映像に組み合わせてインターネットサービスや録画一覧などを好みで選んで表示する「マイホーム」機能も4K対応に合わせて刷新。従来では、サイトのイメージの一部を表示するだけだった「ブックマーク表示」も、サイトのほぼ全体を表示することが可能となった。

番組ガイドも4K解像度に合わせて変更。地上デジタル放送の全チャンネル、24時間分を1画面で表示可能となった。また、文字サイズは7段階で表示切替ができる。テレビ番組の2画面表示にも対応する。

インターネットブラウザー機能も4K表示に対応し、4K表示に対応したWEBサイトを4K画質で表示することができる。さらに、インターネット上で公開されている4K動画の再生にも対応。本機で画質補正を行うので、コマ数の少ない動画もより高画質で再生できる。

■スマート機能やスマホ連携機能もさらに充実した

付属するマイク内蔵リモコンを用いて、ネット検索やテレビの基本操作、番組のキーワード検索などテレビの音声操作ができる。テレビ本体に内蔵のカメラがユーザーの顔を認識し、各ユーザーが個別に設定したホーム画面を表示することも可能だ。

スマートフォン用アプリ「Panasonic TV Remote 2」をインストールして本機と連携すれば、スマートフォンと本機でコンテンツを共有したり、スマートフォンをリモコンとして使うことができる。

新搭載の「スワイプ＆シェア」は、スマートフォン内の動画や写真、音楽、Webサイトを本製品にスワイプ操作で転送して、テレビ側でコンテンツを視聴する機能。また、スマートフォンへの放送転送、USB-HDDに録画した番組の転送も可能だ。

3チューナーを搭載し、USB HDDを接続してのテレビ番組の録画にも対応。同社のインターネットサービス「ディモーラ」「ミモーラ」に対応し。パソコンやスマートフォンを使っての外出先から遠隔録画予約や、録画番組のシーン検索が可能となっている。

■ハイブリッドキャストにも対応

ハイブリッドキャスト（関連記事）にも対応。放送とインターネットの連携により、放送中の番組に関連する情報の提供や、VODサービスなどが予定されている。なお、発売済みのVT60シリーズ、FT60シリーズについてもソフトウェアダウンロードで順次、ハイブリッドキャストへの対応を予定している。

その他の特徴として、本機に接続したUSB HDDに録画した番組やSDカード、USBメモリーに保存した動画や静止画を対応機器に転送して視聴できるDLNAサーバー機能を搭載。また、ネットワークに接続したパソコンから、写真や動画などのファイルを本製品に接続したUSB HDDやSDカードに保存できるファイル共有機能も装備。Skype、ビエラリンク、エコナビなどにも対応する。

受信可能チャンネルは地上デジタル、BS/110度CSデジタル（3チューナー）。HDMI入力は4系統を搭載。その他映像入力はDisplayPort×1、D×1、コンポジット×1。音声出力端子は光デジタル×1、ヘッドホン×1。その他、LAN端子×1、SDカードスロット（SDXCメモリーカード対応）、USB端子×3（1系統のみUSB3.0端子）を搭載する。

定格消費電力は263W（待機時約0.1W）。外形寸法は1468W×960H×425Dmm、質量は約43.0kg（共にスタンド含む）。