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公開日 2018/09/27 11:30

BenQ、レーザープロジェクター2機種を日本展開。高輝度モデル「LU950」と超短焦点モデル「LH890UST」

ビジネス向け製品を拡充
編集部:押野 由宇
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ベンキューは、レーザープロジェクターの新製品として、5,000ルーメンの高輝度モデル「LU950」と、超短焦点モデル「LH890UST」の2モデルを9月28日より発売する。

「LU950」

・「LU950」¥OPEN(予想実売価格400,000円前後/税込)
・「LH890UST」¥OPEN(予想実売価格300,000円前後/税込)

LH890UST

ともにビジネスユースに向けた製品で、中〜大規模の会議室などでの使用を想定したスペックとなっている。ベンキューではこれまで大規模な展示会場などでの用途でのみレーザープロジェクターをラインナップしており、中規模クラスでの取り扱いは日本初。

LU950は5,000ルーメンの高輝度と、WUXGAの高解像度が特徴となるモデル。ボディは小型化が図られており、HDMIをはじめとした入出力端子も充実。さらにHDBaseT対応なためLANケーブルを用いた接続が可能で、ケーブルのコストにも配慮されている。

同社は「一般的な会議室の明るさは300ルクスであり、LU950を用いてスクリーンに150インチで投写した場合、600ルクスの明るさで投影できる」と説明しており、明るい環境において精細な描写が可能であるとアピールしている。

LH890USTは約8cmの距離で81インチサイズの投写が行える超短焦点モデル。解像度はフルHDで、輝度は4,000ルーメンを実現。コントラスト比は100,000:1。台形補正機能を搭載しており、設置後の微調整が可能な点が特徴。天吊りや高所設置など本体の位置調整が難しいケースが多いビジネスユースにおいて、わずかなズレを後から調整できることは大きなメリットとなる。

ベンキューの高画質技術を投入したレーザープロジェクター

ベンキューといえば、DLPプロジェクターで世界トップシェアを誇るブランドだ。市場調査会社Futuresourceのデータでは、DLPプロジェクターのシェアで11年連続世界1位を獲得しており、また2018年上半期は4Kプロジェクターでアジア38%のシェアを誇る。

そんな同社のビジネス/ホームプロジェクターのラインナップは主にランプ光源が用いられているが、今回追加される製品はレーザー光源を採用したモデルとなる。

ビジネスユースにおいてレーザープロジェクターは正確な色再現性、メンテナンス性の高さ、設置自由度の高さといったメリットを有している。そのうえで、LU950とLH890USTにはベンキューならではの技術を投入し、それらのメリットを強化した。

まず画質面として、レーザーには「BLUE CORE」技術を用いている。これは高画質を維持しながら、長期間の安定稼働性能を獲得するための同社独自技術で、レーザーダイオードの偏差をゼロに調整して光効率を向上。ランプ仕様のプロジェクターに対して4倍正確なカラー表現を可能とするという。

「BLUE CORE」技術のイメージ

また同社が誇る密閉型DLPチップは200万個以上のマイクロミラーで構成されており、10万時間以上劣化することなく使用できる。さらにレーザー光源モデルでは高輝度を確保できるが、加えて同社は暗部の階調を細かく再現できる、コントラスト性能の高さをポイントとして謳っている。

通常の会議室の壁に、輝度設定の高い状態と低い状態で投写。大きく明るさの差が感じられる

LU950においては、医療用途に「DICOM Simulation」モードを搭載。DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)はCTやMRI、CRなどの動画を含む医用画像と、それらを扱うための国際標準規格だ。同モードではプレゼンテーションなどでレントゲン写真などのグレースケール画像を投写する際に、黒と白の表現が優れることから高度なレベルで表示できるため、トレーニングや教育目的に本モデルを活用できるとしている。

右が「DICOM Simulation」モードの投写イメージ。よりグレースケールの描写がハッキリしている

メンテナンスフリーで安定性とコストカットを実現

メンテンスの手間が掛からないことは、コストの面でも非常に大きなメリットとなる。一般的なランプ式モデルの寿命がおよそ3,000時間なのに対し、同社のレーザー光源は約20,000時間の寿命がある。サイネージ用途では長時間の連続使用が避けれられないが、レーザープロジェクターであればランプ交換の手間やそこに発生する費用を抑えられる。

ホコリなどの影響を排除する「DUST GUARD PRO」の搭載も特徴だ。IP5Xの防塵設計で、ホコリによる輝度低下を快適な投写性能を維持。エンジンとレーザーパッケージをスチールで密閉することで、内部の部品をホコリから守る。また、カラーホイールセンサーを同社のパテント技術で独自設計とすることで、ホコリの蓄積を防いでいる。

本体内部はホコリをガードするとともに、ホコリが溜まりにくい設計としている

さらに外部フィルターが本体へのホコリの侵入を低減するなど、エアコンの隣に設置せざるを得ないような場合でも悪影響を防止することが可能だ。ホコリが溜まった状態ではプロジェクターの明るさは急激に低下するが、同社では20,000時間の使用後であっても50%の明るさを維持している。これもメンテナンスフリーとして同社が強くプッシュしているポイントだ。

フィルターなどで厳重なホコリ対策を行っている

また縦置きや逆さ設置など、固定さえ出来れば360度どの角度でも設置が行えることも特徴の1つ。天井や床への投写が可能など、使用の自由度が高く、プロジェクションマッピングなどの用途にも適している。

「LU950」の天吊りイメージ

なおLU950は底面部に、本体の重心位置やレンズの中心線などがプリントされており、取り付けに不慣れな業者であっても設置しやすいように設計段階から配慮。これは現場での実質的な手間やコストの発生を防ぐことにつながる、多くの実績を持つ同社ならではの仕様といえる。

底面部には設置時の目安となるよう中心位置などをプリントしている

さらにLU950は縦±60%/横±23%のレンズシフトと縦横各±30%の台形補正に対応。LH890USTも縦横各±20%の台形補正機能を搭載しており、ともにリモコンから操作することができる。また近くのプロジェクターと操作を混同することがないように、リモコンとプロジェクターはID設定により紐付けることが可能だ。

そしてLU950では1.6倍のデジタルズーム、0.5%ステップで最大0.75倍までの縮小が可能。対応する投影条件に合わせて、最大で5セットまで画像設定を保存することができるため、1台を用途によって簡単に使い分けられる。ほかHDMI出力端子を備えるため、スプリッターを使用することなくマルチスクリーンやスタッキング投写が実現できる。これも使用の面の便利さだけでなく、長尺のHDMIケーブルの導入に対してのコストカットも考慮された仕様だ。

「LU950」はHDMI出力を装備し、スプリッターなしでスタッキング投写が可能

電源のオン/オフは両モデルとも6秒以内という高速駆動を実現。静音性においてもLU950が37/35dBA(ノーマル/エコ)、LH890USTが35/32dBA (ノーマル/エコ・ダストフィルターなし)と動作が静かで、様々な使用シーンに対応できる。

ほか、LH890USTの付属品として同梱されるスライド式の壁掛け金具は、上下/左右/前後の3方向の調整ノブを備えており、容易に調整が行える。またこの金具は従来品と同じ設計を採用するため、すでに同社製品のユーザーだった場合は取り替えやすいようになっている。

「LH890UST」の壁取り付けイメージ

同社のラインナップでは、ワイヤレスオプション「InstaShow WDC10」も用意されている。プロジェクターとパソコンなどの機器をワイヤレス接続するための送/受信機で、ケーブル接続が難しいような場合でも導入しやすい。

プロジェクターとのワイヤレス接続を可能とするオプション「InstaShow WDC10」

送信機は2セット同梱されており、例えば別のパソコンで交互のプレゼンテーションを行う場合などに付け替えるといった手間がいらない。また受信機の電源はACもしくはUSBから確保できるため、コンセントがなくともプロジェクターから供給することもできる。

またオプション「PW40U」を導入すれば、タッチパネルとしての機能を装備することができる。特に超短焦点モデルのLH890USTと組み合わせることで、デジタルホワイトボードなどのように教室で活用するなど、用途の幅が広がるはずだ。

投写映像をタッチパネル化するオプション「PW40U」

「LH890UST」と「PW40U」の組み合わせイメージ

レーザープロジェクターはランプモデルに対して導入時の機器の価格は高いものの、維持コストが圧倒的に抑えられるためビジネスユースに適している。また今回の2モデルは、同クラスの製品と比較しても価格が低めに設定されており、複数台の導入が求められるシーンにおいても、有力な選択肢となるだろう。

LU950は入出力端子にWired Remote In×1、RS232 In(D-sub 9pin、male)×1、USB Mini-B(Service)×1、USB TypeA(5V/2A power)×1、LAN Port(RJ45 for Network control) ×1、HDBaseT ×1、HDMI In×3/Out ×1、S-Video in ×1、Composite Video(RCA) ×1、RCA Audio in ×1、PC In ×1、Monitor out(D-sub 15pin、Female)×1、Audio in ×1/out ×1、12V Trigger ×1を装備。外形寸法は490W×156H×380Dmm、質量は9.4kg。

「LU950」の背面端子部

LH890USTは入出力端子としてRS232 In(D-sub 9pin、male)×1、USB Mini-B(Service)×1、USB TypeA(5V/2A power)×1、LAN Port(RJ45 for Network control) ×1、HDMI In×2、S-Video in ×1、Composite Video(RCA) ×1、RCA Audio in ×1、PC In ×1、Monitor out(D-sub 15pin、Female)×1、Audio in ×1/out ×1を搭載。外形寸法が502.1W×164.5H×399.3Dmm、質量は9.06kgとなる。

「LH890UST」の背面端子部

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