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公開日 2007/09/01 19:13
<IFA2007レポート:東芝>09年にCell搭載テレビを発売 − 第3世代HD DVDプレーヤーも発表
本レポートでは東芝ブースの展示、並びに隣接する欧州HD DVDプロモーショングループのブースと、東芝のプレスカンファレンスにて同社藤井美英氏が語ったCell搭載商品の戦略を紹介しよう。
■REGZA“Zシリーズ”をはじめ新製品を投入 − HDMIリンクも積極展開
東芝は欧州でも液晶テレビのブランドネームに“REGZA”を掲げ、秋冬の新製品の発表を行った。先ごろ国内でも発表されたフラグシップの“Zシリーズ”は57/52/47/42/37V型の構成でいずれも倍速駆動のフルHDパネルを搭載。欧州でのシリーズナンバーは「3030D」。ベゼル部にグロスフィニッシュを採用している点が国内モデルとの違いの一つだ。
またスリムベゼルを採用した“RFシリーズ”に相当する欧州モデル“XFシリーズ”も注目を集めている。46/40V型のサイズ展開は国内と共通だが、ホワイト系のカラーバリエーションはラインナップしていない。またフラグシップモデルとして倍速駆動パネルを搭載した46V型の「46ZF355FD」が名を連ねている。
欧州でも薄型テレビ“REGZA”シリーズを軸としたHDMIコントロール機能「REGZAリンク」の魅力を積極的に紹介。ブース内にはREGZAリンクの体験展示や、他ブランドの製品ともつながるHDMI CEC機能を使った機器連動の魅力をアピールしている。
■HD DVDプレーヤーは2モデルを投入
東芝の第3世代機となるHD DVDプレーヤーも10月に発売される。上位の「HD-EP35」と下位の「HD-EP30」がラインナップし、価格はEP35が499〜449ユーロの間、EP30が399〜349ユーロの間を予定する。
上位のEP35はHDMI ver.1.3対応の端子を搭載し、1080/24p出力やDeepColorに対応。ドルビーTrueHDやドルビーデジタルプラスのビットストリーム出力に対応する。同社ブースの説明員によればDTS-HD Master Audioのビットストリーム出力も可能になる予定だという。HDMIではREGZAリンクにも対応。5.1ch/2chアナログ出力端子も備わる。
本体には148MHz/12bitのビデオDACや、HD DVDのインタラクティブコンテンツが楽しめるようイーサネット端子も搭載する。
下位モデルのEP30はHDMI ver.1.2a端子を採用。REGZAリンクへの対応や1080/24p出力を実現している。
なお、現行モデルの「HD-XE1」と「HD-EP10」についても、近日ファームウェアのアップデートにより、1080/24p出力の機能が追加できるようになる予定だ。
HD DVDプレーヤー関連の展示では、HD DVDプロモーショングループのブースに、オンキヨーと加Venturer社の新製品が展示されていた。オンキヨーのプレーヤーについては既報の通りだ。Venturer社のプレーヤーは年末に299ユーロでの市場投入が予定されている。HDMIはver.1.2a対応。720p/1080iまでのアップコンバージョンが可能だ。映像出力端子はコンポーネント/S端子/コンポジットを搭載。音声出力はアナログ2chのダウンミックスか光デジタル出力での対応となる。そのほかイーサーネット端子が採用されている。
■各社のディスクが一堂に並ぶHD DVDプロモーションのブース
東芝のブースに隣接する欧州HD DVDプロモーショングループのブースには、HD DVDプレーヤー展示のほか、PC用ドライブやXbox 360専用HD DVDプレーヤーなどの機器やHD DVDのタイトルが視聴できる体験コーナーが設けられている。
メディアメーカー各社のHD DVDディスクが並べられた展示コーナーには、メモリーテック社が開発した3層HD DVDディスクのプロトタイプも紹介されている。
■09年にCellプロセッサー搭載テレビを商品化したい − 東芝・藤井氏が語る
31日に東芝と欧州HD DVDプロモーショングループが開催したプレスカンファレンスには、(株)東芝 執行役上席常務 デジタルメディアネットワーク社 社長 藤井美英氏が出席し、“デジタル・ライフ・イノベーション”をテーマに同社のデジタルAVに関する世界戦略を語った。
始めに藤井氏は同社の記録メディアに関するビジネス戦略について触れた。藤井氏は東芝にとってキーデバイスとなる3つの記録デバイスが「HDD」「HD DVD」「フラッシュメモリー」であり、同社がそれぞれの分野で革新的な技術を活かした商品化を実現していることを強調し、「東芝がこの3つのストレージデバイスにおけるチャンピオンだ」と述べた。
これら3つの記録デバイスを「コンシューマーニーズに最適化しながら開発・進化させていくことが重要」と藤井氏は語り、「HDDは既にテラバイトサイズの大容量記録を実現している。HDDは繰り返し録画にも最適な使いやすさを持っており、コストパフォーマンスにも優れていることから、HDDこそがテレビ番組の録画に最適な記録デバイスと確信している。“BDこそがテレビ録画に最適な次世代大容量ストレージの本命”とする同陣営の見解はまったく持って理解できない」と語気を強めて指摘した。
東芝は先日32GBのSDHCメモリーカードを発表しているが「今後はAVデータの記録用としてのフラッシュメモリーの成長も見逃せない。今はまだ32GBのメディア価格が少し高いが、私は今後3年以内に100ドル前後に落ちつくものとみている」とした。
HD DVDについては「30GBの記録容量は果たして本当に“足りない”のだろうか?私はプリレコードメディアとしての光ディスクの用途を考えたとき、HD DVDは既にベストな容量を実現しており、コストパフォーマンスの高さからも、次世代コンテンツの記録に最適なメディアであると考えている」と藤井氏は付け加えた。
今回のIFAでもスポットライトが当てられている「REGZAリンク」について、藤井氏はグローバルスタンダードであるHDMI CECを採用したことによる高い接続性能を指摘し、同じ規格をサポートする製品であれば、他メーカーのAV機器とつなげて快適なホームシアター環境が構築できる特長を強調した。REGZAリンクの今後の戦略については「ワイヤレスHDMIに対応するサービスと機器を08年から09年の早い段階にかけて実現させたい」と意気込みを語った。
最後に今後の東芝のデジタルAV機器戦略について触れた藤井氏は「テレビコンテンツの魅力を画期的に進化させることができるであろうCellプロセッサーの可能性を磨いていきたい。有機ELをベースにした新しいテレビ用ディスプレイの開発、またはテレビとPCとの融合も進めながら、09年にはCellプロセッサーを搭載した新しいテレビを市場に投入することも考えている」と今後の商品計画を明らかにした。
■クリスマス商戦には大胆なプレーヤーとソフトのバンドルキャンペーンを展開
藤井氏に続いて、北米HD DVDプロモーショングループ コ・チェアマンのKen Graffeo氏が登壇。欧州でもSTUDIO CANAL社をはじめとする約75%の著名スタジオがHD DVDのタイトルを今後リリースすることが決定しており、07年終わりごろには約400タイトルが揃うことを明らかにした。また東芝をはじめとする各社より発表されたHD DVDプレーヤーの魅力を強調し、「欧州では300ユーロからHD DVDプレーヤーが購入できるようになる。BDと比べてネットワークコネクティビティが高く、ただ高解像な映像が楽しめるだけでなく、HDコンテンツのパーソナライズが楽しめることも大きな魅力。欧州でもHDフォーマットのスタンダードとして認知されるだろう」とした。
さらに、欧州の今年のクリスマス商戦において、ワーナー、ユニバーサル、パラマウントや欧州のスタジオのタイトルの中から、東芝のHD DVDプレーヤー購入者には5本、マイクロソフトのXbox 360 HD DVDプレーヤー購入者には3本のHD DVDソフト(約125ユーロ相当)をプレゼントするバンドルキャンペーンを展開することもあわせて発表された。
(Phile-web編集部・山本)
[IFA2007REPORT]
■REGZA“Zシリーズ”をはじめ新製品を投入 − HDMIリンクも積極展開
東芝は欧州でも液晶テレビのブランドネームに“REGZA”を掲げ、秋冬の新製品の発表を行った。先ごろ国内でも発表されたフラグシップの“Zシリーズ”は57/52/47/42/37V型の構成でいずれも倍速駆動のフルHDパネルを搭載。欧州でのシリーズナンバーは「3030D」。ベゼル部にグロスフィニッシュを採用している点が国内モデルとの違いの一つだ。
またスリムベゼルを採用した“RFシリーズ”に相当する欧州モデル“XFシリーズ”も注目を集めている。46/40V型のサイズ展開は国内と共通だが、ホワイト系のカラーバリエーションはラインナップしていない。またフラグシップモデルとして倍速駆動パネルを搭載した46V型の「46ZF355FD」が名を連ねている。
欧州でも薄型テレビ“REGZA”シリーズを軸としたHDMIコントロール機能「REGZAリンク」の魅力を積極的に紹介。ブース内にはREGZAリンクの体験展示や、他ブランドの製品ともつながるHDMI CEC機能を使った機器連動の魅力をアピールしている。
■HD DVDプレーヤーは2モデルを投入
東芝の第3世代機となるHD DVDプレーヤーも10月に発売される。上位の「HD-EP35」と下位の「HD-EP30」がラインナップし、価格はEP35が499〜449ユーロの間、EP30が399〜349ユーロの間を予定する。
上位のEP35はHDMI ver.1.3対応の端子を搭載し、1080/24p出力やDeepColorに対応。ドルビーTrueHDやドルビーデジタルプラスのビットストリーム出力に対応する。同社ブースの説明員によればDTS-HD Master Audioのビットストリーム出力も可能になる予定だという。HDMIではREGZAリンクにも対応。5.1ch/2chアナログ出力端子も備わる。
本体には148MHz/12bitのビデオDACや、HD DVDのインタラクティブコンテンツが楽しめるようイーサネット端子も搭載する。
下位モデルのEP30はHDMI ver.1.2a端子を採用。REGZAリンクへの対応や1080/24p出力を実現している。
なお、現行モデルの「HD-XE1」と「HD-EP10」についても、近日ファームウェアのアップデートにより、1080/24p出力の機能が追加できるようになる予定だ。
HD DVDプレーヤー関連の展示では、HD DVDプロモーショングループのブースに、オンキヨーと加Venturer社の新製品が展示されていた。オンキヨーのプレーヤーについては既報の通りだ。Venturer社のプレーヤーは年末に299ユーロでの市場投入が予定されている。HDMIはver.1.2a対応。720p/1080iまでのアップコンバージョンが可能だ。映像出力端子はコンポーネント/S端子/コンポジットを搭載。音声出力はアナログ2chのダウンミックスか光デジタル出力での対応となる。そのほかイーサーネット端子が採用されている。
■各社のディスクが一堂に並ぶHD DVDプロモーションのブース
東芝のブースに隣接する欧州HD DVDプロモーショングループのブースには、HD DVDプレーヤー展示のほか、PC用ドライブやXbox 360専用HD DVDプレーヤーなどの機器やHD DVDのタイトルが視聴できる体験コーナーが設けられている。
メディアメーカー各社のHD DVDディスクが並べられた展示コーナーには、メモリーテック社が開発した3層HD DVDディスクのプロトタイプも紹介されている。
■09年にCellプロセッサー搭載テレビを商品化したい − 東芝・藤井氏が語る
31日に東芝と欧州HD DVDプロモーショングループが開催したプレスカンファレンスには、(株)東芝 執行役上席常務 デジタルメディアネットワーク社 社長 藤井美英氏が出席し、“デジタル・ライフ・イノベーション”をテーマに同社のデジタルAVに関する世界戦略を語った。
始めに藤井氏は同社の記録メディアに関するビジネス戦略について触れた。藤井氏は東芝にとってキーデバイスとなる3つの記録デバイスが「HDD」「HD DVD」「フラッシュメモリー」であり、同社がそれぞれの分野で革新的な技術を活かした商品化を実現していることを強調し、「東芝がこの3つのストレージデバイスにおけるチャンピオンだ」と述べた。
これら3つの記録デバイスを「コンシューマーニーズに最適化しながら開発・進化させていくことが重要」と藤井氏は語り、「HDDは既にテラバイトサイズの大容量記録を実現している。HDDは繰り返し録画にも最適な使いやすさを持っており、コストパフォーマンスにも優れていることから、HDDこそがテレビ番組の録画に最適な記録デバイスと確信している。“BDこそがテレビ録画に最適な次世代大容量ストレージの本命”とする同陣営の見解はまったく持って理解できない」と語気を強めて指摘した。
東芝は先日32GBのSDHCメモリーカードを発表しているが「今後はAVデータの記録用としてのフラッシュメモリーの成長も見逃せない。今はまだ32GBのメディア価格が少し高いが、私は今後3年以内に100ドル前後に落ちつくものとみている」とした。
HD DVDについては「30GBの記録容量は果たして本当に“足りない”のだろうか?私はプリレコードメディアとしての光ディスクの用途を考えたとき、HD DVDは既にベストな容量を実現しており、コストパフォーマンスの高さからも、次世代コンテンツの記録に最適なメディアであると考えている」と藤井氏は付け加えた。
今回のIFAでもスポットライトが当てられている「REGZAリンク」について、藤井氏はグローバルスタンダードであるHDMI CECを採用したことによる高い接続性能を指摘し、同じ規格をサポートする製品であれば、他メーカーのAV機器とつなげて快適なホームシアター環境が構築できる特長を強調した。REGZAリンクの今後の戦略については「ワイヤレスHDMIに対応するサービスと機器を08年から09年の早い段階にかけて実現させたい」と意気込みを語った。
最後に今後の東芝のデジタルAV機器戦略について触れた藤井氏は「テレビコンテンツの魅力を画期的に進化させることができるであろうCellプロセッサーの可能性を磨いていきたい。有機ELをベースにした新しいテレビ用ディスプレイの開発、またはテレビとPCとの融合も進めながら、09年にはCellプロセッサーを搭載した新しいテレビを市場に投入することも考えている」と今後の商品計画を明らかにした。
■クリスマス商戦には大胆なプレーヤーとソフトのバンドルキャンペーンを展開
藤井氏に続いて、北米HD DVDプロモーショングループ コ・チェアマンのKen Graffeo氏が登壇。欧州でもSTUDIO CANAL社をはじめとする約75%の著名スタジオがHD DVDのタイトルを今後リリースすることが決定しており、07年終わりごろには約400タイトルが揃うことを明らかにした。また東芝をはじめとする各社より発表されたHD DVDプレーヤーの魅力を強調し、「欧州では300ユーロからHD DVDプレーヤーが購入できるようになる。BDと比べてネットワークコネクティビティが高く、ただ高解像な映像が楽しめるだけでなく、HDコンテンツのパーソナライズが楽しめることも大きな魅力。欧州でもHDフォーマットのスタンダードとして認知されるだろう」とした。
さらに、欧州の今年のクリスマス商戦において、ワーナー、ユニバーサル、パラマウントや欧州のスタジオのタイトルの中から、東芝のHD DVDプレーヤー購入者には5本、マイクロソフトのXbox 360 HD DVDプレーヤー購入者には3本のHD DVDソフト(約125ユーロ相当)をプレゼントするバンドルキャンペーンを展開することもあわせて発表された。
(Phile-web編集部・山本)
[IFA2007REPORT]