本企画ではボーズが次世代のオーディオ再生システムとして提唱する「uMusic」機能の魅力について、ライターの折原一也氏がロングラン・チェックレポートに挑戦する。前回の第1回目では、「uMusic」への楽曲取り込みと再生について紹介したが、今回は約1ヶ月半の使用を経て、折原氏が完成させたCDライブラリーの内容と、その「uMusic」の大きな魅力のひとつである「インテリジェントナビゲーション」の使いこなしを徹底紹介していく。
※今回のロングラン・チェックレポートではLifestyle48の米国仕様モデルを使ってテストしています。日本国内で販売されている製品では全てのGUIが日本語表示に対応します。
■CDを取り込む際には豊富な楽曲情報も登録される
Lifestyle 48のロングラン・チェックレポート第2回となる今回は、前回レポートの際に取り込んでいたものと合わせて、現在全55作品を保存しているCDライブラリーの再生テクニックを中心に紹介していこう。
取り込み済みのCDを再生するには、リモコンの「Stored」ボタンを押して取り込み済みCDモードに切り換える。Lifestyle
48のメディアセンターは「uMusic」に加えて、CD/DVDプレイヤー、家庭用のAVレシーバーとしての機能も搭載されているため、外部入力の一つを選ぶかのように機能を呼び出すことになる。
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▲取り込んだCDは付番され、データベースに保存されている。アルバム名やアーティスト、曲タイトルは取り込む際に自動的に登録される |
楽曲の再生時には、CDを取り込んだ際の情報が活かされる。取り込み時のCD情報の入力は、今回試した中ではすべてのタイトルで曲名やアーティスト名などを取得することができた。
ただし、採用するGracenote CDDBのデータベース自体は、ごくわずかだが表記の揺れが生じるケースもあるようだ。これは、Gracenote CDDBがボランティアの手によってスタートし、現在も一般利用者の登録により拡大しているサービスであり、それゆえ情報の一部に不正確な内容が含まれている場合があるからだろう。今回テストした中では一部アーティスト名を姓名に分けて登録してあるものについては、“Dylan, Bob”のように表示の倒置が起こってしまうケースもあるようだ。一方で、“The Beatles”のように“The”で始まるアーティスト名は数多いが、これらについては検索時の利便性を考慮して“Beatles, The”と倒置して表示される。
とは言え、CDを取り込むだけで必要な情報が自動で登録される使い勝手の良さは実用性十分だ。また取り込み時には、タイトル名に加え、前回のレポートで紹介した通り、楽曲ごとの特徴が自動的に解析されて保存される。
■「uMusic」に自分の好みを学習させていく
Lifestyle 48による取り込み済みCDの再生の最も大きな特徴は、「インテリジェントナビゲーション」と名付けられた、ユーザーの手によるレイティング(評価)を活かしたランダム再生だ。これは「uMusic」モードと呼ばれ、現在再生されている曲が気に入ったらリモコンの「+」ボタン、気に入らなければ「−」ボタンを押すことで、自分の好みを「uMusic」のシステムに学習させていくというものだ。この操作は簡単なボタン操作だけで行えるため、音楽を聞いている最中に手元にリモコンをおいておけば、画面をみなくても簡単に好みを学習させることができる。ちなみに「−」評価時には曲スキップも行われる。
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▲再生中にリモコン下部にある「Rating」エリアの「+」「−」ボタンを押すことで、ユーザーの好みについての情報を「uMusic」に与えることができる |
▲レイティングをすると画面と本体液晶に表示が行われ、それ以降に再生を行う際には優先順位に考慮される |
再生モードとして面白いのが、現在再生中の曲情報と組み合わせた各種の再生モードだ。例えば再生中に「Encore」(アンコール)モードに切り換えると、現在聞いている曲と同じようなムードや曲調の曲を再生できる。また、「WholeCD」(CD全曲再生モード)を使えば、今聞いているCDのアルバムを1枚目から再生できる。これは取り込み時に曲をデータベース化している本機ならではの機能であり、ユーザーが使いたくなりそうな機能が上手く作られており、面白いと感じた。また、通常の曲を探す再生法としてライブラリー機能もあり、ジャンル、アーティスト、アルバム、曲と範囲を狭めての絞り込み検索を行える。このライブラリーからの操作では、アーティスト単位、アルバム単位でのレイティングができるのも嬉しいポイントだ。また「プレイリスト」機能を使えば、取り込み済みの曲の一部を一枚のCDのように再生することもできる。
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▲リモコンの「Library」ボタンを押すと、ジャンル、アーティスト、アルバム、タイトルで絞り込んで再生を行える |
▲再生中のタイトルは本体の液晶に常に曲名、タイトル、アルバム名が表示されるほか「Info」ボタンを押すと画面上でも確認できる |
■再生シーンに合わせて楽曲をいくつかのプリセットに登録してみる
「uMusic」の最大の特徴は、ユーザーの手によるレイティングを行えることにあるが、これをプリセットとして登録することで、複数のユーザーで使い分けたり、再生シーンごとに使い分けることもできる。今回はユーザーの再生シチュエーション別にプリセットを準備して使っていくことしよう。新たなプリセットを作成するには「System」のメニューから登録を行う。今回は普段音楽を聴きたいときに使う「Relax」、仕事をしている最中に用いる「Work」、落ち着いた音楽を聴きたい場合の「Easy」の3つを登録した。プリセットの切り換えはリモコンの数字ボタンからできるので簡単だ。
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▲プリセットの設定は、「System」メニューの中の「MediaCenter」から行える
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▲プリセット名に使用できる文字は、英数字と記号など。家族で使う場合、シチュエーションで使い分ける場合などには、後ほど区別がしやすいような名前を登録しておこう
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▲プリセットの切り換えはリモコンの数字による変更に加えて、「Setting」メニューを開くことで画面上からも変更できる |
▲現在使用しているプリセットは、本体液晶に常に表示される。正しく学習させるためにも状況に応じて切り換えて使っていこう |
実際に使用する上では、その時々に気が向くままにレイティングを加えていったが、大まかな傾向として「Relax」では気に入った曲に気兼ねなくプラスのレイティングを加えた。一方「Work」では仕事中に音楽を聞く際に使用したかったため、うるさいと思った曲には反射的にマイナスを与えてスキップさせている。最後の「Easy」は、イージーリスニングに近いプリセットを目指して、ビート感の強い曲をすべて避けられるようプラスマイナスのレイティングを行っていった。
以上のように今回は、レイティングの操作と使い勝手を中心にレポートしてきた。最終回となる次回では、「uMusic」に現れた傾向を次回アーティスト名と合わせて挙げていき、今回の連載のレポートを統括していくとしよう。
■折原一也氏が「uMusic」に保存したCD
55作品の一覧
※一覧はアーティスト名のアルファベット順
作品タイトル |
アーティスト |
ABBA Gold |
ABBA |
Ben Folds Five |
Ben Folds Five |
The Unauthorized Biography Of Reinhold
Messner |
Ben Folds Five |
Piano Man |
Billy Joel |
The Ultimate Collection |
Billy Joel |
Stranger |
Billy Joel |
Parklife |
Blur |
The Essential Bob Dylan |
Bob Dylan |
Hunky Dory |
David Bowie |
The Singles Collection |
David Bowie |
The Very Best Of Elton John |
Elton John |
Lovin' You |
Elvis Presley |
King Creole |
Elvis Presley |
Clapton Chronicles |
Eric Clapton |
Better Living Through Chemistry |
Fatboy Slim |
Halfway Between The Gutter And The
Stars |
Fatboy Slim |
You've Come A Long Way, Baby |
Fatboy Slim |
International Superhits |
Green Day |
Emergency On Planet Earth |
Jamiroquai |
The Return Of The Space Cowboy |
Jamiroquai |
Experience Hendrix |
Jimi Hendrix |
Led Zeppelin |
Led Zeppelin |
Vauxhall And I |
Morrissey |
International |
New Order |
Substance |
New Order |
Technique |
New Order |
Nirvana |
Nirvana |
Definitely Maybe |
Oasis |
Morning Glory |
Oasis |
Discography |
Pet Shop Boys |
Pop Art: Pop |
Pet Shop Boys Feat. Dusty Springfield |
Atom Heart Mother |
Pink Floyd |
Rage Against The Machine |
Rage Against The Machine |
Definitive Ray Charles |
Ray Charles |
Mothers Milk |
Red Hot Chili Peppers |
The Collection |
Simon & Garfunkel |
Dirty |
Sonic Youth |
Experimental Jet Set, Trash And No
Star |
Sonic Youth |
Pet Sounds |
The Beach Boys |
Sunflower |
The Beach Boys |
1967〜1970 |
The Beatles |
1962〜1966 |
The Beatles |
Gold |
The Carpenters |
Now & Then |
The Carpenters |
Close to You |
The Carpenters |
Dig Your Own Hole |
The Chemical Brothers |
Synchronicity |
The Police |
Music For The Jilted Generation |
The Prodigy |
The Prodigy Experience |
The Prodigy |
Aftermath |
The Rolling Stones |
Let It Bleed |
The Rolling Stones |
The Best of 1980-1990 |
U2 |
1992 - 2002 |
Underworld |
A Hundred Days Off |
Underworld |
Beaucoup Fish |
Underworld |
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BOSE ホームシアターシステム
Lifestyle
48
\499,800(税込)
2005年6月15日発売
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【uMusicとは】
Lifestyle 48は、ボーズが独自に開発したインテリジェント・ミュージックシステム「uMusic(ユー・ミュージック)」を搭載する。これによりメディアセンターにCD約350枚分もの楽曲が保存でき、さらにシステムがユーザーの好みを学習して、エンターテインメント・シーンに最適な楽曲を提供する、自動音楽再生も実現している。 |
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