PW:インテリアスタイリストとは、どのようなことをされるお仕事なのでしょうか。
山下さん(以下、山下):家具や小物を選択・配置し、そこで営まれるライフスタイルを想起させる空間を演出することが仕事ですね。私は主に雑誌や広告撮影のためのインテリアスタイリングや、マンションのモデルルームの空間デコレーションなどを手がけています。音元出版の「AV
REVIEW」や「ホームシアターファイル」などで、オーディオ機器のあるインテリア空間のコーディネートもしています。
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インテリアスタイリスト/デコレーター
山下
真太郎さん
主に雑誌、広告、CM等の撮影におけるインテリアスタイリングと店舗、モデルルームなどのインテリアデコレーションをおこなっている。音元出版「ホームシアターファイル」「AVレビュー」などでオーディオ機器とインテリアのスタイリングも手掛ける。その他、デザインスクールの非常勤講師やデザイナーとしても活動中。2000年よりバンタンデザイン研究所インテリア科講師。
出展歴:2002,03,04Tokyo
Designers Block
TOKYO STYLE IN STOCK HOLM2004
Design Tide in Tokyo 2006 |
PW:春は新生活の始まりの時期です。就職や進学で一人暮らしを始めたり、パートナーとの共同生活を始めたりする方もいらっしゃるでしょう。新しい部屋をこんな風にしたい、こんな風に暮らしたい…と希望に胸を膨らませている方は多いのではないでしょうか。美しく心地よいインテリアの部屋にするには、まずどういったことに気をつけたらいいのでしょうか。
山下:その部屋を自分がどんな風に見せたい/使いたいのか、そして何より「そこでどういった生活を送りたいのか」という希望をハッキリさせることが大切だと思います。それから、その希望を実際に毎日を過ごす部屋の空間とすりあわせましょう。そうするとどんな家具や小物を選べばいいのか、どんな配置で置けばいいのかが分かってきます。
PW:なるほど。すると例えば「六畳一間の賃貸だけどなるべく広く使いたい」「でもソファーもテーブルも欲しいし映画みたいな天蓋付きのベッドで寝たい」という希望の実現は、無理だと気づけますね(笑)
山下:そうですね(笑)。実現が難しそうな夢はリゾートなど非日常の空間で体験しよう、と割り切ることも必要だと思います。私はインテリアを「人間を取り巻く最も身近で影響力のある環境のひとつ」だと考えています。部屋は大切な時間を過ごしリラックスする空間。日々の暮らしを快適に、心地よく演出してくれるものであるべきだと考えます。
PW:インテリアと同じく日々の暮らしを演出してくれるもののひとつに「音楽」がありますが、「オーディオ機器をいかにインテリアに溶け込ませるか」は、部屋を作る上でとても悩むことのひとつです。オーディオ機器とインテリアが調和した空間を作るには、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。
山下:最近は随分変わってきましたが、オーディオ機器はいかにも機械然とした、無骨なデザインのものが多かったと思いますね。そういった製品は、オーディオだけを置く専用の空間の中ではカッチリとしたまとまりのある美しさを生んでくれます。しかし、一人暮らしや新婚生活を始める部屋の多くは、賃貸住宅の、決して広くない空間でしょう。どうしても周りの生活空間から浮いてしまいがちです。
また、狭い空間だと、あまり大きな機器を何台も置くのは難しい場合が多いと思います。先ほど「部屋の空間と向き合って、そこでどういった生活を送りたいのか考えれば、自ずと何を選べばいいか分かる」と言いましたが、それはオーディオ機器を選択する際にも言えるのではないでしょうか。
今回は3例のライフスタイルを想定し、オーディオとインテリアをコーディネートしてみました。
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