後日、いよいよオリジナルのDVDをホームシアターシステムで再生してみた。今回はボーズの視聴室を借りて、同社のDVDホームエンターテインメントシステム「Lifestyle
48 III」で再生を行った。果たしてライブハウスで味わった演奏は、どれほどリアルに再現されるのだろうか?
再生を始めてすぐに、パッケージDVDとはひと味違った生々しいサラウンドの音に驚いた。まさか自分が撮影した映像がこんなにも聴き応えのある作品に仕上がっているとは思っても見なかった。普段からビデオカメラをいじるのは嫌いではない私だが、自分の腕前そのものが向上したのではないかと錯覚してしまうほどだ。
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▲作成したDVDディスクをLifestyle
48 IIIのトレイに乗せる、緊張の瞬間。初めてつくったオリジナルのサラウンド映像はどのように再現されるのだろうか |
▲迫力のサラウンド映像に息を飲む。あの日のステージがいま、ここボーズの視聴室に蘇った! |
ライブの1曲目では、まだ少し緊張が残るプレーヤーの演奏と客席の雰囲気が、曲を追うごとに和み、一体感を増していくのがはっきりとわかる。リアスピーカーから再現される観客の拍手やざわめきが、ライブハウスのボルテージの高まりが、リアルなサラウンド音声で伝わってくるのだ。あの日のステージの興奮が、ライブから一週間経った今、目の前に現れた。
ライブハウスにはステージに向かって左側と後方に1台ずつのモニタースピーカーが配置されていたが、プレーヤーの奏でる音がいずれかの方向に片寄ることなく、ボーカルとギターの音もしっかりとセンターに定位し、聴き応えのある演奏が楽しめる。ビデオカメラに搭載された5.1chマイクの性能の高さもさることながら、「Lifestyle
48 III」の5本の“JewelCube”スピーカーとシステムの高い再生能力によるところも大きいのだろう。リードギターの刻むベースラインのサウンドにも底力があり、サラウンドの環境音に紛れることなく、リスナーの耳を包み込むように再生される。“2チャンバーアクースティマス方式”を採用した新ベースモジュールならではの立体感のある低音再生だ。
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▲右図はライブハウスのモニタースピーカーの配置。スピーカーからの音に強く影響を受けることなく、ボーカルの声とギターのサウンドがセンターにしっかりと定位し聴こえてくる(図解はクリックで拡大してご覧下さい) |
「Lifestyle 48 III」には、独自のアルゴリズムによりあらゆるソースを5.1chサラウンドにデジタル変換する“Bose
Digital回路”が搭載されている。今回使用したソニーのビデオカメラ「HDR-SR7」は、本体で直接再生する場合は2chのステレオ再生となるが、「Lifestyle
48 III」ならばビデオカメラとAVケーブルで直接つないだ場合でも5.1chサラウンドで再生が可能だ。こちらの機能は例えば、取り急ぎ撮影した素材をDVD化する前にサラウンドでモニタリングしたい場合などに重宝するだろう。その他、Bose
Digital回路を活かした楽しみ方として、本機のスピーカーモード設定により5.1chで撮影した映像を2chで再生することもできる。それぞれのサウンドを聴き比べてみるのも面白いだろう。
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▲撮影したサラウンド映像の出来を、DVD化する前に取り急ぎモニタリングしたい場合は、ビデオカメラとLifestyle
48 IIIをAVケーブルでつないで、5スピーカーモードによるサラウンド再生で確認すると便利だ
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▲Lifestyle
48 IIIのスピーカーモード設定により、「2ch」「3ch(フロント)」「5ch」の再生環境が選べる。それぞれのサウンドを聴き比べるのも面白いだろう |
自作のハイビジョン映像を大画面に映しながら、迫力満点のサラウンドが加わることによってあの日の体験がいっそうリアルに蘇る。今回の試みではホームシアターの新しい可能性を発見し、体験することができた。これからは秋の訪れとともに運動会などのスポーツイベントや、お子様の学芸会、学園祭、アウトドアレジャーなどが楽しみになる季節だ。これらのイベントはハイビジョンのサラウンド映像を作成するのにも絶好の被写体になるはずだ。ぜひ皆様もオリジナルムービーで楽しむサラウンドの世界を堪能してみて欲しい。
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