【毎月連載】 オーディオ・ビジュアルファンのためのエンターテインメントコラム
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毎月連載のPhile-web特別企画「Sound Adventure(サウンド・アドベンチャー)」では、オーディオ・ビジュアルエンターテインメントの最前線で活躍される評論家の方々を「ナビゲーター」に迎え、いま最も注目を浴びるデジタルエンターテインメントのスタイルを徹底探求します。最新オーディオ・ビジュアル製品のレビューやハンドリングレポートも毎回紹介して行きます。
【毎月連載】 オーディオ・ビジュアルファンのためのエンターテインメントコラム

独自のリモコンを使って、体を動かしながら楽しむニンテンドーWiiのゲームが話題を集めている。今回はプロジェクターが映し出す大画面と、サラウンドシステムが再生する臨場感あふれるサウンドと一緒に楽しむ体感ゲームの魅力を、ライターの折原一也氏がレポートする。


2006年12月2日に発売された家庭用ゲーム機のニンテンドーWiiは、独自のWiiリモコンを使って、体を動かしながらゲームのキャラクターを操作する遊び方を提案し、発売以来大ヒットが続いている。

家庭で楽しむゲームが広く認知されるようになったのは、1983年のファミリーコンピューターの登場からだろうか。以降、1990年に登場したスーパーファミコン、1994年のプレイステーション、2000年のプレイステーション2などを経て、2006年にはニンテンドーWiiやプレイステーション3といった、世界のゲームファンに注目される製品が発売されてきた。

ゲーム機の進化は、同時にソフトの内容も多彩で複雑なものへと変えていった。映像や音声の面でも、3Dやサラウンドが採用されるなど、徹底的にリアリティを追求した作品が数多く制作されるようになってきた。やがてその進化に伴い、家庭用ゲーム機は「テレビに向かって、座って遊ぶもの」というスタイルにも進化が求められるようになってきた。ゲームを楽しむ環境が変わりつつある中、ニンテンドーWiiはプレーヤーが体全体を動かして楽めるという、今までにない画期的なゲーム体験を提案したのだ。

今回はニンテンドーWiiに、プロジェクターとサラウンドシステムをつないで、ボーズのホームシアター視聴室でプレイしてみた

ニンテンドーWiiが従来のゲーム機と比べて大きく異なる点は、ゲームの世界を体感しながら楽しめるという部分だ。ニンテンドーWiiを楽しむのであれば、組み合わせる画面も大きいサイズであれば、よりリアルにゲームの世界に浸ることができるのではないだろうか。特にプロジェクターを組み合わせた、100インチクラスの大画面ホームシアター環境であれば、映像の臨場感がより一層高まるはずだ。

さらに音響面についても、サラウンド環境を導入し、ゲームのサウンドをより立体的に楽しんでみてはいかがだろうか。ニンテンドーWiiはドルビープロロジックIIのサラウンド音声をサポートしているため、広がりのある音場が手軽に楽める。

今回はニンテンドーWiiを、ホームプロジェクターとボーズのフロントサラウンドシステム「FreeStyle Series II(以下:FS-321II)」とつなげて、大画面ホームシアターで楽んでみることにした。


ニンテンドーWiiには、アナログ音声出力系統と映像出力をセットにした専用のAVケーブルが付属する。別売のケーブルを購入すればプログレッシブ出力に対応するD端子やコンポーネントも選択できる。あとは本体に電源アダプターと、Wiiリモコンの受光部にあたるセンサーバーをつなぎ、ホームシアターの正面スクリーン側に設置すればセットアップ完了となる。

今回、映像はD端子ケーブルを使ってプロジェクターへ、音声はFS-321IIのインターフェースモジュールにそれぞれ接続した。FS-321IIでは「BoseDigital」デコーダーの搭載により、2チャンネルのソースも前方2本のスピーカーだけでリアルなサラウンドを楽しむことができる。

ニンテンドーWii本体の背面に、専用のAVケーブルのほか、電源ケーブル、センサーバーのケーブルを接続する ホームシアターの正面スクリーン側にWiiリモコンの信号を受光するセンサーバーを配置する
ゲーム機からの映像出力はD端子でプロジェクターに接続。フロントサラウンドシステムにはアナログ音声を接続した Wiiリモコンは必ずストラップを装着し、ストッパーを締めた状態でプレイするよう心がけたい。リモコンの正しい装着方法についてはニンテンドーWiiのホームページに詳しく紹介されている


大画面シアターでニンテンドーWiiを遊んだらどのくらい楽しいのだろうか?ニンテンドーWiiのゲームをプレイする機会は、これが筆者にとって初めてとなるが、今回は「Wii Sport」を実際にプレイしながらご紹介しよう。

「ベースボール」ではホームランを連発し、満足げな折原氏。小学生の頃は地元のリトルリーグに所属していたこともあるそうだ Wii Sportsの「ボクシング」では、Wiiリモコン(左)と、拡張リモコンのヌンチャク(右)を使ってプレイする

最初に選んだ「テニス」は、初めてのプレイということもあり、なかなか試合で勝つことができず苦戦してしまった。操作はWiiリモコンを握り、テニスのラケットと同じように振って、体を動かしながらスポーツを楽しむ感覚でゲームに熱中できる。グラフィックだけでなく、ゲームのリアルなサウンドにも驚かされた。キャラクターがコートを縦横無尽に駆けめぐり、ボールがコート上で弾む音の強弱までもが細かく表現されている。今回はFS-321IIにつないでサラウンド再生環境も充実させた効果は高く、気が付けばいつの間にかゲームの世界に引き込まれていた。

「ベースボール」は特に大きな画面で楽しむことの良さを実感した。攻撃の際はバットを構え、打席に立つのと同じ感覚でWiiリモコンを使ってコントロールするのだが、プロジェクターが映し出す大画面の臨場感にも心躍らせながら、広々としたスタジアムでプレイする感覚が味わえる。サウンドもまるで本物のスタジアムにいるような空気感までもが、サラウンドシステムによりリアルに表現される。バッティングの際はジャストミート時は快音が響き、ファールチップでは鈍い音が響くといったように細かく作り込まれていて、体感ゲームの醍醐味が存分に味わえる。好打でスタジアムに響き渡る歓声も、サラウンドシステムが臨場感たっぷりに再現し、プレーヤーの気持ちを高揚させる。

「ゴルフ」では、ボールがフェアウェイやグリーンを、そしてラフやバンカー、ウォーターハザードといった自然障害物を移動する際に発する音のリアルな表現が印象に残る。コースによって変わる風音、波の音など、ディティールに富んだサラウンド再生も楽しみたい。大画面に映し出される雄大なコースのグラフィックと合わせて、まるで屋外でプレイしているような感覚に包まれてしまった。ゲーム自体もクラブを振るスイングのモーションにWiiリモコンがリアルに反応するため、本物のゴルフ・プレイヤーにも納得の面白さがある。

■ニンテンドーWii取材 動画レポート
(画面クリック取材風景をご覧いただけます)

動画をご覧になる際には最新のMacromedia Flash Playerが必要です。 こちらからダウンロードしてください。

「ボーリング」でも正確なコントロールさばきが求められる。ボールのひねりを加えて投げられる本格志向だ。大画面に映し出されるレーンに、思わずフォーム吸い込まれそうになる。プレイ中はピンを倒した時の“カコーン”と鳴る快音が、サラウンド再生によって場内に軽快に響き渡る様子が再現される。隣のレーンでプレイする音までもがリアルに作り込まれているところが、体感ゲームならではの心憎い演出と感じた。

最後に「ボクシング」を楽しんだ。こちらはWiiリモコンに加えて、ヌンチャクという拡張リモコンを使って両手でプレイするスタイルだ。パンチやガードに加え、スウェーを使ってパンチをよける動作も求められるため、最も汗をかいて熱くなりながら楽しむことができた。対戦相手のキャラクターにパンチがヒットした際にはズシンと手応えのあるサウンドが響く。リングサイドから沸き上がる歓声が、プレーヤーの闘魂を熱く奮い立たせてくれた。


今回Wiiスポーツをじっくりと大画面ホームシアターで楽しんでみて、やっぱりニンテンドーWiiは大画面とサラウンドを揃えた環境で楽しみたいと実感した。

視界いっぱいに広がる大画面で楽しむと、やはりゲームへの没入感がひと味違ってくる。サラウンド音声もゲーム空間の広がりを感じさせてくれる大切な要素だ。これまでは、ゲームというと画面の中だけの出来事という感覚があったが、大画面とサラウンドで楽しむニンテンドーWiiの世界では、“バーチャルリアリティ”のレベルがさらに進化したことを誰もが実感できるはずだ。老若男女問わず簡単に楽しめるニンテンドーWiiのゲームは、家族や友人が集まって楽しむホームシアターと抜群の相性を発揮してくれるだろう。ぜひその魅力を体験してみて欲しい。

(レポート:折原一也)

■体感ゲームのサウンドをフロントサラウンドでもっとリアルに楽しもう!

今回のレポートではボーズの「3・2・1シリーズ」にラインナップする、「FS-321II」によるフロントサラウンドの魅力をご紹介した。ニンテンドーWiiをはじめとするゲーム機や、手持ちのDVDプレーヤー、DVDレコーダーなどと自由に組み合わせて楽しめるのも本機の大きな魅力の一つだ。前方2本のスピーカーだけで再生するリアルなサラウンドが、ゲームの臨場感をいっそう高めてくれるはずだ。

BOSE フロントサラウンドシステム
FreeStyle Series II (FS-321II)

\94,290(税込)

>>ボーズの製品紹介ページ
>>製品データベースで調べる
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