オープニングから作品の世界に引きこまれるサウンドがある
折原(敬称略) 市原さんはご自宅にホームシアターをお持ちなんですか。
市原(敬称略) 自宅では5.1chのサラウンドシステムを組んでいます。はじめたきっかけはやっぱり音の広がりで、「これはVHSではもう観られないな」というところから、どんどんDVDの音響とかにこだわってしまいました。今回は『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』をフロント2chでサラウンドを再生するシステムで聴けるということで、すごく興味を持っています。
編集部 では始めに冒頭の「甲鉄鑑テキサス」の戦闘シーンを再生したいと思います。
折原 これは結構空間が見えますね。
市原 そうですね。砲弾が行き交うところがとてもリアルに聴こえます。
折原 高さの表現がすごく出ています。ライフルが着弾する金属音などもすごく面白いですね。やはり空間の広がりというのがすごくできていて、船の内部のシーンだと、上の方で行われている銃撃戦の「高さ」の表現がすごくしっかりしていますね。あとは、轟音もあるシーンなので、アクション映画のエッセンスが詰まった聴き所の多いシーンですね。
市原 冒頭から客を引き込めるシーンがちゃんとそろっていますから。
シアタールームがたちまち“冒険の地”に早変わりした
編集部 次に「川の銃撃戦」を再生してみたいと思います。
市原 チャプター6ですね。チャプタータイトルにもなっている「パナマ」というのは作戦名です。このシーンでは主人公たちが悪役のカジーム将軍とボート・チェイスを繰り広げます。
折原 ご自宅でやっていらっしゃるサラウンドシステムと比べていかがですか。
市原 低音がすごく響いてきますよね。エンジン音にすごく迫力がある。こういう銃撃の音って、結構気にしているんですよ。
折原 DVDタイトルについてはアメリカ版と仕様は異なる点があるんですか。
市原 基本的には、アメリカ版の仕様をそのまま日本用にローカライズした仕様になっています。ただアメリカ版はDTSが入っていません。
折原 国内外で確かに、音声トラックが違うケースは結構ありますよね。
市原 そうですね。DTSで観られるというのが、日本版の特徴でもあります。
折原 それは重要なポイントですね。
市原 僕も一つ今回のシステムで試してみたいシーンがあるんですけれども、それを観てもいいですか。チャプター13です。
折原 割に静かなシーンでも、面白いところがあったりするんですよね。
市原 はい。壊れたプロペラ機を使って、主人公が砂漠の中であることをするシーンがあるんですよ。その時の風の音とかが、すごく楽しめるんじゃないかと思いまして。
折原 移動感がものすごく出ていますね。
市原 そうですね。ここら辺はもう、劇中でも大きな見どころの1つなんです。
折原 クライマックスに近いシーンですよね。
市原 そうなんですよ。
折原 シーンの詳しい内容に関してはDVDの発売前なのでまだ紹介できないと思いますが、風を切る音が移動していく表現を楽しむことができますね。
ホームシアターのエンターテインメント性をギュッと詰め込んだ作品だ
編集部 それでは最後にクライマックスの戦闘シーンを再生してみたいと思います。
市原 本当に何か、これだけの数のスピーカーでそんなに臨場感のある音が楽しめるのかなって、試聴する前は思っていました。ボーズならではの独自技術が製品に活かされているからなのでしょうけれども、ちゃんと感じますね。
折原 このスピーカーを聴いてから、普通の2chで聴いてみると全然違うと思います。
市原 違うと思いますよ。ウーファーの低音もしっかりしているので、その迫力も楽しめますね。
折原 クライマックスのシーンで、ヘリコプターが旋回して移動していくシーンの音の近さや包囲感をすごく感じるということ、移動していく感じがとても印象に残りました。あとは、セリフの分離とかもありますよね。
市原 そうですね。セリフは確かに聴きやすかったですね。
折原 結構サラウンド感も、色々な種類のサウンドが楽しめて、全体を通してすごく聴きどころ満載という感じですよね。
市原 そうですね。実際に、特撮は『007』のスタッフが入っていますし、プロデューサーはトム・クランシーの『ジャック・ライアン』シリーズをやっていた人です。ですから、ノンストップ・アクションの見せどころというのは、しっかり心得ている人たちが数多く参加している作品です。
折原 ペネロペ・クルスも良い味を出していますね。
市原 ペネロペとマシューの二人が来日したときは、ちょうど彼女が、トム・クルーズに代わる新しい彼氏を連れてきたというところで話題になりましたけどね。今回の作品では本当に、本格的なアクションを頑張ってくれているという感じです。
折原 ストーリーが面白い点も非常に魅力的に感じました。アメリカらしいポジティブシンキングな一面もあり、笑いもちりばめられていて、本当に家族で集まって楽しめる作品だと感じました。
市原 やはり原作がしっかりしているということもあると思います。そう言っていただけると、うれしいですね。作品を観ていただく方々にも、ご家庭でアドベンチャーを楽しんで欲しいと思います。
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