【毎月連載】 オーディオ・ビジュアルファンのためのエンターテインメントコラム
【毎月連載】 オーディオ・ビジュアルファンのためのエンターテインメントコラム
毎月連載のPhile-web特別企画「Sound Adventure(サウンド・アドベンチャー)」では、オーディオ・ビジュアルエンターテインメントの最前線で活躍される評論家の方々を「ナビゲーター」に迎え、いま最も注目を浴びるデジタルエンターテインメントのスタイルを徹底探求します。最新オーディオ・ビジュアル製品のレビューやハンドリングレポートも毎回紹介して行きます。
【毎月連載】 オーディオ・ビジュアルファンのためのエンターテインメントコラム

毎日の生活の拠点になるリビングで、もっと気軽に「良い音」を楽しむことはできないのだろうか? 今回はボーズのマルチメディアスピーカーシステム「Companion 3」を使って、テレビやゲームなど、日常のエンターテインメントのサウンドを簡単にグレードアップする方法を、Phile-web編集部がご紹介しよう。

オーディオビジュアルファンなら、ボーズ「Companion 3」については既にご存じのことだろう。発売から約1年が経つこの製品は、「マイクロキューブ」という超小型スピーカー2個と、独自のベースモジュールを組み合わせたマルチメディアスピーカーシステムだ。電源のON/OFFやボリュームコントロールができるコントロールポッドに、iPodなどのデジタルオーディオプレーヤーや、デスクトップPC、さらにはテレビや携帯電話まで、様々な機器を接続して楽しむことができる。定価は税込で34,650円という、コストパフォーマンスの高さも魅力だ。

今回はPhile-web編集部「K」が、マルチメディアスピーカーシステム「Companion 3」を自宅に導入し、テレビやゲームなど、身近なエンターテインメントの音質クオリティアップに挑戦する

今回、このCompanion 3を自宅で使ってみないか、という誘いを受け、一も二もなく飛びついた。というのも、我が家のリビングのサウンドシステムがあまりに貧弱で、早晩クオリティアップを行いたいと考えていたからだ。参考までにリビングのAV環境をご紹介すると、15インチの液晶テレビがメインディスプレイで、これにPS2とゲームキューブを接続している。DVDなどは別室のシステムで鑑賞しているので、リビングの画面サイズに関する不満はあまりないが、15インチ液晶テレビの内蔵スピーカーは非常にプアーで、これがストレスの種になっていた。また、リビングではテレビ番組だけでなくゲームも頻繁に行うので、とくにアクションゲームやレースゲームなどを遊ぶ際、もっと臨場感が欲しいな、と思うことも多かった。

というわけで、今回はCompanion 3を長期に渡って自宅で使ってみた。様々なシチュエーションで本機が見せた実力と、新しい発見の数々をくわしくご報告していきたい。

仕事を終えて帰宅したら、ここ数日到着を待ちわびていたCompanion 3が届いていた。夕食後、はやる気持ちを抑え丁寧に開梱していく。「あれ、これだけ?」と、製品の内容を知っていたとはいえ、同梱物の少なさに面食らってしまった。中に入っているのは、ベースモジュールとマイクロキューブ、そコントロールポッドと数本のケーブルのみ。取り出すのに1分もかからない。

Companion 3が到着!箱を開けると意外なほどに同梱物が少なく、機器の接続も簡単だった

スピーカーが非常にコンパクトなことにも驚いた。マイクロキューブは名刺程度の大きさしかなく、これで良い音が出るのか少し不安になったほどだ。ベースモジュールも想像よりかなり小さい。これならインテリアを邪魔せず、スマートに設置できそうだ。

さっそく製品を接続してみる。ベースモジュールはラックの隣にすんなり収まった。マイクロキューブは、液晶テレビのサイドに設置する。うれしい誤算だったのは、マイクロキューブの大きさが15インチのテレビにぴったりだったこと。カラーもシルバー同士なので全く違和感がなく、まるで一つのシステムのような溶け込み具合だ。

コントロールポッドの設置は、少し悩んだ末、テレビの脇に置くことにした。このコントロールポッドには、ステレオミニ入力のほか、ヘッドホン出力も用意されている。様々な機器のつなぎ換えを迅速に行うには、テレビの脇が一番便利なはずだ。なお、コントロールポッドの上部にはタッチセンサーが設けられており、ここに触れることで電源のON/OFFができる。ボリュームはポッドの外縁部を回すことで調整が可能だ。

場所決めに手間取った割には、設置自体は10分ほどで終了。あまりの簡単さにやや拍子抜けしてしまうほどで、ふだんAV機器を使い慣れていなくても、迷うことなく設置が行えるはずだ。

スピーカーを置いてみたところ、リビングのテレビと見事に一体感がとれたことも嬉しい誤算だった

いよいよ音を確かめる。まずはオーソドックスにテレビ番組の音を聞いてみよう。テレビに外部出力端子があったので、RCA←→ステレオミニの変換プラグを使ってコントロールポッドに接続する。テレビの電源を入れ、コントロールポッドを軽くタップすると、マイクロキューブとベースモジュールから、臨場感たっぷりの音が飛び出してきた。比較対象がお粗末で申し訳ないが、これまでの液晶テレビの音はなんだったんだ、と思わず叫びたくなるほどだ。クオリティのあまりの差に愕然としてしまう。

たとえばバラエティ番組では、出演者の声と観客の歓声がよく分離しており、さらにステレオイメージが驚くほどよく広がる。歌番組でも、アーティストの伸びやかな声が、とても心地よく伸びていく印象だ。また、名刺大ほどしかないマイクロキューブは、信じられないほど深みのある、表現力豊かなサウンドを実現している。ベースモジュールは低域だけを受け持ち、マイクロキューブが中高域全般を担当しているのだが、この大きさでよくぞここまで、とスピーカーを撫でたくなるほどの活躍ぶりなのだ。音が良くなったおかげで、番組の内容までがもっと面白くなったように感じられる。これでCompanion 3の素性の良さはバッチリ理解できた。明日以降は、ゲーム機を接続した際の使い勝手や印象を確かめてみよう。

Companion 3が我が家にやってきて数日が経った。今日はプレイステーション2と接続してみたのでさっそくレポートしよう。

本機をプレイステーション2と直接つなぐには、プレイステーションの音声出力端子をステレオミニに変換し、コントロールポッドに差せばよい。だが、この方法だと、テレビ番組を視聴する際、わざわざつなぎ変える必要がある。コントロールポッドには入力が1つしか無いからだが、これはやや面倒だ。外部入力増設ユニット「IE-3」を用意しておけば良かった。あと2つ入力が増えたのに。考えた末、今回はPS2の音声出力はこれまで通りテレビに入力し、テレビのヘッドホン端子からCompanion 3へ入力することにした。一度テレビの音声回路を通ってしまうので、音質はやや劣化する可能性はあるが、この方法なら機器のつなぎ換えを行う必要がない。ここらへんは、それぞれの使い方に合わせてベストな方法を選びたいところだ。

ゲームの楽しさがものの見事に高まり、リアルなサウンドに引き込まれた

まずはレースゲーム『グランツーリスモ4』をプレイ。このゲームは「ドライビングシミュレーター」を標榜しており、実写さながらのグラフィックはもちろん、サウンド面では、実際のクルマのエンジン音をサンプリングして使用するなど、徹底的にリアリティにこだわったのが特徴だ。

Companion 3は、そんな個々のクルマのエンジン音を明確に描き分ける。アルファロメオの「アルファ・サウンド」と呼ばれる官能的なエグゾースト・ノート、超高回転域を得意とするホンダVTECエンジンのサウンドなど、ホンモノそっくりな音が小さなマイクロキューブから再生されるのは、ちょっと感動的ですらある。さらには、コーナリング時にタイヤが軋む音、ブレーキパッドの摩擦音まで、ありとあらゆる効果音が、高いリアリティを持って再現されるのだ。ゲームの作り込みのすごさはもちろん、それを余すところなく表現する本機の能力にも脱帽した。

今日はCompanion 3をニンテンドー ゲームキューブと接続してみた。プレイしたのは、『エターナルダークネス 〜招かれた13人〜』というちょっと古いソフト。名前からなんとなく想像がつくだろうが、内容はサイコアドベンチャーで、映像もサウンドも、ユーザーに恐怖を感じさせる仕掛けが数多く盛り込まれている。

ゲーム機は数種類所有。今日はゲームキューブにつないで遊んでみた

…怖い。何度もプレイしてストーリーはわかっているはずなのに、サウンドのクオリティが高まるとクリーチャーの息づかいやヌラヌラとした粘膜同士がこすれる音など、まるで自分がその世界に迷い込んでしまったようなリアリティが感じられる。室内シーンでは、部屋の中で音が反響される様子をスピーカーが正確に再現し、恐怖感に拍車をかける。心臓に自信のある方は、部屋を暗くした上で、本機で音を再生すれば、これまでにない恐怖体験を得られるはずだ。

調子に乗ってプレイしていると、妻から「音が大きすぎる」とクレームが。こんなときはコントロールポッドにヘッドホンをつなげば良い。マイクロキューブ+ベースモジュールの音を楽しめないのは残念だが、時には我慢することも夫婦生活には必要だ。

PSPやニンテンドーDSなど、携帯ゲーム機が元気だ。特にPSPは、ゲームだけでなくMPEG4動画や音声ファイルの再生にも対応しており、ポータブルマルチメディアプレーヤーとしての側面も持っている。

今日はCompanion 3をPSPと一緒にプライベートルームへ運んで楽しんだ。システム全体としてもコンパクトなので、持ち運びが苦にならないのも嬉しい。パソコンやポータブルオーディオプレーヤーとつないで、家中どこでも迫力あふれるサウンドを楽しむことができる

外出時はヘッドホンか内蔵スピーカーで楽しむしかないが、PSPの液晶ディスプレイは大きく、家庭内でじっくりゲームや映像を楽しむニーズにもしっかり応えてくれる。そうなれば、よい音で楽しみたくなるのが人情というもの。今日はPSPとCompanion 3をつないでみよう。

PSPとCompanion 3の接続は非常にシンプル。PSPのヘッドホン出力端子からコントロールポッドにつなぐだけだ。

ゲームは、海外版の『Grand Theft Auto:LIiberty City Stories』をプレイ。全世界で数千万本を売り上げた大ヒット作だ。犯罪が多発する都市を舞台に、マフィアの下っ端である主人公が、様々な依頼人の任務をこなしながら、徐々にのし上がっていくという内容。残念ながら日本での発売予定はないが、PSPはリージョンコードがないので、海外版を直接プレイできるのだ。

登場人物のマフィア同士の罵りあいなど、唾がこちらに飛んでくるのが感じられるようなリアルさだ。銃声の響き、肉を切り裂くナイフの音など、同シリーズの作品が埼玉などで有害図書に指定されたことも頷ける。多少の後ろめたさを感じながら、それでも楽しくプレイできた。

長期にわたり、実際の生活環境の中でCompanion 3をじっくり試用してきた。これまでご紹介してきた機器のほかにも、ニンテンドーDSやiPodなど様々な機器とつないでみたが、音質の感想は、これまで記してきたとおり、「コンパクトスピーカーとは思えないほどの臨場感の高さ」という言葉に集約できると思う。

立派なスピーカーを置けば良い音は得やすいが、リビングやプライベートルームなどでは設置場所が限られることが多く、スピーカーは小さければ小さいほどありがたい。そこを行くとCompanion 3のマイクロキューブは、コンパクトさでは他を圧倒している。存在を主張しすぎないミニサイズのスピーカーは、どんなインテリアとも自然に調和するはずだ。パソコンやDAP、ゲーム機など、様々なデジタルギアの音をクオリティアップする機器として、本機はコストパフォーマンスがとても高い製品だと言えるだろう。

BOSE マルチメディアスピーカーシステム
Companion 3
\34,650(税込)
2004年10月1日発売

>>ボーズの製品紹介ページ
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壁掛けブラケット
WB-C3
\2,940(ペア・税込)
2005年4月下旬発売

マイクロキューブの壁掛け設置を実現するブラケット

>>ボーズの製品紹介ページ

テーブルスタンド
GTS-3
\3,360(ペア・税込)
2005年9月20日発売

透明感のあるアクリルを使ったスタイリッシュなテーブルスタンド

>>ボーズの製品紹介ページ

外部入力増設ユニット
IE-3
\3,360(税込)
2005年9月20日発売

コントロールポッドにつないで外部入力を増設

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