客席総数は2,062席という「東京厚生年金会館
ウェルシティ東京」のホールには、ボーズが新しく開発した音響設計ソフトウェア「Modeler
6.0」を使い、大規模空間用スピーカーシステム「Panaray LTシリーズ」のフルレンジスピーカー、ならびにサブウーファーで構成されるシステムで最適化されたサウンド環境が構築された。
正面ステージに向って左右に設置されたスピーカーの内容をそれぞれにご紹介しよう。写真からご覧いただけるシステムの最上段に設置されたスピーカーシステムが「Panaray
LT 4402-III」だ。今回は主に2階席の観客に向けて、本機を左右合計4本設置してサウンドを奏でた。中高域用スピーカーとして開発された本機は、水平40度・垂直40度の正確な指向特性を備え、大規模空間でも明瞭かつ長距離へ伝搬できる直接音を実現している。
システム中段の外側に設置された2本の「Panaray
LT 9403」(>>Phile-webニュース)、同じく中段の内側に、ホール中央に向かい角度を付けて設置された「Panaray
LT 6403(>>Phile-webニュース)」もそれぞれ全帯域をカバーするフルレンジスピーカーだ。新製品の9403は水平90度・垂直40度という指向特性を持っている。6403は同じくボーズから発表されたばかりの新製品スピーカーシステムであり、指向特性は水平65度・垂直52度。この日は1階席に座る観客を魅了した両機は、既に幾つかの施設で採用が始まっているが、今回のような大規模なイベントでのお披露目は初めての機会であるという。
そしてシステムの低域をカバーするスピーカーが「Panaray
LT MB24-III」だ。本機はPanaray LT IIIシリーズに最適化されたサブウーファーであり、中高域用スピーカーとのデザインマッチングや音響性能の最適化が施されている。本機は設置施設の規模や空間特性などに合わせて、複数台組み合わせて使うことができる。その際は同社独自の指向性制御のための最先端技術である「ベースアレイ」を構築し、必要なエリアにのみ低音を鳴らし、明瞭かつ豊かな再生環境を実現する。今回のイベントでは左右に2本ずつの合計4本が用いられ、迫力ある低音を鳴らしていた。 |