【毎月連載】 オーディオ・ビジュアルファンのためのエンターテインメントコラム
【毎月連載】 オーディオ・ビジュアルファンのためのエンターテインメントコラム
毎月連載のPhile-web特別企画「Sound Adventure(サウンド・アドベンチャー)」では、オーディオ・ビジュアルエンターテインメントの最前線で活躍される評論家の方々を「ナビゲーター」に迎え、いま最も注目を浴びるデジタルエンターテインメントのスタイルを徹底探求します。最新オーディオ・ビジュアル製品のレビューやハンドリングレポートも毎回紹介して行きます。
【毎月連載】 オーディオ・ビジュアルファンのためのエンターテインメントコラム

女性のライフスタイルにとっての、音楽や映画、そしてその再生機器であるホームシアターシステムについて、今回はふだんお仕事でも音楽に深く関わる女性ライターのお二人に、日頃の音楽の楽しみ方や理想のホームシアターについて語っていただいた。

自宅に「音楽コンシェルジュ」が常駐するといっても過言ではないほど、「uMusic」のサービスは画期的なものだ。誰でも一枚のアルバムの中に、「この曲は好き」「この曲はイマイチ」といった好き嫌いがあるものだ。そんな持ち主の「楽曲の好み」と、数百枚にわたる音楽CDの再生回数や音楽ジャンルなどの情報を少しずつ学習し、好みの楽曲を次々と提供してくれる。以前、数週間にわたって使ってみる機会を得た、ホームシアターシステム「LS-48」にはそんなユニークな音楽の楽しみ方を実現するこの「uMusic」の機能が搭載されていた。

ホームシアターといえば、イコール、映画を楽しむものと考えてしまいがちだが、この「uMusic」という機能は「そうか、音楽だって、これらの機器でもっと楽しめるはず」と私たちに気づかせてくれるはずだ。朝起きたとき、自宅で作業するとき、出先から戻ってグッタリしているとき、「あなたのお好きな曲はこれですね」といわんばかりに、ランダムに楽曲を流してくれるのだ。少しずつ自分の好みを記憶させ、育てていくから、愛着もひとしお。ボタンひとつの簡単操作で、「よくぞ、ここまで育ってくれた!」といった自分好みの状態に育てていくことができる。

今回ボーズから2.1chのスピーカーで迫力のサラウンドを実現するホームシアターシステム「3・2・1 GSX」が、この「uMusic」機能を搭載してきたのだという。音も本格派なのに加えて、システムの設置について思い悩まずに済むのも大きな利点だ。たとえば、わが家に設置したらどのように楽しめるだろうか。「ウチのコンシェルジュは、このアルバムをどう捉えるだろう」と、自然に新たなジャンル、アーティストのCDをかけてみたくなると思う。また新しい「3・2・1 GSX」を自宅に招くことで、どのご家庭でも、ゆったりと音楽を楽しむ時間が増え、生活にますます潤いが増すのではないだろうか。


仕事とプライベートのどちらにも、音楽はとても大事な存在

PW Phile-web編集部(以下:PW) 今回はLS-48の「uMusic」をお使い頂いた経験を持つ渡部さんと、3・2・1シリーズのFS-321 IIをご試聴いただいた岡村さんに、そのエッセンスのどちらかずつをご存じで、ご体験いただいたことがあるということから、それぞれお好きなCDを聴いて頂き、「音楽と私」との関係、そしてホームシアターの理想像を語って頂きたいと考えています。

渡部 岡村さんは音楽ライターとしてご活躍されて何年目になりますか。
岡村 そうですね。もう15年ほどになりますね。
渡部 今、私はビジネスライターを職業としています。ライターという仕事はやはり夜が遅いイメージがありますが、そんなことはないですか?
岡村 いや、遅いですよ。渡部さんもそうだと思いますけど、忙しいときは昼も朝も夜もないというか、寝られるときに寝るというか。それが良くないというのはわかっているので、できるだけ日の出とともに目覚めるという方向にしていますけれど。

渡部 そういうお忙しい中で、どのようにめりはりを付けているのですか。何かリセットされる工夫などはあるんですか。
岡村 この頃はめりはりが少ないんですよ。私はインドアの人間で、外に出る機会が基本的に少ないんです。何か音楽と違うことをやろうとしても結局音楽の方に行ってしまう。街に出てどこかへ行くといっても、中古レコード屋へ行ってしまったりと、結局音楽とつながってしまうので、実はあまり気分転換になっていないこともよくあります。そんな中で、たまには大音量で音楽を聴いて気分転換することもあります。私は集合住宅に住んでいて、しかも近隣が極めて静かな場所なので、やはりあんまり大きな音は出せないんですよ。だから、夜になるとどうしてもヘッドフォンが中心になってしまうんですけれども、ヘッドフォンで聴くときでも結構大音量で聴いています。部屋に誰かが入ってきてもわからないぐらいの音量で聴くことは、すごくストレス解消になりますね。渡部さんはいかがですか。
渡部 そうですね。私は気分転換の1つとして音楽を聴いたりしますけれども、やはり外じゃなくて自分の部屋ですよね。私は音楽関連の文章を頻繁に書いているわけではないので、こういうホームシアターシステムについてじっくりと語る機会は久しぶりで、とても楽しみです。

音楽はしっかりとした再生システムで聴きたい

渡部 岡村さんは、いつもは音楽を聴きながらお仕事をされるんですか。
岡村 書くときは聴かないですね。原稿を書く瞬間と、音楽を聴く瞬間というのは完全に別にしています。「この曲だけは書くのにはかどるからよく聴く」というものはありますが、やはり歌がないものが多いですね。
渡部 お仕事をされていない時はいかがですか。

岡村 私は音楽を「何かをしながら」聴くことができないんですよ。昔はもう、ちょっとでも時間があれば聴きたいという方でしたし、動く時に必ず聴いていました。最近はこういう音楽が聴きたいという時には、それなりの音量を出して聴かないと楽しめない。でもそれは別に、朝起きて掃除機をかけながらとかでももちろん聴くことはあります。単純に、音楽を聴く時間の配分というか、一日の生活の中で、何かの合間じゃなくて、もうちょっとそこに気持ちが入り込んで集中して聴けるような時間があれば、もっともっと聴きたくなるのかもしれないですね。こういうしっかりした再生システムで聴くという状態を、本当はもっと持つべきだと思うんです。反対に音楽を聴く手段がインスタントになればなるほど、後回しになってしまうというのは現代の傾向としてあると思いますね。渡部さんはいかがですか。
渡部 そうですね。私も原稿を書く時はやはり「ながら」というのは、何度挑戦してもうまくいかないようです。でも仕事の時間以外では、音楽は気分転換の重要な要素だし、無くてはならないものの1つですよね。
岡村 結局、渡部さんもそういうところがおありになるかもしれないですけれども、音楽に深くかかわっていくと、聞こえない音とか、あまり今まで耳に届かなかった音まで聴きたくなってくるんですよね。そうすると、掃除しながらとか、洗濯しながら何かかけるという聴き方ではやっぱり聞こえてこない音がある。メロディーとか低音だけじゃない音を拾って聴きたいとなると、何かしながらではなくて、きっちり向き合って聴かないと難しくなってきて、余計に音楽を集中して聴く時間が欲しくなりますよね。
渡部 オンとオフというのは大きな差があるというか、もう本当にスイッチを切り替える程に違ってくるわけですね。
岡村 そうですね。それも本当に気分次第ですよね。何となく聴きたいなという時も確かにあるし、爆音でなんでもいいから取りあえず「わあっ」と聴きたいという時もあります。

リビングのホームシアターシステムはいつも家族と取り合いに

PW 渡部さんはプライベートでは音楽に触れている時間は長い方ですか。例えば家事の時に音楽はどのように楽しんでいるのですか。
渡部 部屋の片付けの時は音楽を聴いていますね。洗濯とか台所に立っている時は、ジャーッとか音がすると嫌なので音楽は聴きませんが、ステレオがある部屋で片付けものなどをする時にはリラックスのためも兼ねて音楽を聴きます。
PW オーディオ・ビジュアル機器はお家のどこに置いていらっしゃるんですか。
渡部 リビングと私の仕事部屋です。仕事部屋には自分専用の小さなものを置いて、家族と一緒に使うものをリビングに置いています。夫が好きなので、7.1chサラウンドも楽しめる大画面ホームシアターです。
岡村 リビングのシステムはご家族でどのように使い分けていらっしゃるんですか。

渡部 夫が聴いている時に「これもかけてよ」とお願いすると、「えー」とすごく嫌な顔をされて「これが全部聴き終わってから」なんて言われます。夫はしっとりしたソウルフルな女性ボーカルの曲などが好きなの、向こうはそれでリラックスしたいと楽しんでいるわけなので、それを邪魔しちゃいけないなと譲ってしまうこともよくあります。お互いに専用の部屋が欲しいねと相談することもあるんですが、今はリビングで我慢しています。
岡村 渡部さんは先日、uMusicをご家庭でお使いになった時には、この機能をご主人とシェアしてみて、実際にどうでしたか。
渡部 操作性がとても良く、簡単に楽しめたことが印象的でした。朝、眠いときにCDを取り出して、といった手間が省けるだけでも大きいですよね。
岡村 保存した楽曲は一覧などで確認できるんですか。
ボーズ(株)広報担当者(以下:ボーズ) いいえ、一覧は出てきません。当社としましてはむしろ、保存した楽曲とランダム再生のたびに出会える新鮮さを「音楽好き」なユーザーの皆様にご提案したいと考えています。
岡村 なるほど。保存内容を忘れるくらいが逆に良いということですね。良い意味でのブラックボックスですね。今はインターネットにミッドラジオというサービスがあるんですよね。ネット上のデータベースが学習していって、いつの間にかユーザーの趣味に合致した局をレコメンドしてくれるというもので、こういう楽しみ方が米国では普及しているようです。3・2・1 GSXに搭載されたuMusicの場合でも、通常のシャッフルプレイに加えて、ユーザーが楽曲の再生中に「+」「ー」の評価を与えて行って、最終的には、聴き手の方の感情の動きみたいなものに沿った選曲が自動的に出てくるわけですね。面白いですね。ドラえもんの秘密道具の中に、「ムード盛り上げ楽団」というのがあって、楽団の格好をしたおもちゃなんですけど、そばに置いておくと、その人が沈んだら悲しそうな音楽が流れて。4人組かな。一応カルテットなんですよ。主人公の気持ちが盛り上がってきて、いいことがあったらそれが盛り上がってくれるという。すごく楽しそうだなと前から思っていたんですけどね。
渡部 uMusicはその道具みたいですね。前回使わせていただいた時にはuMusicを使い込む期間が短かったので、この次にもし機会があればぜひ心行くまで育ててみたいと思っているんです。

女性もデザインだけでなく、音質・機能で製品を選んでいます

PW お二人にとって、ホームシアター、オーディオの再生装置とはどうあるべきだとお思いになりますか。例えば、しごく簡単な方がいいとか、音質だけははずせないとか。
岡村 当然、音質が良くなければ話にならないと思いますよ。
PW やはり音の良しあしというのは、選択のとき気になりますか。
岡村 もちろん。ただ、そういう人は、女性には少ないと思いますけどね。置き場に困らないとか、コンパクトとか、そういうことは大事ですよね。
渡部 そうですね、総合的に見てしまいますよね。音もそうだし、コンパクトさとか、トータルですよね。
PW それらは両立できないと思っていらっしゃいますか。
渡部 あんまり考えたことはありませんでしたが、今だったらあり得るのかなと思います。そういう製品をあまり知らないのかもしれないですね。
PW 例えば、お二人はオーディオ製品を購入される際はどういう基準で選ばれるんですか。

渡部 機能、コンパクトさ、価格、ビジュアルですね、私の場合は。
岡村 そういう順番ですか?
渡部 たぶんそうですね、自分の中では。
PW 機能は、具体的にどういうものですか。
渡部 やはり使い勝手がいいとか、音がいいとか。
PW 一応音質は、基準として高い方にあるのですね。
渡部 そうですね。やっぱり家族がそういうものを好きで高いものを買って、それを聴かされちゃっていますから、いまさら安いものを買っちゃったら、きっと満足できないと思います。
PW いまさら「後退」はできないということですね。岡村さんはいかがですか。もちろん、お仕事ではそういう基準があると思うんですが。
岡村 もちろんあります。私は機能と音質を除けばデザインが一番大切です。女性はデザインを重視する人が圧倒的に多いと思います。ボーズは私の好きなブランドですが、その理由として大きいのが製品のデザインです。音が良いのはもう分かっていることなので、音が良いメーカーをたどっていって、一番は結局ボーズさんだとなるわけですね。デザイン性と音質というのは案外その次です。ただ、それはパーソナルな部分であって、仕事をする上では機能重視、音質重視です。やはり、どうしてもインテリアからはずせないですよね。部屋の目立つところに設置するわけだし、あまり安っぽいデザインだと飽きてしまいますし。

女性にとってブランド「イメージ」はとても大切

ボーズ これは私のイメージなんですが、女性の方の多くは音質を非常に重要視しているけれど、音質の良い・悪いを比べていく手間を面倒に感じてしまうので、例えばデザインだったり価格だったり、別の要素での満足を求めてしまうのでしょうか。本当は音の良いものが欲しいけれど、音の良し悪しをどうやって調べればいいのかわからないとか、あるいは仮に販売店へ行っても、色んなスピーカーの音を聴き比べることがもう面倒だというふうになってしまうのでしょうか。
岡村 女性は特に、「良い音」の価値基準がわからないと言われますよね。

渡部 情報も少ないんですよ。男性誌では取り上げられますが、女性誌ではオーディオ情報がほとんどありません。
岡村 それは本当にあると思いますね。例えば製品のパンフレットを見ていても、私はかなりわかる方だと思いますが、大抵の女性は内容がわからないと思います。結局は「よくわからないけど、デザインがよくて、安くて、小さいものでいいや」ということになってくると思うんです。オーディオはまず入り口の敷居が少し高くなっているだけだと思います。ただ、それを伝えていく立場になった時に、全くわからない素人の女性にも音の良さの違いがわかるように伝えるのは、また難しいことだと思いますね。
ボーズ 当社の場合「あのボーズがこんなかわいいオーディオを出した」という内容の記事を女性誌でしばしば掲載していただくことがあります。記事を読んでくださった女性の方に興味持っていただき、「ボーズの製品って音が良いよね」であるとか、「デザインがかわいいよね」というふうに、色んなイメージで製品を手にとってもらえれば嬉しいですね。
岡村 ボーズさんの場合は女性にとって、「音とデザインの良いブランド」というイメージがあるのかもしれませんね。ブランドイメージの持つ魅力も、女性にとってはオーディオ製品を選んで買う時の大切な選択基準のひとつかもしれません。

音の良い・悪いは一般には「正直わからない」というイメージがある

ボーズ ホームシアターシステムは必ずしも多機能である必要はなくて、当社はあえて音楽だけ聴きたい人のための「音楽ホームシアター」があってもいいんじゃないかと考えています。でも「純粋な単機能が欲しい」という欲求は、本当は多くのユーザーがお持ちなのかもしれませんが、一方で用途毎に個別のシステムを持たなければならないという面倒さもあります。お二人は「女性にももっと良い音を聴く機会が増えたらいいのに」と感じることはありますか。

渡部 私の周辺の女性の友達には音楽が好きな人が多くいて、あるアーティストのコンサートやライブに追っかけに近いほど頻繁に行っている人もいます。そういう人は交通費や旅費を惜しまずに使っている一方で、家に遊びに行くと、オーディオにはお金をかけていないケースが多いようです。これは何故だろうと今、考えていましたが、オーディオを知ろうとしていない女性も多いのかなと思います。コンサートの席の位置などはすごく気にするのに、家の中の音の良さというのはあまり気に掛けていないケースが私の周りでは多いと思います。
岡村 単純にアーティストを身近で見たいということですよね。
渡部 そうかもしれませんが、やはり生の音が一番いいですよ。大抵の方は収入に応じて、趣味にかけるお金が決まっているじゃないですか。よく、ゲームが流行ると雑誌が売れないと言われていますが、それと同じで、コンサートに頻繁に行く人は家の中の音楽再生環境にどうしてもお金をかけられないというか、そっちに関心が行っていないのだろうと思います。そちらに関心が向かって、こんなに良い音だということがわかったら、好きなアーティストの曲をもっと感じ取りたい、聴きたいと思うのかと。
岡村 でも、それはちょっと微妙なところだと思うんですよ。やはり最終的に、それがすべての女性には当てはまらないと思うし、アーティストにもよると思うんです。例えば今日、渡部さんがお持ちになったCDは、音楽や音質にこだわっているアーティストが多いし、聴いている方もそこにこだわっているリスナーがついていると思いますが、一方で大抵の作品は、曲が良ければいいとか、歌詞がいいとか、ジャケットがいいとか、そういうものも含めたもっと表象的な部分が多いと思います。歌詞が良いとか、ジャケットが気に入ったとかメロディーが良いというのは、言い方は良くないですけれども、素人でもわかるわけです。音が良い・悪いというのは、一般の人には「正直わからない」というイメージがあるわけですね。理系を苦手な女性が多いのと一緒で、最初からものすごく閉ざされているジャンルであって、これが良い音だよと聴くチャンスに恵まれたとしても、確かに良いけれども、じゃあこれにいくらかお金をかけましょうということまで考えが回るかどうかというのは、やはり現実的には難しいと思います。それは、本当にオーディオに興味がある人でなければ向かわない。

ライフスタイルの観点から気軽に良い音・良い製品に触れてみたい

岡村
 ボーズさんの製品を例にとってみると、オーディオを何も知らない人でも、デザインが良いとか、手に取りやすい状態で買ってみたら意外と音が良くて、自然といい音で聴くことが習慣になってしまっている方が多いのではないかと思います。自然と良い音を体験するような状態でボーズさんの製品と向き合っているという状態です。「これは良い音なんですよ。だからみんな聴きましょう」という環境に追い込んでしまうと、女性は一歩引いてしまうというか、構えてしまうところはあると思います。自然と良い音に出会うというか、そういう環境もとても大事だと思います。例えば、量販店や電気店のオーディオコーナーではないところに置いてあるとか、そういうことは女性にとってすごく大事なことですよね。
渡部 インテリアショップのリビングコーナーでオーディオ製品を見かける機会も増えています。こういった場所も女性にとって製品との接点を持ちやすいですね。

岡村 そうですね。ヤマギワリビナ館ってあるじゃないですか。あそこに置いてあるだけで買う人はいますからね。国外メーカーからもそれなりにおしゃれな製品が出てきているので、そういうものを何も知らずに買っていく方も多いと思います。
ボーズ 今年の3月3日には、六本木ヒルズに当社のストアがオープンしましたので、ぜひ遊びにいらして下さい。
岡村 それは素敵ですよね。
ボーズ 当社は今年の3月31日時点で、全国に23の直営店を持っています。実はいずれのお店もショッピングモールや百貨店など、オーディオとは縁の薄い場所に出店しているんです。ユーザーの皆様に、ふだん製品をどんな所でお買い求めになるのかを訊ねてみたら、実際にはオーディオとはあまり関係のない所で買っているという方も多くいらっしゃいました。だとすれば、オーディオとは関係のない、色んな場所でボーズのサウンドを楽しんでもらえるんじゃないかと考えたんです。また、六本木ヒルズ店ではアルフレックス社の家具で店舗をレイアウトし、全体が見渡せるガラスのパーテーションも取り入れたりしながら、リビングや書斎など実際の楽しみ方をご案内しています。まるでインテリアショップのようなゆったりとした空間で、ボーズのサウンドを体験していただけるんですよ。
渡部 そのようなお店であれば、「自分の部屋だったらこのシステムをこんな風における、使いこなせる」といったイメージがとてもしやすいですよね。
ボーズ 遊びに来ていただいた方々に、製品を気軽に手に取っていただけるよう工夫もしています。当社としては今後もライフスタイルとつながる製品のイメージを、積極的にご紹介していきたいと考えています。
渡部 ライフスタイルの中で音楽のある空間と時間を意識して、自分の生活に位置づけていくことはやはりとても重要ですよね。
岡村 そうですね。重要であってほしいですね。

「朝起きた時にいつも何を聴いてますか?」「寝る前に聴く音楽は?」。仕事柄、そんなことを訊ねられることもあるが、そういう時に、自分の手持ちのCDの中から、その日の気分によって自動的に音楽が流れてくれたら、と思うこともなくはない。朝は「アコギの音がリリカルで、ストリングスやホーンも聴こえてきて、ヴォーカルは女性で…」、寝る前は「インストで、ビートがなくて、曲展開が緩やかな曲」というように聴き手の感情を汲み取ってくれるようなシステムがあったら、人と音楽はもっと仲良しになれるのではないかと思う。

ボーズ「3・2・1 GSX」はそういう意味でも音楽ファンの生活に彩りと幅を与えてくれるシステムだろう。手持ちのCDをあらかじめ読み込ませておくだけで、自分自身の気分に沿った選曲が可能な「uMusic」の機能は、自分だけの“音楽チャンネル”を複数持つことを実現させてくれる。ランダムに曲が流れてくる期待感は、さしずめ部屋の中に小さくて賢いジューク・ボックスが登場したような気分にさせてくれるものだ。それに何より、まるでドラえもんの秘密道具のようなこの「3・2・1 GSX」が、私たちに改めて音楽はそもそも情緒豊かな文化であるということを知らしめてくれることが嬉しい。魅力的なシステムと出会ってしまった。誰か私の誕生日などにこれをプレゼントしてくれないかなあ。

岡村詩野(Shino Okamura)

音楽評論家、自主制作雑誌『Kitten』の編集・発行人。各種音楽専門誌やファッション誌の音楽ページなどに執筆。東京・渋谷の『東急セミナーBE』の音楽ライター入門講座講師も務めている。www.kittenmagazine.net


渡部由美子(Yumiko Watanabe)

ビジネスライター。『THE21』(PHP研究所)、『DIME』(小学館)などのビジネス誌、アクティブシニア関係の雑誌、WEBサイトなどで活動中。いま興味があるのは、五感にやさしい住環境。自宅ではオーディオ好きの夫にあやかり、ちゃっかり7.1chのホームシアターを満喫中。 http://homepage2.nifty.com/yumwata/


BOSE フロントサラウンドシステム
3・2・1 GSX
\241,500(税込)
2006年4月15日発売

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